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「なぜその研修を実施する必要があるのか?」

例えば、リーダー昇格者にリーダー研修の打診をした際、上記のように聞かれたらどのように答えますか? 
「そう決まっているから」では、受講する側も「じゃあとりあえず受けさえすればいいんだな」となります。自社に必要な人材を効果的・効率的に育てるための教育体系について考えてみましょう。

よくある社員研修の成果がでない原因

【1】研修内容が現場の実情に合っていない
➤原因
研修が理論的すぎる、もしくは現場の具体的な課題に対して直接的な解決策を提示していない場合、研修で学んだ内容が実務に活かされにくい。

研修内容を現場の具体的な課題や実務に合わせ、より実践的なスキルや知識を提供する。現場のリーダーや従業員のフィードバックを基に、研修内容を柔軟に見直す。

【2】学んだことを現場で実行するためのサポートが不足している
➤原因
研修で得た知識やスキルを現場に落とし込むプロセスが不足しているため、研修の効果が持続せず、現場での変化が見られない。

研修後にフォローアッププログラムを導入し、上司や同僚が新しい知識を活かして取り組むことをサポートする体制を整える。メンター制度や定期的なコーチングも効果的。

【3】現場が文化や風土の変化に対して抵抗がある
➤原因
既存の習慣や文化が強く、新しい方法や思考を取り入れることに対して抵抗がある場合、変化が起きにくい。

組織全体で変革を進めるために、トップダウンのアプローチで経営陣が積極的に変革を促し、リーダー層が率先して新しい考え方や手法を実践する。成功事例を共有し、従業員が変化の効果を感じられるようにする。

【4】研修効果を測定・評価する仕組みがない
➤原因
研修の効果が適切に測定されておらず、現場での成果や行動変容が確認されないまま終わっている可能性がある。

研修の前後で具体的な評価指標を設定し、定量的・定性的に効果を測定する。例えば、業務効率やコミュニケーションの改善度を定期的にチェックし、必要に応じて研修内容やアプローチを改善する。

人的資本経営時代の教育体系を考える

人的資本経営時代の人材育成は、組織だけでなく個人の成長やキャリアも含まれます。つまり、教育体系は、組織と個人の双方の成長を促す仕組みであることが求められています。人的資本経営の観点での留意点をまとめました。
➤階層ごとの明確な目標設定と成長軌道を定める
階層ごとに「目指す姿」を明確に設定し、求められるスキルや能力を具体化することは基本です。組織の人的資本を効率的に活用するため、各階層の人材が持つスキルと知識が、企業の長期的な成長に貢献するかどうかを考慮します。
➤スキルとリーダーシップの連続的な開発
各階層で必要とされるスキルやリーダーシップの能力は段階的に異なりますが、組織の目指す方向に一貫性を持たせる必要があります。リーダーシップが、現場から経営層まで連続的に発展するように設計します。組織全体でリーダーシップを発揮できる人材の層を厚くすることが、変革を促し持続可能な成長につながります。
➤企業文化と価値観の統合
教育体系は、企業の文化や価値観と一致していることが必要です。特にリーダーシップ開発やマネジメント層の研修では、企業のビジョン・ミッションを従業員に浸透させ、日々の業務に反映させるための教育が求められます。企業文化に基づいた育成は、従業員が企業の目指す方向性に沿った行動を
取るようになり、人的資本の一貫性と組織全体のパフォーマンスを高めます。


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