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子どものつむじを見て思う

明らかに大きくなっている。

何気なく息子を後ろから眺めて感じた「ん?」という違和感。やっぱり、またつむじ周りがはげてきた。

最初のつむじはげ

また、と言うからには前にもあったわけで。前回は2年前、1年生の夏休みが終わった頃だった。

1年生、初めての長い休み。息子は頑張って、ほぼ毎日学童に通った。仲の良い友達と一緒に朝一番の時間から楽しそうに通ってくれた。まったく文句も言わず、助かったことを覚えている。

つむじが気になったのはそんな夏休みが終わった、9月頃。
なんとなく、つむじが大きいな?と思って数日すると明らかに大きくなるつむじ。円形脱毛症??と焦って皮膚科に行って言われたのは「円形脱毛症じゃないよ。これ自分で抜いてるね」と。

無意識にやっているはずだからと言われ、思い返せば、あたまを触る癖があるなぁとは思っていた。ストレスも多少なりとも影響するし、子どもが興味本位で抜いていることもあると。観察していると、宿題にウンウン言っているときに、つむじあたりをかいたり引っ張ったり。
初めての夏休みは計画を立てて、たくさんの宿題も順調に進めていると思っていた。その計画はわたしと話して立てたもの。でも結局それはわたしが作った計画になって、1年生だった息子は付いていくのに必死だったのかもしれない。
あたまを触るのは癖だし本人は無意識なので、わたしが気がついたらそっとあたまから手を離して「手は横においとこ」と伝えていた。学校での様子で気になることがあれば教えてほしい、と先生にもお願いした。
結局そのあと秋から冬にかけてつむじはさらに大きくなって、直径5センチ以上にはなったと思う。その時の親の気持ちはもう、とにかく毛よ、生えてくれ!と祈るばかりだった。もはやつむじではないレベルだったが、いつのまにか気にならなくなったのは2年生になる頃だった。


それから一年以上たって、また‥

今年の夏休みは、1年生のときとはまったく違う。すでに春休みから「学童にはもう行きたくない」と、よく聞く中学年からの学童離脱組となり、どんなに言っても本当にまったく通わなくなってしまった。短時間の留守番はできるし、親の仕事の都合も多少きくので夏休み前に学童はやめた。

そんなことで当然、夏休みはすごく暇だったと思う。暇だろうと思ってそれなりに遊びにも連れて行ったけど、彼の日記には「ゴロゴロしてた」が連日並んだ。
それもそれでストレスなのかと、本人に夏休みどうだった?と感想を求めると「ゴロゴロできて最高だったー!」と満足気。
なんだ本人は満足気じゃん、とほっとするのだが
そういえば。夏休み後半、
「あーーーー!!!!!!」
と急に大声をあげることがあった。びっくりして「なに、どうした!?」と聞けば「いや暇だし、ストレス発散してる」と。
暑さで外で遊びたくもないし、ゲームも飽きたし親は仕事だし、やることないし、その結果
「あーーーー!!!!!!」って。
それで発散になるならと放っておいたが、子どもなりにどうしようもないストレス抱えてたんだなと今さら思いかえす。


どうしたらよかったんだろ

答えはわからない。わからないけど、こうしてまたハゲができて、子どもの心になんかしらの負荷がかかってたんだろうと思うと
自分にもっと何かできたんじゃないか、わかっていながらスルーしてたんじゃないかと責める気持ちがわいてくる。
でも過ぎてしまって、今すでにこういう事実が有って変えられないわけで、どうしたらよかったなんてなんの意味も無いと思い直す。


親の心配って


同時に、子どもとどんな風にこのつむじの話をしようかと考えた。そのうちつむじに気がついた友だちになにか言われるだろう。
本人は見えてないはずだけど隠すのも変だし、事実だけ、伝えることにした。「最近、つむじが大きいなって気になるんだ。1年生のときもあったね。あのときは無意識にあたま触ってたね」という感じ。

でも本当は「なにか嫌なことがあるんじゃない?夏休みやっぱりしんどかった?ゲームばっかりしてるから目がつかれてるのも原因かも。あたましょっちゅう触ってない?シャンプーきちんと流せてないんじゃない?もっと外で遊んできたら?もっと野菜を食べたらいいのかも‥」
言いたいことが口をついてどんどん出てきそうにもなる。でも言わないことにする。
これらはただ、わたしが言いたいだけ。言われた子どもはきっとどうしょうもない事ばかり。
なんで言いたいのか考える。心配だからという言葉が浮かぶ。その心配からどうして言いたくなるのかって突き詰めると、自分が安心したいからなんだろう。心配と言うのは言いかえれば、わたし自身が不安で、わたしが安心したいだけなんだろう。
言いたいこと言って子どもから「そうだね、気をつける」とか聞いて安心したいだけ。先回りして心配して親として安心したいだけ。
心配ってすごく、重たい。心配されている子なんだって、子どもながらに感じて、子どもも自分で自分が心配になる、自信が持てなくなる。
これを書きながら、自分の子どものときの記憶が少し蘇って、でもすぐ目をそらす感じになった。
ともかく、心配だからこそそっと見守って、症状の経過を見てまた病院で診てもらおう。心配は子どもにぶつけないでおこう、と決めた。

まだ治らないけど

そんなわけで気になり始めてから1ヶ月ほど、未だに頭のてっぺんにはしっかりと肌色が見えているのだけど、それほど大きくもならず本人も気にする様子がない。ともかくゆったり構えて見守ろうと思っている。



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豆大福
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