春の冷たい風
仕事の帰り際、事務所に寄ると事務員の姉様が「外は風が冷たいでしょう」と言ってきたので
「世間のかい?そうだなぁ俺には特別冷たい様だぜ」と言った所、姉様は無言を貫いた
それでもなお「生まれて此の方、冷たい風はずっと向かい風さ、追い風なんてありゃしねぇ!」と続けたが途中「お疲れ様」とさえぎって来た
どうして俺がお疲れ様と言う前にお疲れ様を言って来る?言葉のキャッチボールを知らないのか?
俺はそう心の中で叫び、すごすごと帰った。本当に足音がすごすごと鳴っていたんだ!
誰か俺にぬくもりをくれないか?
「ぬくもり」ってのはさ、突いた魚からモリを抜く事だけじゃ無いはずだぜ!