「無益な殺生」
梅雨の時期、まだ幼いカタツムリが道を行く姿を犬の散歩中よく目にする
まだ幼い故に背中のグルグルも柔らかい!犬が踏んだだけでも潰れてしまうだろう
また人間や車に潰される危険性もあるので、私はそっと拾い上げ路肩の紫陽花の葉っぱに移してやった。そんな小さな気遣いのできる…俺…!
ほくそ笑みながら歩き出した途端に何かぐしゃっと踏んだ!
見ると別なカタツムリだった…
「ぐしゃ」っと言う音は「少しだけ優しい朝」が壊れた音だった
暗澹たる気持ちで思い浮かんだのは、古代インドの仏教僧の事である
彼らはそんな暗澹たる思いと行いを避けるため、虫が地面をはい回る時期には一歩も外に出ずに屋内で修行する
無益な殺生を避けるそれを「夏安居」(げあんご)と言うらしいが「その気持ちも少しわかるな」と思った…
しかしその後すぐに「んな、ばかな!」と、むずがる犬を引っ張るように足早く帰宅した…俺…!
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