「自由競争」
無沙汰、無沙汰!亀甲人(キッコーマン)です
高台の公園にて休息中、見下ろす海辺での出来事をご紹介致しましょう
〜カモメがヤドカリに言いました〜
🐦おーい、ヤドカリくーん!君はいつも帰る家を背負って生きているけど、そんなにまでして安心材料が必要かい?
君はある意味、安定志向に囚われすぎている、家に縛られ過ぎているって事じゃないか?
僕を見てみなよ!大空を自由に飛び回って、疲れ憩う宿木がその日の我が家さ!風の向くまま気の向くまま、これが自由ってもんじゃないかい?
〜ヤドカリはカモメに言いました〜
🐚でも、カモメさん!僕の背負っている宿は借り物なんだぜ!その時々の自分の大きさによって、帰る家を変えているんだ!いつも同じ安定性を求めている訳じゃないよ!
それに君は自由だっていうけど、群れでしか行動出来ないんだろ?窮屈じゃないかい?集団に依存して自分の意志を二の次にするのは…(笑)
僕は自由に歩いて疲れた所で家の中に入る、家の中で自分の居場所が窮屈になったり、新しい自分になりたい時は惜しげもなく家を変えて生まれ変わるんだ!…僕の方がずっと自由だと思うけどね
〜それを高台から眺めていた桜の木が言いました〜
🌸ねえ!あなた達!自由ってそんなに大切なの?私達はねぇ、種が落ちたその場所で生きるの
時に冷たい夜の雨や、時に厳しい雪の朝。そして暖かい太陽に包まれながらそこで生きるの
水だって自分では調達出来ないし、花開く時や散る時期は季節次第…私達にはどうしようもない事なの
つまり私達は制約だらけで貴方たちが憧れる自由なんて全く無いのよ!
でもね、私は気にしていないんだ!制約の中で運命に縛られて生きているけど、皆んな同じ夢ん中…流れるままに任せているんだ!
心の自由ってよく知らないし考えたこともないけど「全てはそれで良し」って思ってる…
ねっ、亀甲人さん!聞こえているんでしょう?私達の会話が
いつだったか亀甲人さんが言ってた言葉を思い出すんだ…貴方は言ってたよね「命が最大の制約だ!」って。私はあの時、体がカーッと熱くなって秋なのに狂い咲いてしまったのよ!
本当は自由なんて無いのかも知れないね!えへへっ、よく分からないけど…
〜私は桜に言った〜
😌どんな運命の風にも身を任せて揺れている君は、いつだって綺麗だ!
命と言う制約の中で花開いた君はやがて、枝だけになっても魂の根幹を運命の風は揺らし続けるだろう
そして次の春もきっと、きっと…綺麗だ…