日本の神道・仏教〈1〉
日本の各イベントや行事がキリスト教由来だったり、仏教由来だったり、神道由来だったりで、皆さんのなかにも、一度は日本の宗教観について不思議に思った事のある人は多いと思います。
なぜ、こんなにもいろんな宗教の行事やイベントを自然に受け入れることができるんだろう?
そもそも日本の宗教って仏教?神道?それとも…?
①中国から伝わった仏教
宗教混沌を否定するヨーロッパの宗教思想の影響を受けて、明治元年(1868年)日本政府が公布した『神仏判然令』まで、日本では神道と仏教とが一体化していました。
つまり、神社に社僧というお坊さんがいたり、仏像が御神体の神社があったりではっきりとしてませんでした。
社僧は『御成敗式目』にも登場しますから、法律的にも認められた存在でしたが、それが認められなくなったのが1868年以来です。
日本に仏教が広まっていったのは、中国仏教を輸入し、仏教とともに中国文化を日本の支配階級が受け入れたからです。
このころまでの仏教とは、支配階級の宗教による統治であって、あくまでも「鎮護国家」を祈願する国家の宗教でした。
仏教が中国に入ったころ、対立したのが民間信仰としての「道教」でした。
仏教が中国社会で一応の地歩を築き、道教も民間信仰を集大成して宗教として体制を整え始める三世紀ごろ、仏教と道教は思想的融合に向かおうとする傾向を生じはじめます。
これは珍しいことではなく、キリスト教もイスラム教も、多くの民間信仰や習俗を取り入れています。
中国の場合、仏教は道教を吸収しきるほど有力ではありませんでした。
中国にはさらに「儒教」があり、思想として異なる儒教と仏教と道教(儒釈道)の三教を調和して折衷統一しようという方向に向かいました。
これが三教合一論です。
日本が受け入れた仏教とは、この三教合一論的な仏教となります。
なので、この「仏教」の中に道教も儒教も含まれていた事になります。
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