『アパレルが念仏のように唱える売れ筋なんてもうない!』 =トレンドは自分たちで作る=
アパレル業界では、みんなが売れ筋を追いかけたがります。
正に激戦のレッドオーシャンです。
テキスタイルメーカーが競合と同じ生地をアパレルメーカーに推奨するので、そうせざるを得ない仕組みも一つの問題点です。
結果として、トレンドだけを追い求める企業は衰退しています。
これではテキスタイルメーカー・アパレルメーカー共倒れです。
先を見ていないと、判断を誤ってしまいます。
トレンドというテーゼに対するアンチテーゼは常にどこか持っていないと、生き残っていくのは難しいと言えるでしょう。
つまり、トレンドだけに頼りきってしまってはダメだということです。
では、どうすれば良いか?
トレンドは自分たちで作る、です。
お客様はたた服を買いに来ているのではなく、目に見えないモノを求めてきています。
お客様は十分過ぎるほど服を持っています。
無ければいけないモノではないでしょう。
気分転換だったり集まりがあるときに少しでもよく見られたいという願望だったりを満たしたくて、その手段として服を買われます。
だから、スタッフは積極的に提案しなければならないのです。
お客様の要望に応えることも大事ですが、主導権は握ったうえでおすすめをすることが大事です。
例えば、パンツキャンペーンがあったとします。
お客様にパンツをおすすめしても、
「パンツは買うところ決めているから」
「そういうカタチのパンツは穿かない」
「試着が面倒」
といったネガティブな反応が予想されます。
ですが、このようなお客様にこそチャンスがあるということをスタッフの皆さんは見逃さないようにして下さい。
キャンペーンとは、おすすめ商品の商品知識・着心地・特徴・サイズ感等をインプットし、それをアウトプットする、を言います。
これをスタッフ全員でやってみたらどのくらい伸びるのか?
がキャンペーンです。
当然、パンツを買いに来ていないお客様に対してもオススメをしなければならないので、どうアプローチすれば振り向いてもらえるのか?を失敗を繰り返しながら練習する機会だと言えます。
キャンペーン期間中にレベルアップした接客スキルを通常時の販売に活かす、これが最終目標です。
キャンペーンを通じて商品と向き合うことで、シルエットや素材などが把握でき、数多くある中から最高の1枚はこれだと自信を持っておすすめ出来る商品がわかるようになります。
でも、商品の深掘りや接客トークを磨かずにただ「ブランド」に頼っていたら、いずれお客様は離れていきます。
そのブランドが好きな方がいらっしゃれば売れるでしょうが、そのブランドが終わった時にはお客様の来店も終わります。
あなたとの関係性でつながっていたのではなくブランドでつながっていただけの関係なので。
ブランドで煽れば、いつかブランドに煽られる、です。
お客様自身では選ばないモノをおすすめしてみて「気に入った。ありがとう」と言ってもらえた時、本当の関係性が構築できたと言えるでしょう。
販売トークを磨き、知識を身に付けて自信をもっておすすめすればお客様も「あなたがおすすめしてくれるなら価値のあるモノ」とわかってくれます。
自信とは、自分との約束を守った量です。
ですので、キャンペーンの時だけやればいいではなく、日々接客と向き合っていないとお客様には見抜かれてしまいます。
スポットライトに当たらない死に筋商品をキャンペーンでおすすめしていく、トレンドは自分たちで作るべきなのです。
<お客様が手を挙げて欲しがるようにするにはどうすれば良いか?>
答えは、今買うべき理由をつける、しかないです。
今買うべき必要性がないから買わないのです。
理由があれば夏に冬物だって売ることができます。
昔はアパレル業界では先出しが当たり前で、1ヶ月半から2ヶ月先の商品を販売していました。
その当時は、今と比べて雑誌の影響を色濃く受けていました。
しかし、今は「雑誌をじっくりみて買うものを事前に考える」層というのは昔と比べると減っているでしょうし、顧客様もそうです。
最近でも店頭では実需よりも1ヶ月先とかもっと前からとか言われますが、消費パターンはずいぶん実需よりになっていると言えるでしょう。
その要因として情報の多さが考えられます。
普段の生活では、ドンドン情報が入ってくることで、情報に振り回され、自分の行動も忙しくなります。
今があまりに早く移ろうので、今に忙しく、少し先のことも考えられなくなっているのです。
お客様の気持ちとしては、
「夏には飽きたから鮮度が欲しいので秋物を見たい」
「見たいけれど、いざ買うとなるとプロパープライスを見て躊躇する」
そして、もっと涼しくなってから買えばいいや、となります。
秋物を先出しして、鮮度が落ち、いざそれらの売れどきが来た時には前からあったとなってしまうことが、今のアパレルショップが抱えている構造的な問題だと言えます。
ではどうしたらいいのか?
今買うべき理由を付ける、です。
なんで今、この店で、この商品を買う必要があるのか?
その答えを店側が用意出来た時、お客様には有効な宣伝文句となります。
例えば秋物、今回は貴重な秋物である事、また商品があるのは今だけで、その後は移動となる事、秋物がいきなりこんなプライスになっているので他の店では買う気分になれない事などを訴えてください。
コロナ禍で型数が絞られてきています。
お客様からは、量が少ないのね?と言われたら、そうなんです、今回は量は少ないのですが、内容は面白い商品揃ってますよと、量ではなく質の議論で切り返してください。
コップ半分の水を多いと思うか、少ないと思うかはその人次第です。
でも、考え方次第で多いと思わせる事はできますし、それを会社は販売スタッフに求めています。
もう昔のように売れる商品なんてないと考えたほうがいいです。
それは、モノがなかった時の発想です。
売り方次第で死に筋でさえ売れる事を知っている、私たちはこのことに気づくべきです。
*今だからできることをやってみる
では、オープン直後で顧客様も少ない店の場合はどうしたらいいか?
今しかできないことを考えるのです。
顧客様がいないことを逆手に取ってしまうのです。
顧客様がいれば「今着るもの」を展開しておかなければなりません。
でも、新店には顧客様がいないので、夏に冬物を展開することができます。
当然、来店されたお客様からは
「もう冬物?夏物はないの?」
「まだ夏よ。冬物なんてまだ要らないわ」
「夏物セールとかはやらないの?」
といった声が出てくるでしょう。
ただ、スタッフには売り上げ(結果)は求めず、これらお客様の声にきちんと答えられるように「商品理解」と「今後の宣伝」を求めておけば、ただの先出しではなくなります。
とは言え、夏に冬物なので当然売上がゼロの日が続く事が予想されますが、結果はいつも後から付いてきます。
他と同じことをやっていてはその店に行く必要はないので、すぐに忘れ去られてしまいます。
*困難を打開する時こそアイデアが生まれるチャンス
逆に、秋物の展開が始まっているのにまだ夏物が残っていたとしたら、スタッフからは返品したいという声があがってくることでしょう。
毎日見てきた商品なので、スタッフが飽きてしまっていますからね。
でも、夏物がまだあることをチャンスと考えることが出来れば、いつもの日常も成長の場となります。
私たちは考えることで成長してきました。
考えるとは工夫することです。
秋物がある中でどうやってお客様が手を挙げて夏物を欲しがるようになるか?
困難を打開しようとする時こそ、アイデアが生まれるチャンスなのです。
*幸せの青い鳥
売上を上げようとすると、とかく新規客を求めがちです。
新規客を捕まえるのはすごく大変なのに、みんな新規新規と言います。
会員登録してもらうことが新規と思っているヒトさえいます。
何の関係性も構築できていない中で会員登録を増やしてもお客様はほぼ戻ってきません。
既存の顧客様にもっと買ってもらう努力をする方が効率的です。
さらに新規は顧客様に紹介してもらえば可能性も高まるはずです。
幸せの青い鳥は、身近にいるのです。
例えば、冬物アウターが少ないとします。
どうしたらそのマイナスをカバーできるでしょうか?
冬に活躍するのはコートだけではありませんね。
ニットのほうが活躍する機会も多いかも、と考えるのです。
殆どのお客様は、来店前に買うものは決まっていません。
考えているのは何となくあったかいモノくらいです。
コートを買いに行ってニットを買うことだって当たり前のようにあります。
無い物をねだるのではなく、あるものをどのように販売して行くかを工夫してください。
幸せの青い鳥はどこにいるか?
他の成功例を見ても所詮、他の店です。
まずはここに気づいてください。
他の店の成功例ばかり追うのではなく、自分たちの有形無形の資産を見直すと良いでしょう。
<ラクダを水辺へ導くことは出来るが、水を飲ませることは出来ない>
「ラクダを水辺へ導くことは出来るが、水を飲ませることは出来ない」という諺があります。
ラクダが水を飲むかどうかはラクダ次第、実行するかどうかは本人次第、といった意味です。
情報の共有は発信者ではなく、実は受け手次第です。
寿司屋では修行時代が長いと聞きます。
ホリエモンはそれについて非生産的と言います。
なんで寿司屋では教えないのか?
「技は盗むモノ」という言葉の真意はどこにあるか?
結局のところ、いかに丁寧にわかりやすく教えてくれても、理解するのは受け手の意欲の問題です。
何が言いたいかと言えば、全て本人次第という話です。
情報を与える側ではなく受け手側の意識の問題なのです。
その意識が強ければ勉強しても覚えるし、そうでなければ勉強してもなかなか覚えられないでしょう。
だから、運転席に座って自らハンドルを握って運転することが大事なのです。
助手席では同じ通りを通っても、道はなかなか覚えられないモノです。
*完璧なマニュアルは考える力を必要としない
成長する組織にはそこで働くスタッフの成長が欠かせません。
生産性を現状よりも上げる事を成長と考えますが、生産性を上げるにはスピードが欠かせません。
同じ事をやるなら少しでも早くできるようになることが成長です。
ですので、マニュアルは羅針盤と考えると良いでしょう。
会社の方向性を明確に指し示し、その内容を理解する事で誰もが迷わず速やかにやるべき事がわかるモノ、それがマニュアルであるべきです。
ただし、完璧なマニュアルは考える力を必要としません。
また、マニュアルは常に大きく変更していかないと組織が硬直化します。
さらに時は日一日と動いている事から、マニュアルも随時見直しながらより内容の濃いモノとしていく必要があります。
自分たちでルールさえも作っていく事が出来る、そんな柔軟性のある組織であれば自分たちでトレンドを作り上げていくことも可能です。
*因果関係と相関関係
雨が降ると売上に少し影響があります。
それは、相関関係はあります。
だけど、売上が悪い日は全部雨が降っているわけではありませんね。
逆が成立しないから、因果関係ではありません。
つまり原因ではないということです。
因果関係とは原因と結果の関係です。
相関関係と混同しないことです。
関係性があるのは相関関係です。
例えば、イベントやキャンペーンを開催し過ぎたからといって売れなくなるということはありません。
いくら間隔をあけて開催していたとしてもマンネリ化したら飽きられます。
どこに問題があるかを突き詰めて考え無ければなりません。
もし、来店が少なかったとしたら、現在は過去の延長だと言う事実を見なくてはいけません。
魅力を感じていないから来店がない、期待値の問題です。
ファンを作るのは接客です。
商品の良さを日々の接客で伝えることです。
来店が少ないというのは、良さを接客で伝えきれていないと考えるべきです。
皆さんは期待値を高める努力をして下さい。
高頻度でイベントをやり続ければ、麻薬のようなものでその時ばかり良くなるが、やがてはイベントのレスポンスも下がると言ったコンサルにありがちな発想は、時代遅れと言えます。
集客できない原因は お客様の動機です。
この原因を理解できないと対策をとることすらもできません。
例えば同じワンブランド展開している世の中のショップを考えてみてください。
商品はいつもに似ているように見えますが、そういう店こそコアなファンによって支えられている事実に目を向けてみてください。
*組織は変更が多いことを知る
先にも述べましたが、アパレルでは値段・打ち出し・展開店舗、期間、勤務地等変更になることがとても多いです。
朝に言われた指示がすぐに変更になることは本当に多く、朝令暮改は良い意味で使われませんが、それで良いと思います。
一度決めたからということではなく、その時の状況のベストを選択していくため変更が多いのです。
このスピード感が大事です。
過去に学ぶのは、将来のためです。
過去だけ見て、未来を見ないのは問題です。
過去の経緯があって、今後はこうしたいという建設的な話になっていれば朝令暮改でも誰も何も言えません。
<こちらにとって都合がいい事はお客様にとって都合が悪い事>
バックオフィスの都合は店舗にとって不都合なことが多く、店舗にとって都合が良いことはバックオフィスにとって不都合なことは多いです。
その中で何を軸に考えるかと言えば、どうしたらお客様に支持され続けることが出来るかと言うことです。
ではお客様の言うとおりにすれば良いのか?
周りと同じようにすれば良いのか?
と言えばそんなことはありません。
例えば映画を作る人達はどんな映画が好きか、お客様に聞く事はありません。
お客の要望通りの映画なんてつまらなそうです。
Tシャツを求めて、それが買えたら顧客満足と言うかも知れないが、次元の低い顧客満足だと言えます。
映画を観て「満足した」とは言わないでしょう。
記憶に残るのは「感動した」映画ではないでしょうか。
季節の話をすれば、秋冬の時期に薄い物は売れないというのは、「売っていない」だけで、隠れた需要はあると考え、チャンスはそういうところにあると言えます。
さらに言えば、ブルーオーシャンを考えれば、そういうところにしかチャンスは残されていないとも言えます。
誰もが考える事は誰でもやっています。
そこに将来はありません。
よそ見せずに、何が正しいか考えてください。
一旦、まわりは見ずに純粋に「正義」はどこにあるのか考えるのです。
売上がとれれば何やっても良いのかと聞かれれば違います。
「商売に道あり」という言葉があります。
正しい道を歩きながら、売上を1番に考える。
まずはそこからです。
*物事には常に二面性がある
例えば売れている国産のパンツがあったとします。
この売れている国産のパンツを置くことによって、インポートのパンツにどう影響があるのか?
を考えるようしましょう。
コインには表裏があるように、物事には全て二面性を有しています。
ピンチはチャンスと言えるゆえんでもあります。
物事には常に二面性があり、一見、悪いのだけど、考え方や見方によっては良い事にもなる事は多いです。
悪いことにもよい部分はあるので、そこを見ていくと良いでしょう。
*お客様がどう感じるか
お客様がどう感じるか?
ここを突き詰めようとすると一見会社の利益と相反します。
でもこれからの時代、どこでも洋服を買える時代に生き残るためには、そこを追求していくしかないですし、逆に言えば、お客様から支持が得られさえすれば、長い間繁栄できると言えます。
皆さんも家に帰れば、店のやり方や接客態度について口うるさい消費者だと思います。
その感覚で、お客様の立場で考えるという事を徹底してください。
お客様はどう思うか、をベースに考えるようにしてください。
<方向性及び具体策>
例えば、ポイントカードの類についてです。
目的は新規客の顧客化、です。
普通だとリピート率と言うかもしれませんが、流出率と考えて下さい。
新規客の10%が顧客になってくれるのなら、逆に言えば、新規の90%は一度きりのゆきずりみたいな関係、と言えます。
新規のお客様のリピートが10%であれば、流出率は90%となります。
この状態でいくら新規客をキャッチしても、この流出率ではまさにザル状態です。
それなのに店舗スタッフは、「お客様が少ない」「店の前を歩いている人が少ない」と現象を嘆きます。
受け皿をザルではなく、ちゃんとしたものとなるようにしなければなりません。
でないと、現状ではいくら新規客が来てくれても、ほとんど流出となってしまいます。
流出率を把握する事がまずファーストステップです。
次に、その流出率を下げる事がセカンドステップ。
サードステップは顧客になってくれた方がVIPになるように導く事、です。
流出率は店の指針となります。
この数値を下げる事に一生懸命努力して下さい。
わかりやすくするために、セット率をあげたり、今日の売上目標を決めたりする事は、劇薬で良くない場合もありますががこの指標に副作用はありません。
1ヶ月に3回、初回の後、2回来店してもらう事は大変です。
でも、今の忙しい暮らしの中、1ヶ月前はもう昔です。
1ヶ月前に行ったお店なんてもう覚えていないと思わないとダメです。
要は忘れられてしまうと考えるべきなのです。
忘れられないように、早い時点で3回来店してもらう事で忘れられない存在になる事、そこを目指して下さい。
先にも述べましたが、いきなり会員登録してもらっても効果は期待できません。
それよりも、1ヶ月以内にどのくらい戻ってきてくれるか?を把握するべきです。
そのために、有効期限1ヶ月のクーポンをプレゼントし、戻ってきてくれたら再度2個目のクーポンを配布する、そして3回目の来店時に会員登録をおすすめする、という流れが非常に効果的です。
売上は収穫ですが、これは種まきです。
*既存店と新店
既存店の売り上げの多くは顧客に支えられている事から、新店は新規顧客の創出に努力します。
目指すべきはブルーオーシャンです。
レッドオーシャンでは埋もれてすぐに忘れ去られます。
夏に冬物を展開するといった大胆な施策も良いでしょう。
売り上げを取ると考えず、ひとりひとり顧客化を推し進める、としていくことです。
結果は後からついてきます。
一方、既存店の売り上げが一時的ではなく、継続的に下がっていると言う現象の主な要因は顧客離れにあります。
その顧客離れの要因は商品のマンネリ化はもちろん、接客の対応によるものも大きいでしょう。
お客様を飽きさせないもてなしやイベントで活気よく盛り上げていくことを考えてください。
*売上が良くない時は要素分解
私たちが目指すモノはウォンツの体験です。
わざわざ店に行きたいと思ってもらえるためには、それらを要素分解すると、店の空間、輝いていてそれでいて親しみがあり商品知識もあるスタッフ、まず追求すべきはそこです。
商品は先ではなく、後。
良い空間と良いスタッフがいれば商売は繁盛する事は可能ですが、良い商品だけで繁盛するのは非常に難しくレアなケースです。
つまり対策としては、雨でも何でも、わざわざ行きたくなる店に、自分たちが成らなくてはいけないということです。
ウォンツとは元々必要もないのに、急に欲しくなって買いたくなることを言います。
本能的で感情的。
何が欲しいかわからない状態、衝動買いはウォンツです。
薄手のインナーが欲しいと来店されるのはニーズです。
特に欲しいものはないけど、何か良い物があればと来店されるのはウォンツです。
アパレル業界では未だにニーズ、ニーズと言いますが時代錯誤です。
ニーズがあるもの、欲しいものがわかっているなら、アマゾンやゾゾで買います。
わざわざ店に出かけて買う意味はウォンツにあります。
*販売に有意義な情報の提供
ブランドやメーカーの知識は、向上心のあるスタッフには意味のある情報となります。
バックオフィスでその情報を用意し、店舗へ提供します。
ただ情報を与えるのではなく、その内容を簡潔にすることでそのままセールストークにも使えるように配慮して作成すると良いでしょう。
*スタッフ教育
組織に緊張感は必要です。
ただ、緊張感は目的ではありません。
組織の中で、皆で何かを成し遂げるために必要な事です。
緊張感と規律がベースにあって、その上でお互いが己の才能をいかんなく発揮する組織は強いと、ラグビーの日本戦を見ていてそう思います。
*会議とは・・・
決める場、です。
もっとこうしたい、あぁしたいと意見を出してください。
具体的な問題から、そこに潜む抽象的で本質的な原因を見極め、そこを解決するために具体策を出し実行します。
具体的な現象から→抽象化→具体案の提示というプロセスです。
では、会議のコストはどうなっているのでしょうか?
参加メンバーの平均年収を250万円と仮定します。
年間の労働時間を2000時間とすると、時給は1,250円になります。
福利厚生は時給×2の2,500円。
2,500円×7時間(会議時間)×23名(参加メンバー)とすると、会議で40万円以上かかっていることがわかります。
そこに食べ物や会議室のコストもかかってきます。
「準備しろ」と言われなくても、想定して準備することが求められます。
会議で物見遊山は許されません。
<やる前から正解かどうかは問題ではなく、やれば経験になるので、考えて行動に移すことに意味がある>
季節が4シーズンあるとして1シーズン3ヶ月です。
90日のうち14日を1店舗だけで販売したら最高でも6店舗でしか販売チャンスが無いことになります。
ちなみに2週間という販売期間は、その商品が死に筋かどうかを判断する期間に相当します。
型数が少ないショップでは2週間でも短いと思いますが、バラエティを売りにする店にとっては長いと言えます。
商品をシャッフルすることは間口が広く奥行きの狭い商品構成では重要と考えます。
鮮度が重要です。
全ての商品を全店で販売するチャンスを与えるために、基本的にグルグルまわすことで鮮度を保ち、来店頻度を上げることにつなげると良いでしょう。
店に立っていると、ない商品に目が行ってしまう事は容易に想像できます。
「あれば売れた」と感じることも多いかと思いますが、それよりもこの店は「買わないとなくなってしまう」という今を大事にするべきです。
次来たときはもうその商品に会えないかもしれません。
お客様が買い逃しして残念がる場面は何度も見てきたはずです。
過去を振り返りしないヒトは、同じ過去を繰り返します。
*夏物と秋物の違いは何か?
夏物、と思えば夏物です。
ただ夏物をどうやって売ろうと考えるのではなく、どうやったらお客様がこれらを着たいと思ってもらえるか?と考えることが大事です。
夏物と秋物の違いは何かと言えば「季節感」、それがポイントです。
季節感とは何かと考えれば、素材と色に集約されます。
素材的にはウールはまだまだ早いし、暖房シーズンでも室内なら問題ありません。
そう考えられると、訴えられそうなポイントがあることに気づきます。
*どうやったらお客様がこれらを着たいと思ってもらえるか?と考える
紅葉に向かうにつれて、色目はダークになっていきます。
紅葉が終わると一気に春カラーが出だしますが、明るい色目が好きな人も少なからずいます。
その層にインナーや差し色としてアピールできるのでは?
こうやって自分なりに言葉にして考えてみることをオススメします。
やる前から正解かどうかは問題ではなく、やれば経験になるので、考えて行動に移すことに意味があります。
人間は言葉で考えます。
言葉にする事が出来なければ、漠然としか認識できず、具体的な対応策を見出すことはできません。
*スタッフの体感と実際売れているモノは異なる
スタッフの体感と実際売れているモノは異なります。
実際、売れ筋ランキングを複数のスタッフに聞いてみてください。
正しく把握できているヒトは少ないです。
どうしても好き嫌いのバイアスがかかってしまうからです。
そういった主観ではなく、正しく数字に基づいて状況を把握するようにしてください。
そうすることで自身が詳細の把握を行えるようになります。
*返品商品の選別について
スタッフから見て良い商品もあるし、悪い商品もあるかと思います。
売れないと思う商品を全て返品されてしまったらビジネスモデルが成立しません。
売れ筋が少ないと感じるのはいつもの事ですが、他で死に筋判断された商品をどうやって販売するかがこの商売のノウハウです。
工夫が必要です。
工夫をする事で私達は死に筋を売れ筋に変えられる事を知っている、ことに気づいてください。
<アパレルが念仏のように唱える売れ筋なんてもうない!トレンドは自分たちで作る、のまとめ>
この店は「買わないとなくなってしまう」という今を大事にすることです。
お店では在庫が多くあるものの販売のコツをつかむとすごく強みになります。
売れ筋は自分たちでつくる、です。
売れる売り方、強化アイテムを通してここを磨いて下さい。
みんなが欲しがらない在庫が多くある死に筋の販売のコツを掴むと、在庫も売り上げも独占できます。
戦い:勝敗を決めること。
闘い:困難に打ち勝つために努力すること。
百獣の王ライオンですが、狩りの成功率は20%です。
弱肉強食と言われますが、実は強いモノなんていないのかもしれません。
でも生きるために何度もチャレンジしているのです。
どんなに強そうに見えても80%は失敗しているのです。
それに比べて私たちは一度の失敗で落ち込んでしまいます。
失敗を失敗のままで終わらせない。
必ず振り返り、失敗を経験にする。
売れ筋は自分たちでつくるモノです。
洋服はその人の魅力を引き立ててくれます。
楽しんでいる人は輝いてみえます。
アパレルの皆さんはそれをお手伝い出来ることを誇りに思って下さい。
ヒトはみなさんの仕事に興味はなく、あなたに興味があるのです。
そのあなたがおすすめするのであれば、間違いないねとなるのです。
本当に大切なことは目に見えません。
商売は経済学ではなく心理学と言えるでしょう。