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30年日本史00091【神代】天孫降臨 日向高千穂への降臨
さて、ニニギが地上に降臨するに当たって、アマテラスは御付きの者を数人指名します。全員を紹介していては退屈ですので、重要人物だけピックアップしましょう。
まずアメノウズメ。前述のとおり、天の岩戸事件の際に踊り子として活躍した女神です。
次にオモイカネ。これまで何度も登場している知恵の神ですね。アマテラスにとっては大事な参謀役なのですが、今回出血大サービスで、孫に付けてやることにしたようです。
さらにアメノタヂカラオ。天の岩戸からアマテラスを引きずり出した力の神です。
最後にアメノコヤネ。天の岩戸からアマテラスが顔を覗かせたときに、八咫の鏡を見せた神です。藤原氏の祖先ですね。どうせ後付けでしょうけど。
いずれも天の岩戸事件で活躍した神が選ばれていることが分かります。
さらにアマテラスはニニギに重要なグッズを持たせます。
・八咫の鏡
・八尺瓊の勾玉
・草薙の剣
いわゆる三種の神器ですね。ここでアマテラスはニニギとオモイカネに対し、
「八咫の鏡を私の御魂として祀るように」
と指示を出します。この指示を受け、鏡はニニギの傍に置かれることとなりました。この鏡が伊勢神宮で祀られることとなるのは、もう少し後(垂仁天皇の時代)のことです。
さて、ニニギはこれら御付きの者と三種の神器を伴って、日向の高千穂に降臨しました。日向国といえば現在の宮崎県ですね。しかし宮崎県には高千穂峡(たかちほきょう:宮崎県高千穂町)と高千穂峰(たかちほのみね:宮崎県と鹿児島県の県境)があり、どちらが天孫降臨の場所なのかは分かっていません。ちなみに、同じ宮崎県内といっても、2つの高千穂は160kmほど離れています。1日で2つの高千穂を回り切ることはできないそうです。
ここで「あれ?」と思った方が多いのではないでしょうか。
オオクニヌシが治めていた葦原中国は、出雲のことでしたよね。高天原にいたアマテラスが、出雲にいたオオクニヌシから国を譲り受けたのが「国譲り」でした。
それならば、降臨するニニギが降り立つべき場所は出雲だと思われるのですが、なぜ日向に降りてくるのでしょうか。
こうした神話の地名の謎については、未だに定説がありません。
そもそもアマテラスが治めていたという「高天原」もどこなのかが分かっていません。島根県なのか淡路島なのか、はたまた日本列島のどこでもない天界と理解すべきなのか、学者によって説が分かれています。