![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/168313246/rectangle_large_type_2_b35530624d63352926544b63ca3a1891.png?width=1200)
2023年映画マイベスト10+
さて今年もやりましょう。
まず2023年に観た新作を6段階評価するとこんな感じです。
A: splendid 最高!🏆
B: very good 大変良い👍👍
C: good 良い👍
D: bad わるい
E: terrible 最低 🤢
F: not a film ごみ 🤮
![](https://assets.st-note.com/img/1704631985997-UzZ1gsavxa.png?width=1200)
評価Fと評価A+は例年1本あるかないかという感じなのですが、2023年は例外的にA+が6本も出る異常事態(うれしい)になりました。
評価Cは「チケット代の元は取れたくらいには面白かった」という感覚です。逆に言うと評価Cダッシュは「観なくて良かったかも」と思えるラインで、評価D以下なら何かしら期待外れだったことになります。まあ私はトレイラーを観てD以下になりそうだと直感したら観に行かないようにしているので、作品選抜のミスともカウントできますね。122本中9本ですから2023年の失敗率は7.3%です。
A:29本(ドラマ2本)
B:45本(ドラマ6本)
C:39本(ドラマ1本)
D:7本
E:2本
F:0本
基本的にどんな作品も面白さを見出せる方だと自覚しているので、評価Dをつけた作品も全否定ということはありません。評価Eに関しては結構厳しかったという印象ですね。
最低賞:くまのプーさん/ブラッド&ハニー
『プー/あくまのくまさん』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) June 24, 2023
スプラッターとしてまあまあ笑えるのでヨシ。ただ出オチ感が強いので長尺はやや厳しいか。84分なのに間延びさせるシーンも多くて「B級映画=低予算」という本来の定義を感じる。エンドクレジットで曲のタイトルが『Waste of Time(時間の無駄)』だと知って一番笑った。 pic.twitter.com/RyFVSr4eAq
好きな方にはごめんなさい。あくまで私にハマらなかったという理由です。出オチ要素強めのB級映画だろうと予測はしていましたが、想像以上に低クオリティな仕上がりを徹底していて、作り手があえてクソ映画を目指している強い意志を感じたので、敬意も込めて年間ワーストとさせていただきました。
オリジナル題名『ブラッド&ハニー』の方がB級感マシマシで良かったと思います。邦題『あくまのくまさん』はちょっと上手すぎて、観客の期待値を上げてしまいましたね。(苦笑)
さて、気を取り直して。ここからは122作品を一気に100本以上かけ上がり、ベスト10について語ります!
10位:ノートルダム/炎の大聖堂
ノートルダム炎の大聖堂。マジで凄かった。CGを使わずに実物大のセットを燃やしての危険な撮影で、大迫力の映像。時々挟まれるユーモアはいかにもフランス的で、個人的にはリュック・ベッソンを思い出した。IMAX撮影作品。4Kの劇場で観覧して正解。音響も素晴らしかった。 pic.twitter.com/Hey7IJ5z0C
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) April 13, 2023
これはスマッシュヒットでした。日本で年間ベスト10に本作を挙げる人は少数派でしょう。ただ私にとって映画とは、巨大なスクリーンで轟音のサウンドに浸ることこそが、映画の愉しみ方の一つの大事な要素なのです。となると、こういう作品は俄然強いです。
最大の見どころはIMAXカメラで撮影した、実際に炎上する実物大セットですが、ストーリーとしてもキリストのいばらの冠(本物)を無傷で非難させるまでのドラマが組み込まれており面白い内容になっています。
4K UHDの発売もなく(UK盤が存在したようですが既に廃盤😭)、日本国内ではアマゾンプライムビデオのスターチャンネル加入でしか視聴できないのが勿体ないと感じる作品です。
9位:ザ・クリエイター/創造者
『ザ・クリエイター/創造者』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) October 20, 2023
ギャレスエドワーズ節全開の無骨なSF映画。すごく純度が高くて、だからこそ渋すぎるとも言われそうだが、ゴジラやローグワンでは会社に配慮して出来なかった最後の一押しをやりきった傑作だと思う。
少し間違ってるんだけど真剣なリスペクトを感じる日本描写も楽しい。 pic.twitter.com/6RmQdDNy64
2023年らしい作品を一つ選べと言われたらこれにするかもしれません。そのくらい今っぽさを感じる作品でした。
8位:REBEL MOON: パート1 炎の子
『REBEL MOON: パート1 炎の子』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) December 27, 2023
ザック・スナイダー監督が「新しいスターウォーズ」を立ち上げた。ビジュアルとサウンドが至高なので、できる限り大きな画面と大きな音で鑑賞していただきたい。私はちょうど用事があってLAの映画館で観覧したが、最高級の映画体験になったよ。スマホだめゼッタイ! pic.twitter.com/9sUn3gBxc8
クリエイターとは対照的に80年代テイストを色濃く感じた本作。私が敬愛するザック・スナイダー監督作品ですが、この順位です。そりゃあワンシーンの破壊力だけで選べば圧倒的な優勝候補ですが、映画一本でのまとまりを込めて評価すると、このくらいまで順位を落とすことになります。
近日中に完結編となるパート2と、そして上映時間と過激描写を大増量したR指定ディレクターズカットが控えているので、2024年はそちらに期待です。
7位:マエストロ/その音楽と愛と
『マエストロ』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) December 27, 2023
泣いた。ブラッドリークーパーうまいなー。演技も演出も。キャリーマリガンも凄い。
アメリカ滞在中に映画館で観覧。日本の劇場でも限定公開されているが、これは映画館で観なくちゃダメな映画よ。前半のモノクロ映像の色調や、終盤のオーケストラの音響は劇場で観てこそだと思う。 pic.twitter.com/pohSvJtGVs
これは本当に良い映画でした。アメリカ滞在中に上映しててラッキーでした。字幕なしで銀幕で観覧できたのは本当に良かったです。私は日本語字幕が嫌いなんですけど、オーケストラが奏でる音楽が空気を振動させる迫力(顔の肌で感じたい)は映画館でしか味わえませんから。
6位:逆転のトライアングル
逆転のトライアングル。物語は面白いし、至る所に散りばめられた皮肉がスパイスとして効いてて痛快。ファッション業界にも環境保護団体にもLGBTQにも資本主義にも共産主義にも、すべてのインフルエンサーに喧嘩を売っていくストロングスタイルで草。ただし日本ギャガは予告編で展開を見せすぎ☹️ pic.twitter.com/CQYPTBvZ8G
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) February 28, 2023
これは全体的に高品質で面白かったのですが、テーマと脚本が現代っぽくて大幅に加点しました。
5位:ボーはおそれている
『ボーはおそれている』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) November 28, 2023
帰国の飛行機で一足早く視聴。カンタス航空ありがとう!
ゴッサムシティのように荒れる街に暮らす、精神病持ちの優しくて臆病なホアキンフェニックス演じる男。まるで『ジョーカー』の別の世界線のようにさえ見える。アリ・アスター監督の更なる進化。私的には彼のベスト! pic.twitter.com/cF1GPlfiZM
2023年時点では日本未公開作品です。ものすごくキチガイな映画でした。飛行機の劣悪な環境で観たのにこの順位というのは凄いです。2024年に劇場で観覧したらもっと順位が上がるかもしれません。
4位:ノースマン/導かれし復讐者
ノースマン 導かれし復讐者。ネタバレせずに簡単にまとめると、ロバート・エガース監督が過去作『ライトハウス』と『ウィッチ』のキャストと作風はそのまま引き継いで、『ミッドサマー』と『コナン・ザ・グレート』を足して2で割ったような北欧の時代劇を作った感じ。力作なのでマジで売れてほしい。 pic.twitter.com/b24xTVjUQr
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) January 14, 2023
実はこの映画は昨年も2位に選びました。日本は公開日さえ未定だったので米国盤4K UHDをお取り寄せして一足先に観たからですね。ところが今年は順位を落としてTOP3を逃したのです。それほど令和5年は激戦でした。
3位:TAR
『TAR/ター』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) May 13, 2023
緊張感みなぎる凄まじい映画。社会問題を擦りつつ、中年の危機を描く。指揮者のシーンでわざと派手に動くケイト・ブランシェットが滑稽なのだが、圧倒的な演技力と編集の技巧で捻じ伏せて笑わせない。エンドクレジットがすごく個性的。そしてまさかのモンスターハンターは何だったんだ? pic.twitter.com/QSrId9H8RC
とんでもなく面白い映画でした。何かわからないけど、ものすごい何か。って感じ。特級品です。
2位:アイスクリームフィーバー
『アイスクリームフィーバー』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) July 18, 2023
今年の日本映画は豊作だ。本作はあまりにも鑑賞後感が良くて、伏線回収も鮮やかで、観覧直後にもう一度観たくなった。脚色と編集と撮影と演技と音楽と衣装ヘアメイクと全てが良い。最初に「これは映画じゃない」と宣言するのが確信犯で可愛い。原作も読みたくなった。 pic.twitter.com/3nW7VDXBLl
まさか年間TOP10で、この順位に日本映画が差し込むとは、私でも驚きです。しかし小物のような雰囲気を出しながら、やっていることは王道で、もっと世に知られるべき作品だと強く感じます。
1位:オッペンハイマー
『オッペンハイマー』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) November 22, 2023
観ました!豪州のメルボルン博物館であこがれのIMAX1570上映という現在地球上で得られる中では究極の環境で!
神から炎を盗んだ男の栄光と苦悩。それを利用しようと近づく人々の信念と悪意。核兵器の真の恐怖。ノーラン監督の到達点は極上の映像体験で綴る反戦映画でした。 pic.twitter.com/yVTyl8qL3X
2023年のNo.1映画はこれですよ。異論は認めません。もう語り尽くせません。ダンケルクやインターステラーのようにフルサイズIMAXで観なきゃ意味ないよね、と思える要素がほぼ皆無で、ドラマとして十分すぎるくらい面白いのが最強たる所以です。スピルバーグにとってのシンドラーのリストが、ノーランにとってのオッペンハイマーだと言えるでしょう。
もう2024年のランキング1位もほぼ確定ですね。(笑)
2023年映画ベスト10:
1)オッペンハイマー *
2)アイスクリームフィーバー
3)TAR
4)ノースマン/導かれし復讐者
5)ボーはおそれている *
6)逆転のトライアングル
7)マエストロ:その音楽と愛と
8)レベルムーン PART ONE
9)ザ・クリエイター/創造者
10)ノートルダム/炎の大聖堂
次点(*日本未公開作品を考慮)
+1) ピギー
+2) イニシェリン島の精霊
次点:ピギー
『PIGGY ピギー』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 27, 2023
とても良い!9月の暫定ベスト。予想がつかない脚本と、控えめながらも的確なスプラッター演出が素晴らしい。そして何より主演ラウラ・ガランの豊満な肉体よ。ほぼ全裸に見えるピンクの水着で走るたびに腹の肉塊が波打つ映像はCGでは表現できないリアルと非日常が同居してて新感覚。 pic.twitter.com/A8PlenpI5B
日本未公開作品から2本も選んでしまったので次点の映画も記載しておきます。9月公開の『ピギー』は、悪趣味と爽やかさが同居する素晴らしい映画でした。こういう映画のマジックが詰まった作品が私は好きですね。
次点:イニシェリン島の精霊
イニシェリン島の精霊。鑑賞済みの人にだけ分かるように内容を表現するなら、メンヘラおじさんずニュータイプ西部劇。美しいのは景色だけ。東京暮らしの私には非常にウザイと感じる「田舎あるある」のディテールの連続で、それはもう不快な気分を満喫できて逆に癒しになるタイプの映画。好きよ。笑 pic.twitter.com/L48RGOgZBo
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) January 30, 2023
こんなに素晴らしい脚本と演技なのにアカデミー賞でエブエブに一つも勝てなかったのが本当に納得できません。特にキー・ホイ・クァンの演技にはまるで深みがなく、退屈の極みでした。彼のセリフで一節でも覚えている人が居ますか?逆にイニシェリン島のブレンダン・グリーソンの演技の衝撃たるや。ここまで来ると逆ポリコレですよ。
![](https://assets.st-note.com/img/1704823722787-5KLQpEPCXx.png?width=1200)
審査員特別賞:リバー、流れないでよ
『リバー、流れないでよ』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) July 31, 2023
冬の京都の旅館の昼下がりに突如はじまった2分間のループ。従業員と客は戸惑いつつも協力して、限られた時間の中で原因を見つけて終わらせるために奔走する。作者がヨーロッパ企画なので会話が軽妙で面白く、そこに映画だから可能な映像ギミックが加わりひたすら愉快な86分。 pic.twitter.com/eKhhvJ41TK
観覧していて一番楽しかった作品はこれです!アイデア一発勝負でありながら『ドロステのはてで僕ら』に続く第二弾なので映画的なストーリーの面白さもあり、非常に良かったと思います。万人にオススメしたい作品ですね。英語吹替版を作って世界市場に売ったら、ゴジラマイナスワンみたいに大きく跳ねるんじゃないかしら、と本気で思います。
最優秀ドラマ:THE DAYS
『THE DAYS』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) June 3, 2023
Netflix新作ドラマ。福島原発を描いた大傑作。説明臭いセリフも多いけど放射線被曝のしくみに詳しくない視聴者や外国人には適切だろう。当時の政治家や政党をあえて架空の名前に変更することで、余計な批判やメッセージを防止していることも本作については良い方向に作用していると思う。 pic.twitter.com/Xob5tvnlsR
ドラマシリーズもいくつか観ました。その中でも本作は別格の面白さでした。奇しくも2024年1月1日に震度7の地震が発生しました。被災地の皆様にお見舞い申し上げますとともに、この時の東北での経験が現代に教訓として活かされていることを願います。
(了)
いいなと思ったら応援しよう!
![まいるず](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/147244763/profile_85f90038396591653ee38026e2721241.png?width=600&crop=1:1,smart)