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2022年ベスト映画10(第1四半期中間報告)
最初の四半期が過ぎたので、3月までに鑑賞した新作で2022年ランキングの中間発表になります。
▼結果:
🥇:フレンチディスパッチ
🥈:ウェストサイドストーリー
🥉:愛なのに
4:ロスバンド
5:大怪獣のあとしまつ
6:さがす
7:Ribbon
8:レストレス
9:ハウスオブグッチ
10:スパイダーマン・ノーウェイホーム
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特別賞:永遠の1分。
まだ観てない:ガンパウダー・ミルクシェイク
まだ観てない:CODA
まだ観てない:ベルファスト
ガンパウダーミルクシェイクは4K円盤で観ようかと考えております。良い環境で上映している映画館がなく、予告編を観た限りでは字幕が邪魔になりそうな感じも受けましたので。CODAとベルファストも字幕なしで観たいので保留中です。3月公開で期待していたナイトメアアリーはあまり私にはハマりませんでした。
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ランク付けの採点基準などはこちらに書いてあります。
▼作品ごとの講評:
🥇フレンチディスパッチ
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創作への愛に溢れていました。すでに記事を書いたので省略。
🥈ウェストサイドストーリー
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映画職人スピルバーグの本気って感じ。すでに記事を書いたので省略。
🥉愛なのに
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今年の日本映画ではダントツに良いと思います。河合優実が可愛く見えてしまい16才の女子高生相手にこの感情はマズイのではと不安になりましたが、上映後すぐにググって実年齢が21才だと知って安心しました。ハタチを超えてるならセーフかな、むしろ私のセンサーは成人女性のコスプレだったことを正しく見抜いていたということで。(笑)
さとうほなみの熱演が素晴らしいです。美人すぎないけどちゃんと可愛くて、セクシー過ぎないけど豊満なバディが、映画にリアリティを与えています。昨年のネトフリ映画『彼女』を観てオファーが掛かったのかなと思われます。演技も良いのでこういう作品ばかりになると少し気の毒に感じます。早く裸に頼らないヒット映画が欲しい所ですね。
④ロスバンド
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ノルウェーの映画です。すごく良かったので映画ファン(特に自分で音楽をやる人達)にはぜひ観てほしいと思います。ちょくちょくご都合主義というか青少年向けっぽい設定の適当さはあるけど、ゆるいテレビドラマのような感覚で観れば最高に楽しい気分になれます。
⑤大怪獣のあとしまつ
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大問題作ですが、私は肯定的に評価しています。
日本映画で数年に1本現れる「みんなで叩くべき映画」にネットで認定されてしまった作品です。この映画の面白みを理解するのは多数派の「一般客層」には難しいと思います。劇中のギャグそのものを笑うのではなくて、そんなギャグが生まれている状況や理不尽さを味わう映画です。この映画を味わうためには少し視点を高い位置に持ってくる必要があります。それができないのは幼稚だと言う人の気持ちも分かりますし、マーケティングが誤解させるものだったから炎上したのは作り手側の落ち度だと言う人の気持ちも分かります。とはいえ、ここまで大きな議論を巻き起こしたということ自体が凄いことだと思ったので、私はこの順位をつけました。
⑥さがす
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物語が面白かったです。今や「世界のポンジュノ監督」のチームの助監督だった片山慎三監督による緊張感のある画作りがエレガントで、また伏線の張り方が見事で映画的な快感が強い作品でした。
あとは「狂気はコメディアンにしか演じられない」という1989年版『バットマン』でマイケル・キートンを起用した理由を答えたティム・バートン監督の言葉を思い出させる、佐藤二朗の演技がすごく良かったです。伊東蒼と清水尋也も光ってました。
⑦Ribbon
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主演だけでなく監督・脚本・編集ものんです。監督だけなら穿った見方をすれば「どうせお飾りだろう」とか誹謗中傷も言えるのですが、脚本と編集までこなしたなら、もうそれは完全にこの人の映画だと議論の余地がありません。監督を務めているのは知っていたのですが、エンドロールで編集と脚本にのんとだけ書かれていたのを見つけた時には「じぇじぇじぇ!」って言いそうになりました。(笑)
あと特撮担当に樋口真嗣の名前があったのも衝撃でした。
序盤はちょっとヘンテコ過ぎて気になる部分もあったのですが、後半からグイグイ良くなっていく展開は見事でした。そして終わらせ方が秀逸でした。このバランス感覚はすごいと思います。この若さでこの完成度。やっぱこの人、天才だわ。
⑧レストレス
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フランスのポリスアクション映画です。掘り出し物的な面白さがあります。主人公がクズの汚職警官で、ある不祥事を隠そうと躍起になる所から物語は始まって、嘘が嘘をよんで雪だるま式に状況が悪くなっていきますが、そこに映画らしい展開も加わっていき、観ていて楽しいです。4K HDRで配信されていますが、撮影技術が高くて、観ていて気持ち良かったです。
後から知ったのですが、韓国映画のリメイクのようです。ああ、確かに「主人公が腐った人間または組織でほとんどの場合はもっと腐った奴らが悪役として出てきて主人公がお咎め無しになる」というのは韓国映画によくあるパターンですね。(笑)フランス映画なら主人公があっけなく死んでしまう因果応報パターンが多いような気がします。
⑨ハウスオブグッチ
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リドリースコット監督の凄さを感じられる映画です。ポストプロダクションの時期の都合だとは思いますが、これと『最後の決闘裁判』が同時期に公開ってモンスターすぎやしませんか。アダムドライバーを筆頭にジェレミーアイアンズやジャレッドレトなどのスーパー俳優達の演技合戦も大迫力でした。
特にアイアンズとレトの口論は、もうアルフレッドとジョーカーにしか見えなくて。レトの役柄がちょっとピエロ的な立ち位置なことも相まって、ますますそう感じることになりました。
⑩スパイダーマン・ノーウェイホーム
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普通に面白かったのですが、長過ぎました。この順位に入れたのは、ほぼ全てアンドリューガーフィールドとウィレムデフォーのお陰です。ちょっと極論に聞こえるかもしれませんが、詳しいことはすでに記事を書いたので、ここでは省略します。
▼特別賞:
●永遠の1分。
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すごくヘンテコな映画ですが、東日本大震災と向き合うことができます。いろんな形でもがくことができるよね、ということに思いを馳せることができる映画です。映画としては結構ダメな点も多かったのでその点はご留意ください。良くも悪くも「作ることに意義があった映画」の典型だと思います。
かなり手厳しい感想を書いたのに「いいね」してくれる、心が広い公式アカウント。ただエゴサだけして闇雲にいいねするんじゃなくて、ちゃんとスレッドまで読んでくれてるので非常に好印象。 https://t.co/ILNVNpvcVr pic.twitter.com/YyJ5GoGKCB
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) April 3, 2022
●ザ・バットマン
よくDC映画の話をする私ですが、ザバットマンに関しては、普通に面白かったですが、長すぎだと思いました。また私には刺激が弱すぎました。最初の四半期でベスト10入りは惜しくも逃したという感じですね。
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ただし、最近ではたくさんの方の感想を見て、ザバはMCUと異なるベクトルでDCが動き出したと評価できるゲームチェンジャーになったのかな、その第一歩としては一番適切なチューイニングだったのかな、とも考えています。ようやくMCUの呪縛から抜け出すことが出来たか。
さて、今年もたくさんの良い映画を観てきましたが、まだ25%です。残りの75%でどんな名作に出会えるのか楽しみです。今一番楽しみなのは『ノースマン』です。まだ公開日も決まってないみたいですが。(笑)
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了。
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