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9月に観た新作映画
令和5年9月に観た新作映画は12(+8)本。
フェイバリットTOP3は…
🥇:ピギー
🥈:アステロイド・シティ
🥉:TMNTミュータントパニック!
4:BAD LANDS
5:ウェス・アンダーソン短編(*4作品まとめて)
6:ダリランド
7:フローラとマックス
8:赤ずきん、旅の途中で死体と出会う
9:オオカミの家
初鑑賞の旧作では『ジャンゴ/繋がれざる者』が最高でした。これまで見逃してきたことを後悔するレベルで面白かったですね。
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以下、観賞後のツイートを引用しながら、一言添えていきます。(*ブラウザのリーダー機能によってはツイートが表示されない場合があります)
▼アステロイド・シティ
『アステロイド・シティ』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 4, 2023
映像の完成度は想像を超えてきた。観客が手札を知っている状況からここまで作り上げるのは凄まじい。つまりはウェス・アンダーソン監督の圧倒的な横綱相撲。
前作に続きクリエイターへの応援歌。作品全体のメッセージは「カットした部分にも美しきものは含まれる」かな。 pic.twitter.com/0lTCruHOmf
ある架空の舞台と、その舞台を制作する舞台裏を同時並行で描く、というややこしい構成をしている映画でした。第三幕に限っては舞台本編をガッツリ削って見せないという大胆な演出が素晴らしかったと思います。
クリエイターがカットしたものに含まれていた美しきもの。そういうバックグラウンドを抱えているから人間は美しく、そして面白い。
ウェス・アンダーソン監督作品に毎回出てくるエロス要素は本作は弱めだったと思う。スカヨハには少し驚かされたけど、あんなピンボケ画像でお茶を濁されたのでは、レア・セドゥとティモシー・シャラメの体当たり演技を知ってる私は満足できないよ。笑https://t.co/3iT9iMye3i
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 4, 2023
R指定になっている『フレンチ・ディスパッチ』と比較するのは多少野暮かもしれませんが、Wアンダーソン作品にはある程度のエロスがあるのが私が好きな理由でもあるので、その点では少し物足りない感じは正直しました。
ウェス・アンダーソン監督の直近2作品は、どちらもクリエイターへの応援歌で、かつシンメトリーになっている;
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 16, 2023
『フレンチ・ディスパッチ』
・何もカットしない。
・わかるように書け。
『アステロイド・シティ』
・カットした部分にも美しいものは含まれる。
・わからなくても良い。 pic.twitter.com/a6olinFJ0J
前作フレンチディスパッチと全く対照的な映画だったのも良かったと思います。両者を交互に観て比べたくなりました。
▼ダリランド
『ウェルカム・トゥ・ダリ』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 6, 2023
原題の『ダリランド』を何故そのまま使わなかったのかと担当者を問い詰めたい。
主演はベン・キングスレーだが、若き日のダリを演じるエズラ・ミラーを目的に観た。登場時間は短かったが相変わらずのスーパー天才演技で満足した。 pic.twitter.com/3gkJ0eBTMF
私は予告を観て、エズラ・ミラーのただならぬ雰囲気に惹かれて劇場観覧したのですが、正解でした。これはメアリー・ハロン監督も同じ感覚だったようです。しかし映画が完成した後にあのスキャンダルがあって、監督は相当お怒りだったらしいですね。
そこまで入れ込んでいた監督ならば、あのスキャンダルは相当残念だったでしょう。というか、本心ではスキャンダルなんてどうでも良いと思っていて、あくまで対外的には厳しい態度を見せている(ポージング)だけのような感じもしますけどねー。だってエズラが美しすぎるんだもの。クリエイターとしての目線なら、どんなパーソナリティであれ、美しくて才能がある俳優を使いたいでしょう。
▼ハイジャック
『ハイジャック』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 9, 2023
そんなことがあって良いのか?まさかイドリス・エルバ主演で肉弾戦や銃撃戦で解決させないストーリーだなんて、誰が想像できただろうか!いや、厳密にはあったか?でも台詞がいちいち格好良くて満足度は高めでした。7話完結で見やすくてオススメです。TV+ pic.twitter.com/czpGR2mfCw
かなり面白いドラマだったと思います。
主人公の格好良さに対して、ハイジャック犯人グループと機長・乗務員のキャラ設定にはやや無理があったかなあと思いました。まあドラマ全体の魅力を損なうほどではなかったですが。
何シーズンも続くドラマシリーズも魅力的ですが、クイーンズ・ギャンビットやハイジャックのように1シーズンでしかも7話くらいで完結してくれると、映画とドラマのおいしいとこ取りができてる気がしますね。2時間では描けない深みや多層構造を作れるし、個人的には10話を超えると大抵飽きてしまうので一番丁度良い塩梅です。
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▼●ジャンゴ/繋がれざる者
『ジャンゴ/繋がれざる者』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 13, 2023
劇場にて初鑑賞。めちゃ面白くて今まで観てなかったのを後悔するレベルだった。音楽とかテンポ感が最高だわ。勿論ストーリーも面白いが、それ以上にCGをまったく使ってなさそうな映像には好感しかない。いま4Kで観られるのは映画館だけ。あのニガーは何者だ?ジャンゴ! pic.twitter.com/0Sl83QzBJr
立川シネマシティの4K牧場音響上映が美しかったです。ジャンゴは現在では海外版も含めて2Kリリースしかなく、ラインナップ的に次はキルビルかジャンゴだと思いますので4K盤発売を待って購入したいと思います。私はパルプフィクションしか持ってないですが、ジャンゴは4Kで手元に欲しくなるやつでしたわ。アメリカの大自然が美しくて。
タランティーノ4K UHD発売日(米国)
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 16, 2023
イングロリアス・バスターズ:2021/10/12
レザボア・ドッグス:2022/11/15(日本未発売)
パルプ・フィクション:2022/12/06
レザボアの日本発売は来年1月の劇場公開の後かな。https://t.co/o8nEelWROp pic.twitter.com/9AuhAY9lRi
来年正月公開のレザボアドッグスも楽しみです。
▼オオカミの家
『オオカミの家』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 16, 2023
超話題のアート映画。終始不気味な造形はマジで怖い。実際の物体の形を超越してペイントで見せるのが特徴的で、まるで人間の認識プロセスを可視化してるみたいで面白い。しかも純粋なホラーとしての怖さだけじゃなくて、隔離された社会の恐怖も描いており、知的にも楽しめた。 pic.twitter.com/qXgOViXU6Z
話題になるだけあるパワーのある映画でした。
チリ国の社会情勢や歴史を事前に知っておけば、もっと楽しめたかもしれません。モデルになっているのは実在した「コロニア・ディグニダ」という宗教コミュニティで、小児性犯罪者のユートピアだったとも言われ、奇しくも現在日本で話題のジャニーズ事務所を連想させます。
日本版のポスターはずいぶんデザインを変えてあるのも興味深い点です。積極的に怖がらせに行かないと伝わらない日本の文化という感じがしますね。
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▼●その男、凶暴につき
『その男、凶暴につき』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 17, 2023
北野武の映画初監督作。東京の日常に潜む狂気と暴力の描写が素晴らしい。まだ脚本と編集は他人に頼っているのでキタノ映画の純度みたいなものは低めだが、だからこそ定型句の中で監督の個性が光る。平成元年公開の映画なので、役者がみんな若くて面白い。 pic.twitter.com/IUoRDH7XKV
念願かなって遂に観られました。新文芸坐は文字通りの満席。ただ最近の4Kデジタルレストアに慣れてしまった身では、35mmフィルム特有の傷や音声ノイズが気になってしまいました。30年前の映画ですからあれでも状態は良い方だと思うのですが。(苦笑)
▼●ソナチネ
『ソナチネ』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 18, 2023
北野武の4作目の監督映画。脚本と編集も北野がやってるから、よく世間で言われている「北野武み」が凄くあった。リアルとファンタジーの境界を曖昧にするのが上手くて観ていて楽しいし、大事に想っている相手だからこそ不要に巻き込まないように努める男の決意が観ていて痺れる。 pic.twitter.com/9N1j3Hr3QF
普通の人間の感覚ではなかなか難しい発想のジャンプや場面の転換が独自固有の味わいがあって良いですね。これを30年前にすでにやっていたのが凄いと思います。
▼赤ずきん、旅の途中で死体と出会う
『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 19, 2023
潤沢なNetflixの予算でゴージャス可愛いコスプレの橋本環奈を4Kで眺める眼福映画。福田雄一監督とのタッグは『銀魂』や『今日から俺は』でお馴染みだが、本作は監督のクセが抑え目で観やすいと思う。脇役も豪華絢爛。本作はシンデレラ編だが別の話も観てみたい。 pic.twitter.com/tcLw79GglP
本作は青柳碧人の原作小説の優秀なプロット(赤ずきんが探偵になって他の西洋童話で起きる殺人事件を解決する)と、橋本環奈のキャラ(背が低くて童顔で可愛い)が良くマッチした成功事例だと思います。
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中世ヨーロッパが舞台なのに日本人だけで演じてるのが『勇者ヨシヒコ』みたいで面白かったです。 最近はディズニーが実写リメイク映画で人種を変えたり家族で人種がごちゃ混ぜだったりで炎上することが多いですが、こうやって出演者全員の人種を統一すれば全く気になりません。
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▼●ミツバチのささやき
『ミツバチのささやき』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 21, 2023
午前十時の映画祭にて初鑑賞。前後に町山智浩氏の解説動画つきで当時のスペインの政治情勢や作り手が隠した意図も聞けてお得感があった。
描かれているメッセージは重たいが、子供達は可愛く、また遠景ショットは絵画のように美しい構図が多くて、とても目と心の保養になった。 pic.twitter.com/4k116o58Vd
▼●PERFECT BLUE
『パーフェクトブルー』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 22, 2023
4Kリマスターで劇場初観覧。座席は完売。男性客が多いかと予想したが、半数以上が女性客だった。25年前の作品なので小道具や台詞などは相応に古臭いが、現代にも通じる普遍的な物語。サイコサスペンスとしての語り口も上手くて、たぶん二回目の視聴だが楽しめた。 pic.twitter.com/rzRz8thaqU
映画としての上手さが強く印象に残りました。
旧作では今月2位です。
▼●007は二度死ぬ
『007は二度死ぬ』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 24, 2023
私には正直あまり楽しめなかった…特殊警察が忍者だったり、何かあるたびに裸の女が出てきて殿方に奉仕したりなど、英国の男子中学生が妄想したようなトンチキな日本描写ばかりで。苦笑
*まあ55年前の娯楽映画にそんな指摘をしても野暮かもですが、あまり良い気分はしなかったわね🫤 pic.twitter.com/iZJgEE9ma4
日本が舞台ということで日本でも人気の作品なのかもしれませんが、明らかに馬鹿にされているのが透けて見えた気がして、好きになれませんでした。やたらセクシーな芸者ガールズや、英国紳士のレディファーストに対応する形でメンファーストと言うあたりまではまだ他愛のないシャレだと思えましたが、日本人の変装をして偽装結婚するあたりは愚の骨頂でしたね。
▼●パンズ・ラビリンス
『パンズ・ラビリンス』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 23, 2023
貴重な35mmフィルム上映にて初鑑賞。想像してたよりずっと政治的メッセージが強くて現実的な作品だった。スペインのフランコ政権について少し知識を入れてから観た方が楽しめると思う。奇しくも最近観覧した『ミツバチのささやき』のリメイク的解釈もできると知って感慨深い。 pic.twitter.com/0BY8t00hGY
参考: 1973年当時はスペイン国内の言論統制が厳しく直接的な政治批判はできなかった(処罰を受ける)ので、それと判らないように子供向け映画の名目で企画書を通して巧妙に隠して映画を作った。時代が変わって2007年に自由に直接的に描いたのがパンズラビリンス。
▼ミュータント・タートルズ/ミュータント・パニック!
『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 23, 2023
傑作です。マジでくそオモロイぞ!台詞が多いから吹替版で正解だったけど、スプリンター師匠がジャッキー・チェンってエンディングまで気付かなかった。笑
主演二人(宮世琉弥と齊藤京子)は本業声優ではないけど、上手くて違和感なかった。 pic.twitter.com/PnepBXtfYY
これは「もっと評価されるべき作品」の筆頭になりそうです。スパイダーバース1の時もそうだったのですが、日本市場だと国産アニメ作品が強すぎるので海外アニメは軽視される傾向にありますね。
▼●ロシアより愛をこめて
『ロシアより愛をこめて』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 24, 2023
007シリーズ第2作目という初期の作品。こちらはとても楽しめた。というかダニエルクレイグ版で見たことある画ばかりで、ああこれがファンには見えていた世界なのね、と色々わかって面白かった。ショーンコネリーが男でも惚れるレベルの格好良さ。これが「理想のボンド」か。 pic.twitter.com/iYidDgXPKv
古参ファンが口にする「理想のジェームズ・ボンド」とはこれだったのかと強く印象に残りました。
旧作では今月3位です。
▼ピギー
『PIGGY ピギー』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 27, 2023
とても良い!9月の暫定ベスト。予想がつかない脚本と、控えめながらも的確なスプラッター演出が素晴らしい。そして何より主演ラウラ・ガランの豊満な肉体よ。ほぼ全裸に見えるピンクの水着で走るたびに腹の肉塊が波打つ映像はCGでは表現できないリアルと非日常が同居してて新感覚。 pic.twitter.com/A8PlenpI5B
ホラー映画じゃなくて、青春映画でした。ジャンルの横断っぷりが素晴らしいです。
▼フローラとマックス
『フローラとマックス』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 30, 2023
アイルランドのダブリンにて、17歳で母親になったシングルマザーのフローラは、喧嘩ばかりの14歳の息子と心を通わせるためにギターを習うことを決心する。
音楽を題材にした映画って良いよねー。ギター講師役のジョセフ・ゴードン=レヴィの演奏と歌唱も多くて楽しい。TV+ pic.twitter.com/fP4Sh5xz46
▼BAD LANDS
『バッド・ランズ』
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 30, 2023
大阪の下町が舞台のノワール映画。特殊詐欺グループの幹部を務める女は、トラブルメイカーの弟が起こした事件に巻き込まれて、一か八かの大勝負に出る。迫る警察の捜査。忍び寄るIT億万長者の思惑。
原田眞人ワールドと安藤サクラの化学反応が心地良い。他のキャストも大変良い。 pic.twitter.com/ZzcTa2IQN0
▼ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(など4本)
ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 30, 2023
白鳥
ねずみ捕りの男
毒
ウェス・アンダーソン監督の最新作は4本の短編。全て児童文学作家ロアルド・ダールが原作。ダールの魅力を活かすために著書から直接ト書きのセリフにする力技。そこに舞台的な背景表現を更に進化させたアンダーソン色が加わり楽しい。 pic.twitter.com/DqRlHepo43
ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語
白鳥
ねずみ捕りの男
毒
▼さ〜て、来月の映画館は?
10月公開作品で気になるのは…
コカイン・ベア(9月公開キャリーオーバー)
リバイバル69/伝説のロックフェス(6日)
ザ・クリエイター/創造者(20日)
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(20日)
ドミノ(27日)
ザ・キラー(27日:Netflix)
ペイン・ハスラーズ(27日:Netflix)
男と女(27日:午前十時の映画祭)
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ちょっと少なめですかね。
来月(以降)も楽しみです。
(了)
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