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なぜ新しいスーパーマン俳優は海外であんなに激しく叩かれるのか【デヴィッド・コレンスウェット】【ヘンリー・カヴィル】
ジェームズ・ガンのばかやろう!いっぺん死んでこい!
(=DCフィルムズのCEOを降りろ、という意味ですよ。念の為)
結論から述べると、
デヴィッド・コレンスウェットの顔がヘンリー・カヴィルにめちゃくちゃ似ているからです。しかも顔だけが。
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しかしこれだけ言われても、なぜカヴィルと似ていたら不適切なのか解らない方がいると思うので、もう少し詳しく書いておきます。
▼理由①カヴィルを解雇した直後にこれかよ!
令和4年11月にDCフィルムズの共同CEOに就任したピーター・サフランとジェームズ・ガンは、明けて令和5年1月31日にDC映画のリブート計画を発表しました。これは平成25年6月の映画『マン・オブ・スティール』から紆余曲折を経つつも10年間続いてきたDCEUの正式な終了を意味します。
つまり、それまでファンに切望されていたヘンリー・カヴィルのスーパーマン復帰は完全に白紙撤回になりました。タイミングが悪いことに直前にカヴィル本人がInstagramで復帰を喜ぶ投稿をしたり、令和4年10月に映画『ブラックアダム』でゲスト出演していたり、更にはスーパーマンのためにドラマシリーズ『ウィッチャー』の新シーズンを降板したということもあり、より一層ファンダムの怒りを買うことになりました。
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私は、ファンが落胆や反発をすることを予想できなかったほどサフラン&ガンが馬鹿だったとは思いたくありません。彼らも彼らなりに構想があって、覚悟の上でカヴィルを切ったのでしょう。そう考えれば、ここは私も気持ちを切り替えて「彼らがその覚悟で次はどんなものを見せてくれるのか待ってみよう」という気にもなりました。それが1月末時点での私の気持ちでした。
しかし、そこから半年待たされて、SNS界隈がマン・オブ・スティールの公開10周年に沸いた直後、サフラン&ガンが発表したDCUの次期スーパーマン俳優デヴィッド・コレンスウェットはまるで『カヴィルの双子の弟』と言わんばかりのそっくりさんだったのです。しかも若返りを狙うにしては30歳という微妙な年齢です。それならカヴィルのままで良かっただろと言いたくもなります。
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ちょっと例え話をしておきましょう。今回のスーパーマン交代は言うならば、DCが10年前に結婚した最近やや不仲だった妻(40歳)と一方的に別れて、妻とそっくりな女(30歳)と婚約した状態です。全然違うタイプの女とか、ハタチくらいのホットな若いセクシー娘に流れたならまだしも!という感じです。(笑)
▼理由②新人が軟弱すぎて草www
デヴィッド・コレンスウェットは顔こそヘンリー・カヴィルに酷似していますが、体つきは全く違います。首の太さも肩幅の広さも全く違います。2人の画像を重ね合わせるとよく判りますが、コレンスウェットは日本人のサラリーマンよりも小さく見えます。
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コレンスウェットは身長が193cmあるらしく、それでますます華奢に見えるのはあると思います。悪口になっちゃいますけど白人の割にはアタマも結構大きいですね。DCはもっと肩幅が広くて小顔の俳優を起用するべきでしょう。193だとシュワルツェネッガー級に鍛えなければ格好良くなりませんよ。もう少し低身長ならもっとガタイが良く見える若手俳優はゴマンと居ます。(*ちなみにカヴィルは185でした)
しかも今年で30歳という年齢も良くないですね。
こちらはデヴィッド・コレンスウェットの最近撮影されたらしい上半身と、10年前にスーパーマン俳優に起用された頃のヘンリー・カヴィルの上半身です。左の30歳のオジサンが今から筋トレを始めて短期間で大きくできるのでしょうか?肩幅の骨は狭そうだし、大胸筋もほとんど厚みが無いですよ。
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Twitterでは「ステロイドやホルモン剤を使えば間に合うかもしれない」とリプライを頂けました。なるほど。長期的に見たときの身体へのダメージなど懸念点はありますが、それで歴史に名を残せるなら…って俳優なら考えちゃいそうですね。(あまり詳しくないのでハリウッドセレブの間でステロイドなどの筋肉増強剤がどういう認識をされているのか知りませんが)
海外勢の大喜利がヤバイです。おそらく永遠に「歴史上最も厳しいスタートを切ったスーパーマン俳優」と言われ続けるでしょう。こんなに似てる人を選ぶ必要ぜったい無かったと思います。
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ここまで海外で馬鹿にされるのは筋肉に対する見方の違いが大きいでしょう。もやしのようなヒョロ男でもチヤホヤされるのは日本だけです。170以下へのディス発言で物議を醸したたぬかなの言葉を借りるなら「筋肉がない男には人権がない」のが海外の多くの国の現実です。
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▼理由③名前が覚えにくい
八つ当たりや憂さ晴らしのように見えるかもしれませんが、案外バカにできないことです。
よく若手芸人が「顔と名前だけでも覚えて帰ってください」と言いますが、俳優にも同じことが言えます。あのシュワルツェネッガーだってデビュー時には周囲の人達からかなり改名を迫られたそうですし、ターミネーターのような当たり役が無かったら今でも「詳しい人でも名前を覚えられない伝説のボディビルダー」止まりだったでしょう。
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ヘンリー・カヴィル
タイラー・ホークリン
クリストファー・リーヴ
ブランドン・ラウス
ニコラス・ケイジ
トム・ウェリング
ジョージ・リーヴス
ディーン・ケイン
マット・ボマー
カーク・アライン
ジャック・クエイド
ライアン・ドリラー
これらの偉大なる前任者と比べて、デヴィッド・コレンスウェットの名前の覚えにくさは突出しています。
ファミリーネームに3音節以上使うとヨーロッパの貴族のような響きになります。ハプスブルグ家とかロートリンゲン家とか。キャピュレット家とかモンタギュー家とか。
世界的に有名な『ハリー・ポッター』の主人公の簡素な苗字に対して、グレンジャーやウィーズリーやマクゴナガルやヴォルデモートという長い名前の響きがどういう印象を与えるか考えてみてください。作者のJKローリングは意図してこれらのファミリーネームを選んでいます。
ヨーロッパから飛び出して未開の新大陸に自由を求めて築き上げたのがアメリカ合衆国なのに、それを象徴するスーパーマン俳優の名前がいいのでしょうか、コレンスウェットで?
▼理由④今はザックから脱却すべき時なのに!
詳しくはこちらにも書いたのですが、今やDC映画ファンの中にはスナイダー原理主義者とスナイダーアンチが強固に形成されており、何かあるたびに宗教論争を始めるようになっています。彼らは何かと「どちらがカノン《正史》なのか」という議論で盛り上がるのですが、このカノンとは純粋に宗教的な言葉です。
カノン canon
1. a general law, rule, principle, or criterion by which something is judged
一般的な法律、規則、原則、または(神の)審判によって定められた基準
2. a collection or list of sacred books accepted as genuine
本物であると認められた神聖な書物のコレクションまたはそのリスト
DCのような大作映画の観客動員数から見れば、支持者とアンチのどちらも全体の中では少数派のカルト(熱狂的信者)だと思われますが、SNSは少数派の意見が増幅される拡声装置(エコーチェンバー)です。いわゆるノイジーマイノリティですね。
そして、こうした少数派同士の(醜悪な)争いを見て、多数派のライト層やファミリー層の映画ファンが購買意欲を失ってしまうこともある(一般人にとってDCのカノンがどちらかなど正直どうでも良い)ので、この炎上騒ぎは大企業にとっては痛手でしかありません。
カヴィルのスーパーマン復帰を喜ぶDCファンが多い一方で、ザックを敵視する『本物のDCファン』も多く、しかも両者は互いにグラデーションで複雑に(ザックは嫌いだけどカヴィルは好きなど身勝手な主張をする人も)混ざり合った状態でした。
加えて、ただ閲覧数やいいねを稼ぐためだけに論争や炎上を仕掛けているようにしか見えないアカウントやメディアも少なくありません。これはもう判りやすく「ネットのおもちゃ」にされている状態です。
だからこそ、もはやワーナーはこの混迷を極めたDCの世界を救うためには喧嘩両成敗で今あるDCEUを一度完全終了させるしかない。…と私はリブートを容認していました。
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午後6:36 · 2022年12月15日
しかし今回選ばれたコレンスウェットが事実上『カヴィルの劣化コピー』だったので、サフラン&ガンは新生DCUで既存のDCEUのイメージを引き継ぐことを決めたということになります。
これによって私がサフラン&ガンの新規軸を擁護する理由は消えました。
望む望まざるを問わずザックのイメージを払拭しなければならないこのタイミングで、最悪の人選なのでは?…と割とマジで思います。これだと私のような前任者のファンは、コレンスウェットを素直に応援できない人が多いような気がします。別にコレンスウェットを嫌いになる理由は無いのに。度胸が致命的に欠落したサフラン&ガンには落胆しか感じません。
いやー今回の発表はさすがに失望しちゃいましたねー。(苦笑)
私はザック・スナイダーが大好きなので、現時点では彼が演出していた時期のDC映画がアメコミ映画の中で一番好きです。ザックが離れてからのDC映画には落胆するものが多いです。
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ザックのBvSだけは名誉のために円盤で発売された完全版を併記。
しかし彼が関与しないアメコミ映画にも好きな作品はありますし、そうやって多様なクリエイターが参加して、どんどん新しく作られるべきだと思います。
でもザックが集めたメンバーの人気だけは利用して、中途半端に引きずるのだけは不快なので止めていただきたいです。それは泥棒のやり方なので。素人の二次創作と変わらないので。本当は観たかったジャスティスリーグの続きや、デヴィッド・エアーが届けたかった本来のスーサイド・スクワッドが脳裏にチラついてムカつくので。
ジェームズ・ガンはこれまでSNSやメディアで何度も「これまでと違うことやるぜい」ってドヤ顔で強調していたのに、数ヶ月かけてようやく決めた最重要キャストが前任者の劣化コピーに見える人ってギャグのつもりなんですかね。本当ノーセンキューですわ。
今やDCファンの中にはスナイダーカルトとスナイダーアンチが強固に形成されており、何かあるたびに宗教論争を始めるようになってしまったから、ザ・フラッシュはどちらにも属さない宙ぶらりんのコメディ映画として作るしか道がなかったんだよ。少なくともビジネス的には。↓https://t.co/lkJM3bqKsL
— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) June 19, 2023
次のスーパーマンの俳優。カヴィルを想起させる容姿や、ウィルキンソンを想起させる衣装であるかぎり、スナイダーバースの呪いから逃れられないですよ。(あえて「呪い」という表現を用いるよ)
▼理由⑤兎にも角にも似過ぎている
兎にも角にも顔が似過ぎているのが良くないです。過去にここまで系統が似ている俳優を起用した事例はありません。
歴代のスーパーマン俳優を並べて見れば、その異常性が伝わるでしょう。
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スーパーマン、やっぱりイメージが確立しすぎて顔の系統が一緒になるのかなって歴代見たら意外とそんな一緒じゃなかった。にしてもヘンリーカヴィル→ デヴィッドコレンスウェットは若返り目的かってくらい系統一緒だな。 pic.twitter.com/AtaxbwCJ2z
— サンタフェ (@SantaFe______) June 27, 2023
よりによってここまでヘンリー・カヴィルと顔が似てる俳優を選ぶなんて、まじでジェームズ・ガンは今すぐ降板した方が良いです。(俳優は悪くないです。たまたま顔が似ていただけですから)
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良くも悪くもザックのDCEUはセクシーすぎたので、次のDCUでは『Superman for All Seasons』のようなアメリカの原風景が漂う優男のスーパーマン/クラーク・ケントを描くのが良い、と私は思ったんですけどね。
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…てゆうか先立って公開された新作のビジュアルがそういう感じでしたやん?私はこの『巨大な体躯なのに心が優しそう』なビジュアルにスーパーマンの伝統(レガシー)と新たなる希望を感じたんだけどなあ。…逆に、ザックと同じ路線でやってもただの劣化コピーで終わるのが関の山やぞ。
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▼俳優に罪は無い:
さて、新スーパーマン俳優が2019年に「カヴィルのスーパーマンはダークで好きだけど、次は明るくて楽しいのが見たい」と発言していたことが発掘されて炎上しています。さすがに選抜される数年前の発言を責められるのは気の毒ですね。そもそも次回作のテイストを決めるのは彼ではなくて監督やスタジオですし。
2019年といえばちょうど「スナイダーカットは存在しない」とワーナーやDCがメディア工作に必死だった頃で、カヴィルもスーパーマンの話題に消極的でした。インタビュアーやメディアが次の候補に誘導尋問をしていた可能性もあります。
少し勘ぐると、この炎上まで見越して元祖Twitter炎上芸人ことジェームズ・ガンが彼をチョイスしたのか!?とか考えてしまいます。(陰謀論)
もちろん実際はそんなことなくて、単純に過去発言を精査してないだけでしょう。しかしそこまで徹底できない時点で、DCフィルムズ社にはあまり余裕がないんだなとは思ってしまいますね。
一方、このタイミングに乗じて宣伝してくるネットフリックス。(笑)
From the minute David Corenswet first appeared on screen in The Politician, it was clear that he had a super bright future in Hollywood. pic.twitter.com/qImhdMJeTk
— Netflix (@netflix) June 27, 2023
▼本当の黒幕はサフラン説:
DCUの運営方針は、SNSで目立つからジェームズ・ガンが槍玉にあがることが多いですが、共同CEOのピーター・サフランにもかなり責任がある気がしています。
そもそも思い返すと、これまでピーター・サフランがプロデューサーで関わっているDC映画はどれもあまり好きになれなかったんですよねえ。なんというか彼には信念がなくて、ただSNSでバズっているものを取り入れているだけのような気がします。
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だから私はシャザム2をスルーしたし、アクアマン2にもあまり期待していません。
DC映画のプロデューサーを整理すると見えてくること:
・MCUのような一枚岩ではない
・一作目だけタルとノーランが参加していた
・前半はルーヴェンが統括していた
・ジョーンズの介入と没落
・JLが空中分解の引き金
・サフランが「立て直し」のため参加
・最近はクリエイター個人の事務所に丸投げ
ちょっとサフラン&ガンの体制が続く限り、私には期待できないDC映画が続きそうです。
そう考えると、ダークナイト三部作の熱をそのままにシンコピー(ノーランの制作会社)とレジェンダリー(チャイナ資本に買収される前)が積極的に関与した『マン・オズ・スティール』は奇跡のような作品だったんですねえ。(遠くを見つめる瞳で)
了。
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