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塾という「場」についてのワーク

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学校に通い塾には通わない生徒、学校と塾の両方に通う生徒、学校は通わず塾だけに通う生徒、塾を学びの場所とする浪人生etc. 塾は私たちの日常にあふれていますが、そこはいったいどんな…
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#まるごと

塾という「場」 9 ー生徒の「まるごと」に寄りそうー 対話

塾という「場」 9 ー生徒の「まるごと」に寄りそうー 対話

(iv)対話
自分を知り、深め、押し広げていくという世界の立体化。
それは、異なる視点を獲得し、言葉に至らない思いをすくいあげ、自分の物語として修正し編みなおしていくということです。それは、対話的プロセスによって駆動しています。
 
生徒、指導者ともに、他者に対しても自分に対してもつねに対話的に接するということが重要です。
 
「対話的」というのは、それぞれがそれぞれのリアリティを超えて、経験を重

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塾という「場」 8 ー生徒の「まるごと」に寄りそうー ネガティブ・ケイパビリティ

塾という「場」 8 ー生徒の「まるごと」に寄りそうー ネガティブ・ケイパビリティ

(iii)ネガティブ・ケイパビリティ
「わからないこと」に慣れる、「わからないこと」から逃げない、そして「わからないこと」を面白がる、という態度は学びづくりを考える大きなヒントになります。
 
ここで、重要な概念を紹介したいと思います。
「ネガティブ・ケイパビリティ」(帚木蓬生 『ネガティブ・ケイパビリティー答えの出ない事態に耐える力』 朝日新聞出版 2017)です。

ネガティブ・ケイパビリティ

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塾という「場」 7 ー生徒の「まるごと」に寄りそうー 物語的な個人

塾という「場」 7 ー生徒の「まるごと」に寄りそうー 物語的な個人

(ii)物語的な個人
ここで、少し視点をかえて、希望、について取り上げてみたいと思います。
 
希望学の知見(玄田有史『希望のつくり方』岩波新書 2010)によると、
・そもそも、人間は、日々生きる困難のなかで、希望をどうしてももってしまう、もたざるをえない動物、である
・希望は変化と密接な関係があり
・未来に向かって現状を変化させていきたいと思うときにあらわれるもの
・育まれていくもの
・模索の

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塾という「場」 6 ー生徒の「まるごと」に寄りそうー 視点の相対化

塾という「場」 6 ー生徒の「まるごと」に寄りそうー 視点の相対化

3-2 生徒の「まるごと」に寄りそう

「生活のなかに学びがある」「生徒のまるごとを引き受ける」という点について、さらに見ていきましょう。
 
キーワードは、
・視点の相対化
・物語的個人
・ネガティブ・ケイパビリティ
・対話
・ケア
です。
 
(i)視点を相対化する
生徒の存在、「まるごと」を引き受けるということは、そこに生徒の世界があるということを、まず、引き受けることです。
 
そして、「

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