前鋸筋の触診
前回までに肩甲骨を下方回旋させる、菱形筋・肩甲挙筋・小胸筋の整理をしてきました。肩甲上腕リズムが崩れてしまっている時には必ず確認しておきたいポイントでしたね。
今回は、肩甲上腕リズムの繋がりで、肩甲骨を上方回旋させる前鋸筋に注目して整理していきましょう。
前鋸筋は臨床でも評価・アプローチをすることが非常に多いと思います。ぜひ、触診もできるようになっておきたいですね。
1 触れることの臨床意義
作用として肩甲骨を外転に関わる唯一の筋です。そのほかに、僧帽筋と協働して肩甲骨を上方回旋させる作用もあります。
つまり、肩甲上腕リズムにおいて肩甲骨の安定した運動性に関わる筋ですね。
(引用:基礎運動学 第6版)
また、前鋸筋は僧帽筋中部線維と協働し、肩甲骨の安定性にも寄与しています。
(引用:動作分析 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践)
つまり、肩甲骨の安定性と運動性の両方に関わる非常に重要な筋であることがわかります。
2 特徴
特徴としては走行に注目していきましょう。
起始:第1〜9肋骨側面
停止:肩甲骨内側縁と上角および下角の肋骨面
となっており、肩甲骨の腹側を通り内側縁に付着します。そのため、触診するためには、側面からの触診となることが理解できます。
(引用:visible body 2021)
臨床で前鋸筋の利用を促したい時にはタッピングをすると思います。しっかりと前鋸筋の走行を意識してタッピングすることが重要ですね。
3 実際の触診方法
では、実際に触れていきましょう。
今回のランドマークは肩甲骨下角になります。しっかりとランドマークの触診もできるようになっておきましょう。
① 肩甲骨下角を確認(第5・6肋骨の高さ)
② 下角の高さで体幹の側方に指を移動
③ 肩甲骨の前方突出にて収縮を確認
4 まとめ
臨床でタッピングなどで特に意識してもらいたい筋の場合、走行を確認して触診できることが重要です。ぜひ、ご自身でも整理してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。
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