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「じゃがいも」のお寺話6 お釈迦のお話2/2
お釈迦の本名はガウタマ・シッダールタさんだと言われていて、名前の信憑性についての議論は少ないと思うので合っているのでしょう。
釈迦族の王子であったのでお釈迦様と呼ばれています。日本ではお釈迦様という呼び名が一般的なのでここでもお釈迦様という呼び方を採用しています。お釈迦様は少し丁寧なだけで釈迦と呼んでも同じと思います。
お釈迦様と呼ぶ場合、仏教の開祖であるという意味が含まれていて、ガウタマ・シッダールタさんとあえて呼ぶ場合、1人の人間として話題にするニュアンスが付加されるでしょうか。
お釈迦様は架空の人物で、ガウタマ・シッダールタさんは実在の人物という説明を見たことがあります。
確かにガウタマ・シッダールタさんという方は実在したのでしょう。仏教の開祖にもなったのでしょう。ただし、経典で描かれている仏教の開祖は超人化していて人間ではあり得ない能力の持ち主とされています。超人化した仏教の開祖をお釈迦様と呼んでいるとの説明でした。
一般には、ガウタマ・シッダールタさんとお釈迦様は同一人物と認識しますが、ガウタマ・シッダールタさんが後世の弟子たちにより超人化した表現で描かれていき、その開祖様をお釈迦様と呼んでいる。そんな超人は経典の中だけの話で実在はしないという説明は納得はします。
お釈迦様という呼び名も少しくだけた表現です。釈迦族の聖者という意図で「釈迦牟尼」や「釈迦牟尼世尊」略して「釈尊」「世尊」などと呼ばれます。全てお釈迦様を示す言葉です。
ブッダ(ブッダ サンスクリット語 パーリ語)は「目覚めた人」という意味の名詞です。仏教では悟りを開いた人を意味します。
中国で「仏陀」と漢字表記されて日本に入り、仏陀、仏、仏様、などが同じ意味で使われるようになったようです。
仏陀は資格、役割、能力などを示す一般名詞と理解します。博士、医師、先生などの名詞に類似でしょうか。
ガウタマ・シッダールタさんは35歳の時にブッダガヤで仏陀になりました。釈迦牟尼世尊になり弟子からは世尊と呼ばれるようになりました。
35歳以降、悟りを得たガウタマ・シッダールタさんのことを仏陀、釈尊、世尊と呼ぶのが正しいことになりそうです。
お釈迦様という呼び方は35歳以前でも釈迦族の王子なので微妙です…。
前の説明と矛盾しますが、一般にはガウタマ・シッダールタという名前は知られていないので仏教の開祖は産まれた時からお釈迦様と表現して間違えではないと思っています。
人類史上ではガウタマ・シッダールタさんが唯一無二の仏陀です。前後の文脈によりますが、ガウタマ・シッダールタさんと仏陀も同一人物と言って良い場合はありそうです。
誰か特定な人を意図して仏様、仏陀と表現した場合、それはお釈迦様を指していてガウタマ・シッダールタさんのことになるという理解は正しいとは思います。
ただし、お釈迦様亡き後に発展した仏教では、過去から未来の長い時間には、お釈迦様以外にも仏陀になった人、なれる人がいるはず、いない方が不自然だと考えるようになりました。阿弥陀如来や薬師如来など如来の方々は仏陀です。
お釈迦様は仏陀ですが、前後の文脈によっては仏陀はお釈迦様以外にもいます。仏陀とお釈迦様は必ずしも同一ではありません。
※経典はお釈迦様の教えを弟子たちが書物にまとめたものです。お経、仏典、経典などと呼ばれますが同じものと理解します。