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[初任者向け]授業計画を考える(1)

授業の計画、していますか?

この記事では、高校で英語を教える上で私が気をつけていることをまとめました。ベテランの先生方は無意識に行っていることですので、そういった方々は以下のことなど歯牙にも掛けないことでしょう。それ故に、あえて言葉にされない方も多いのです(多分)。新任の先生は授業準備の前にさらっと読んで、以下の授業計画のツボを押さえた上で、万全を期し授業に当たりましょう。

1-1. 目的地の把握

教員は、生徒の道標となり、彼らが進むべき方向を指し示し導く案内人。英語の知識や運用能力が優れていようが、そうでなかろうが、生徒の前ではナビゲーションが安定してできることが第一に求められます。Google Mapのような道案内アプリは、見知らぬ土地では頼りになりますよね。

Teacher as Navigator

先生方が育て上げたい生徒像は何ですか?英語の授業で最低限大切なのは、「これから受け持つ生徒たちが卒業後、英語学習に対してどのようなマインドを持っていてほしいか」です。もしくは、「あなたは何のために授業するのですか?」という問いに答えを用意することです。それを、授業開きで生徒に伝えましょう。そこから逆算して、中期的な目標を定めていけばよいのです。

人によっては「英語ペラペラ」「海外の文化に興味を持ってほしい」「TOIEC○点」と漠然とセッティングするかもしれません。それもありだと思います。でもぶっちゃけ、地頭;基礎学力とか、コミュニケーションに対する積極性とか、変数になるものが数多くあって、実現が難しい目標にしがちです。

もしかすると勤務校で目標が設定されているかもしれません。ぜひ教科主任の先生に確認してみてください。しっかりしている学校なら数値目標や具体的なマインドセットがあると思います。ちなみに、私が勤務してきた学校にはありませんでした。

1-2. 私の目的: 外国語の学び方を学ぶ

そこで私が現在目標としているのは、「将来外国語を勉強するときに、英語の授業で習った方法を実践できること」です。

英語力があれば就職の選択肢が広がる。英語ができれば英語圏の知識も吸収でき、世界が広がる。これらはよく言われる事実です。英語をバリバリ使う仕事に就く人は1割もいないかもしれません。でも、英語ができれば得をする人は10割です。また、就職したら中国語を勉強しなければならなかったとか、ドイツに単身赴任になったという話は意外に多いです。

こうしたことから私は、「外国語科」英語教師としてできることは、英語にしろ中国語にしろ、あらゆる言語学習の基盤を生徒に伝え定着させることだ、と考えるに至りました。生徒が老後に英語の勉強をし直そうとしたとき、自分の授業を思い出してくれたら嬉しいですよね。この目標達成には基礎学力も積極性もそれほど要されません。地獄のハードトレーニングを楽しんで生徒と行っていけば、絶対に達成できるのです。

1-3. 目標を設定したら

目指すものがあれば何でもいいんです。その目標に向かって生徒をナビゲートできればいいのです。大切なのは、先生方の授業が一通り終わって、生徒の心に残るものが教育の成果だということを忘れないでください。

さて、卒業後の目標を設定したら、ひとまず今年度の目標を設定しましょう。慣れない言語を学ぶのは、乗れない自転車の乗り方を覚えるようなもの。利き手でない手で縫い物をさせられるようなもの。そのような地獄のトレーニングにめげず、やる気になれる目標値を設定するとよいです。

2-1. 年間目標

私は授業開きで、私からの要望として生徒へ教員側で決めた目標を提示した後、英語に関する長期目標[将来の目標]、中期目標[今年度の目標]、短期目標[今学期の目標]を生徒に書いてもらいます。授業は生徒のものですから、生徒にも目標を設定させることはよいことと考えています。

が、生徒にむやみに目標を設定させるとメチャクチャなのも出てきます。や、いいんですよ?「海外の男性と付き合いたい」「ラップを英語で歌いたい」が目標の一部であっても。夢は大きいほうがいいですし。でももっと具体的な目標も考えさせたいですよね。そこで、年間目標などを設定するのに役立つのがCEFRに準拠したCAN DOリストです。

2-2. CEFRのCan doリスト使おうぜ

中高の教員は学校ごとのcan doリストを作らされたりして辟易していますが、今はたいてい検定教科書の最初の方に載っています。このページを見せて、この教科書を使うとこういうことができるようになりますよ、というだけでいいわけです。これが、教員が設定する目標になります。

教科書のCan doは具体的に書いてあることが多くなってきました。例えば昨年度私が1年生と学んだ教科書の「聴く」目標には、「日常や仕事上の普段の話題ならば、簡単な事実関係の情報を理解できる。もし、明瞭な発音であれば、具体的な詳細も理解できる。」とありました。ですから、学年末のテストでは、リスニングで業務上の留守電を聞き取るテストを出題しました。テスト前1ヶ月間は電話練習や上司と部下の会話練習をしまくりました。手を電話にして10分話しまくりです。上司が理不尽に10分間部下をしかりつけ放題です。

生徒にCan doリストを見せながら、将来の大きな夢を実現するためにどの英語力が必要か考えてもらいます。今一番必要だと思うCAN DOに印をつけさせて、今年度の授業で必ず扱うことを約束するのです。授業時間の都合上おざなりに扱うなどすると、普段適当な生徒も真剣に文句を言ってくるので、きちんとこなしましょう(実体験)。

つづく

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