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2018年、じゃぶとんの書いた48の文章

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2018年1月の記事一覧

皆既月食の日

正確になんて言えないから、正確に言う必要はないのだが、正確に言いたいという欲望が消えてなくならない限りわれわれは言葉を探し続ける。

換言すれば言語は性質上原理的に厳密性の永続化が不可能である故に論理的体系としての言語の整備は不要である、しかし人間が言語と思惟との一致という理念の創出を拒否しえない限りにおいて我々はその試行をも拒否できない。

皆既月食の日にぼくは、月食の写真よりも猫の画像のほうが

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思い切って行動するための3つのセッション

Session1.……どのモノサシで測ればいいの?
あなたとぼくの距離を、どんな天秤で計ればいいの?
いろんな中間団体が、わたしと世界とのあいだに在る。
それらをどのように作ればいいの?

「いくらでも複雑に目盛りを設定して、それでわたしたちは気持ちが分からなくなる……」

(⇧誰かがぼくの気持ちを代弁している)

科学的・音楽的・プログラム的・審美的・博物的・ホラー的・哲学的・数学的・サラリー的

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無意味を欲することからの脱却

文体というのは不思議なものである。まじめな文体を採用すれば、まじめな内容になっていってしまう。それはなんだか、じぶんではなく、文体が文章を書いているような、そんな気持ちを与えてくれる。今回はまさしく、そんなまじめな文体を、披露しよう。

以下はフィクションです。

ぼくはこれまでのnoteの投稿において、あまり意味のない文章を書こうとしてきた。ある種の文字列、つまり、わたしたちの現実の感情に作用せ

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過剰に意味を読み込まないでください

過剰に意味を読み込まないでください
だれも意味を読み込んでなどいません
かれは意味を読み込んでなどいません
彼女に意味を読み込んでなどいません
さらに意味を読み込まないでください
あなた意味を読み込んでいてください
ずっと意味を読み込んでいてください
だから意味を読み込まないでください
私へと意味を読み込んでいてください
ぼくは意味を読み込みたくないのです
過剰に意味を読み込もうとしがちです
だか

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2018年の抱負

あけましておめでとうございます。

以下はフィクションです。

2018年がやってきた。平成30年だ。平成もことしでおわる。でも西暦はおわらない。2018年の抱負を述べる。健康に過ごす。これに尽きる。これ以外は特にいらない。何かもらえるならもらいます。ください。でも只より高いものはない的な結末がくるならいりません。

「便利なものができたので、買ってくださいませんか」
「ただならもらいます」
「あ

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