不安になるのは、自分を守るため
今日は久々にお気に入りの本を読んでいました。「マインドフルネスで不安と向き合う~不安から自由になり、人生を取り戻す」という本です。
一時期、引っ越し鬱になり、神経科で「不安神経症」という診断がおりた時期があります。
外出していても、「コーヒーメーカーの電源切ってきたかな?」と不安になって、用事の途中でも帰りたくなる。家に帰ってみると、ちゃーんと切っていた、ということが続き、コーヒーメーカーを使うのを辞めた時期もあります。
今思うと、引っ越しも、引っ越しの後も、ひとりで頑張りすぎてたんでしょうね。
ADHDだと、不安神経症になりやすいのですが、そんなことも思いつきもせず。パキシルという精神安定剤を2~3年飲んでいました。でもその薬でさえも、いつまで飲むのだろうというのも不安で。
そんな時、森田療法の本を読み、「不安を抱えながら、不安と共存しながらやってみる」という考え方を知り、運転など、不安だけどしなくてはならないことにも少しずつですがチャレンジしていきました。
ヨガに行ったり、歩く瞑想をしたりしながら、よーく動いて、よーく寝て、少しずつ治ってきました。
不安神経症の頃は、外出時に鍵を閉めたか気になって、駅までの道の途中で引き返して、施錠を確認して・・・、ということを繰り返していましたが、今では、家の鍵をかけ忘れたと出先で気づいても平気!になりました^^
それでも、未だに不安になるときがあります。そんな時、この本の一番好きなフレーズを読みます。
あなたを傷つけるのは、恐怖や不安を感じるのを自分で非難する行動です。恐怖や不安そのものではありません。マインドフルになると、そうした自己批判を、自分を慈しむ姿勢へと変えやすくなります。
不安になると、まただ、だめだなぁと自分を批判してしまいますよね。
「自分を慈しむ姿勢」というのはセルフコンパッションの日本語訳で、良い日本語があてはめられないのですが、私の場合は、「自分って尊い」とじんわり温かい気持ちになることです。身体ってすごいね、みたいな。
人の心もすごく良くできています。恐怖や不安は、自分を大事に思うから、自分を守るために起こるのだと思うのです。
不安よ、なくなれと思わずに、不安を恐れずに「ああ、そりゃぁ、不安になるよね」と自分に共感することができてくるようになると、少し余裕ができます。
不安神経症の頃は、不安で頭が硬直して、何もできずに立ち尽くしている感じでした。
今では「不安は悪者ではない、自分のことを大事だと思うから、不安になるのだ」と心底思えるので、そういう心の波を、ジーンと感じることもできます。
発達障害当事者会でもマインドフルネス瞑想を紹介しているのですが、「マインドフルネスは、何に効くのか?」とよく質問を受けます。頭の中の多動に効くと思ってはいます。でも瞑想中注意がそれたときに、自分を責めるのではなく、優しく自分に声をかけて、戻ることを繰り返します。その「それたら戻る」を繰り返すことは、最終的には「自分を愛することに効く」のだと思います。
その愛する方法がちょっと間違ってしまうと、不安や恐れになってしまうだけだと。この本を読むと、本当に、不安も悪くないんだなと思えます。
不安神経症の人にも、是非読んで欲しいです!