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「峠」 待ち続けた歳月
学生のとき、友達の薦めで司馬遼太郎さんの小説に出会って以来、いろいろ読んできたがもっとも好きな小説は「峠」だ。
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写真の通り「峠」は4セットある。
初代「峠」は写真奥の2冊で、なんどもなんども読んだので表紙が擦り切れてしまった。この「峠」はどこへ行くにも持ち歩いた。「峠」の主人公・河井継之助の活躍の舞台・新潟県長岡市にももっていった。河井の師匠・山田方谷の住処址である岡山の方谷駅にももっていった。
河井の愛読書である「伝習録」の作者・王陽明の史跡を訪ねて中国にいったときも持ち歩いた。どこにいくにも携えていたので、ついにはこんなにボロボロになってしまった。大切な友2人に貸したのもこの本だ。
2代目「峠」は、その友のひとりがあまりにぼくの「峠」がボロボロなのを憐れんで購入してくれたものだ。それが写真手前の2冊だ。そしてこれもなんども読んだ。
3代目「峠」は写真真ん中の1冊で愛蔵版が出たので購入したもの。これらの1代目から3代目までの「峠」には、ぼくが気に入ったところにすべて波線が引いてある。なんどもなんども読んだので、なんどもなんども波線が書き加えられている。
4代目「峠」は写真下の3冊で、字が大きくなり、そのため3冊に分冊されて発売された記念に購入した。記念なので波線はひいていない。一番、綺麗な「峠」だ。
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司馬遼太郎の歴史小説はなんどもテレビ化されたり、映画化された。大河ドラマにもなったし、そういえば去年は「燃えよ剣」で岡田准一さんが名演を見せてくれた。
「峠」は2005年に中村勘三郎さんが主演で『河井継之助-駆け抜けた蒼龍-』(日本テレビ系、12月末放送)としてテレビ時代劇化された。当然、ぼくはみたけれど、ちょっとイメージと違っていてがっかりした(すいません)。やっぱり映画で「峠」を見たいと思った。
そして、その時がついに来た。
2018年ごろだったと記憶しているが、役所広司さん主演で「峠」が映画化されると発表された。ついにこのときが来たかと思った。公開は2020年と発表された。それまではなんとしても生きようと思った。
ところが、皆さんご存知のようにあの感染症さわぎで、撮影は遅れに遅れた。ぼくは1年9か月の延期期間、ひたすら待ち続けた。2020年公開が延期になり、その後2度の延期を繰り返し、やっと2022年6月17日公開となる。
明日だ。
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出雲神話は出雲を主な舞台としている。しかし、ぼくは「孫子」の兵法も愛読しているので、「彼を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず」の教えの通り、高天原の立場からも物事を見るようにしている。
すると「国譲り」を迫ってからの11年はやはり長かったんだろうなと思う。1年9ヶ月待つのでさえものすごく長く感じたのだから、高天原の11年は「はやく国譲ってもらえないかなぁ」とやきもきするには十分すぎるくらい長い年月だっただろう。逆に大国主命はよく持ちこたえたものだと思う。そこのへんを、今回ずっと待っていた「峠 最後のサムライ」のことを考えながら、改めて再評価した。
大国主命は出雲大社で大切に祀られている。
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「峠 最後のサムライ」はいよいよ明日6月17日公開を迎える。
おそらく泣くだろうから、ひとりで見に行くことにしている。
明日はよってnoteはお休みするつもりだ。ひょっとしたら、数日間、ぼぉっとするかもしれないので、しばらくお休みするかもしれない。
ゴゴゴゴゴッ
(この音は!)
ヒトコトヌシ: おい、一緒に見に行ってやろうか
ぼく: おことわりします
ヒトコトヌシ: 最近、お前とワシとの掛け合いが面白いってコメントが増えてるじゃないか
ぼく: それが何か?
ヒトコトヌシ: お前がこのnote休んだら、ワシの出番がなくなるだろ
ぼく: それがどうしたんですか?
ヒトコトヌシ: ズバリ、一言いわせていただく!!
ぼく: どうぞ
ヒトコトヌシ: 全国の女子高生のみなさん、忘れずにワシを待っててチョーだい(あんたはボヤッキーか!?)
ぼく: ・・・(女子高生なんてこの記事見てねーよ)
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今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
よかったら、出雲大社にもいらしてください。
ヒトコトヌシも語り掛けてくれるかも ♪
お待ちしています。
こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えています。
よかったらご覧ください ↓ ↓ ↓