人気(にんき)と人気(ひとけ)
ずいぶん前のことであるが、近所のパン屋さんがローカル局のTV情報番組に取り上げられたことがあった。
放送後の反響はすさまじいものだったらしく、今までに来たことのない数のお客さんが一度に訪れる大変な騒ぎになったという。その結果どうなったかというと、店主は過労でダウンしてしまい、数か月休業する羽目になった。
もちろん、TV番組が悪いわけではなく、その放送を見て一度に訪れたお客さんに非があるわけではない。そして、その店主はほんとうに気の毒にと思う。
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出雲にて出雲神話を調べていると、上記の話もなんだか複雑な気持ちで聞いてしまうことになる。先日、多伎都比古命(たきつひこのみこと)に興味を持ち、大船山周辺の関連名所を訪れた話をした。
そのとき訪れた宿努(すくぬ)神社はなかなかに鄙びた場所にあった。カーナビがないと中々探すのが難しいなぁとも感じた。実を言うと、その日、もう一つ関連神社にも訪れていた。
多久(たく)神社である。
こちらの多久神社は宿努(すくぬ)神社の祀られている谷の隣谷にあたる、比較的宿努(すくぬ)神社の祀られている谷と比べると開けた場所に祀られている。
一番目の鳥居の横に駐車場のような場所があり、そこに車を止めて鳥居をくぐると民家が通りの左右に並んでいる。地元の人でないとちょっと進み辛いがそこは厚顔無恥にできているのでどんどんと進んでいく。
多久神社由緒に主祭神・多伎都比古命(たきつひこのみこと)と母神である天御梶姫命(あめのみかじひめのみこと)が祀られているとある。
由緒書きもしっかりとしたものであり、この谷の人々に大切に祀られていることが分かるいい神社だ。そもそも大船山の烏帽子岩(えぼしいわ)からはこの多久谷がよく見える。ということは逆にいえば、この多久神社近辺からも烏帽子岩がよく見えるはずだ(今回試みなかったことは残念であった)。
多久神社と比較すると、宿努(すくぬ)神社は同じ神様を祀っているとはいえ少々見劣りするように思われても仕方ない。しかし、ぼくは宿努(すくぬ)神社や虹が滝のような鄙びた場所にも趣を感じたりする。どちらがいいというわけではないけれど、それぞれの魅力が伝わればいいなと思いながら、ぼくの拙文のいたらなさにまた頭を抱えるそんな日曜日だった。
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今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
よかったら多久神社にも詣でてみてください。
そしてこの谷から大船山の烏帽子岩を見つけるといいことあるかも ♪
お待ちしています ♪
こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えています。
よかったらご覧ください ↓ ↓ ↓
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