子どもに「死にたい」と言われたら③ 〜共感と心の栄養 動物から受ける癒し〜
共感されることと共感すること
共感されることは癒しにつながります。
「つらかったね」 「しんどかったね」 「今までよく頑張ったね」等、うわべだけじゃなく(←これが大事です)、心から共感されると緊張がほどけたり、肩の荷が少し軽くなったりします。
周りの人が、本人に共感する時に気をつけないといけない事は、「わかる」という言葉です。
安易に「その気持ち、わかるわ」と言うと「何も分かってないくせに」とか「あなたにわかるわけがない!」 と反発を産むことがあります。
しんどさは当事者しか分からないことも多いので、
当然の反応かもしれません。
「あなたのしんどさを全部わかることはできないかもしれないけど、想像するだけでもしんどいし、あなたがつらいのはわかる気がする」という姿勢でいましょう。
「あなたの事をわかりたいと、思っているよ」って。
また、本人が共感する事も癒しにつながります。
自分と同じような体験を見聞きする時に、「自分だけじゃなかった」 という安心感や、「この人は、こうやって乗り越えたんだ」 という希望が見えたりします。
歌や本やテレビ、それからネットなどにも、探せば色々あります。
ネットでは、色んな人が体験記や体験記の漫画などを書いたりしてるので、気軽に読めてとても参考になります。noteも本当にありがたいです。
昔にくらべて、色んな物を探しやすくなったので、このことに関しては、いい環境になったなぁ、と思います。
いい物を見つけたら、それとなく紹介したり、探し方のヒントを出してみましょう。
決して押しつけにならないように。
心の栄養
身体に栄養が必要なように、心にも栄養が必要です。
いい言葉や音楽、絵画や自然に触れること…
とても大切です。
言葉には力があります。
いい言葉に触れると心の栄養になるし、反対に悪い言葉に触れるとエネルギーを失ってしまったり…
テレビなどでも、ひどい言葉が流れていて、傷ついたり、ニュースで沈んでしまったり…
気をつけましょう。
なるべく、いい言葉に接するように。
うつ病の人を見守る人も、いい言葉に触れ、たっぷりと「いい入力」をして、心を満たして「いい出力」ができるように、と願います。周りの人の影響も大きいですから…。
音楽や絵画等も、悲しみや怒りを表したものや、癒しを表したものなど、共感できたり、心地よく感じられるものを探しましょう。
個人的には、星野富弘さんの詩画が好きです。特に初期のものが気に入っています。花の絵と素朴な詩に癒されます。
どん底を経験した人だからこその繊細さや癒しがあります。
私は、しんどそうな人がいると「ときめき詩画集 あなたがいる」をプレゼントしたりします。手のひらサイズで気軽に読めます…というか見れる、いい感じの本です。
人それぞれ、しっくりくるものは違うと思います。
合うものがが見つかるといいですね。
それから、自然はありがたいです。
花を見て慰められたり、風を感じて気持ちが変わったり…
喫茶店や図書館や教会、動物園や山や海など、気持ちがほっとするような空間に行くこともいいと思います。
家の中に、そういう空間を作るのもいいですね。
秘密基地みたいな場所を作ったり、リビングがそうだといいのかもしれませんね。
私自身の場合は、トイレです。
トイレに自分の好きな物を飾って、トイレに行くたびに、ほっとしてます。
動物から受ける癒し
先日、「ボブという名の猫」で有名なボブが亡くなった、とニュースが流れていました。ボブの事、ご存知ですか?
アメリカで、薬物依存の青年が野良猫に出会って、飼うようになり、ボブという名前をつけて世話をして、心癒されたり、周りの人との関わりができたり。ついにはボブと生きる為に薬物を断ち切る決心をして立ち直っていったという実話です。
書籍化もされ、映画化もされ、テレビでも紹介されたりしていました。
夏目漱石も、神経衰弱だった時に猫を飼うようになり、だいぶ落ち着いたそうです。そして、「吾輩は猫である」という小説が生まれたそうです。
海外では「セラピードッグ」という犬がいます。
精神的にしんどい人と、セラピードッグとして訓練された犬が生活を共にします。
セラピードッグと居ることで、精神的にも安定し、落ち着いた生活ができるようになる人も多くいます。
盲導犬や聴導犬と同じように、介助犬としてお店や公共施設にも入れます。
最近は日本でも、病院や施設の患者さんを癒すために、少しずつですが、セラピードッグが活躍する場も増えてきました。
去年NHKスペシャルで「ベイリーとゆいちゃん」という番組を放送していました。
ベイリーという病院のセラピー犬が、入院中の子供たちに寄り添って、子供たちも癒されたり励まされたりしているドキュメンタリーでした。
ゆいちゃんも、手術を受ける前の不安な気持ちをベイリーと共に過ごすことで癒されていました。
生き物には「癒しの力」があります。
犬や猫と触れ合うことで、心穏やかになったり、希望を見いだせたり、慰められたり…
わが家にも犬がいますが、どれほど助けられたかわかりません。
落ち込んだらそばに寄り添っててくれたり、子どもが涙を流していたら、涙をぺろぺろなめて慰めてくれたり、一緒に遊んで励ましてくれたり。
何より、その存在自体に癒されてきました。
ペットを飼いたいけれど犬や猫を飼うのが難しい場合は、うさぎやハムスターや小鳥等の小動物や魚などを飼うのもいいかもしれませんし、猫カフェや動物園に行くのもいいかもしれません。
動物の写真や動画を見るだけでも、幸せホルモンのオキシトシンが出るともいわれていますので、そういうのを活用するのもいいと思います。
(世の中には動物嫌いの人もいると思います。そういう人にはごめんなさい。気にしないで読み飛ばしてください。他の好きな事で癒されると思います。心地いい事が癒しに繋がると思います)
動物を飼う事は幸せですし、おすすめですが、責任を持って飼ってください。
ペットから得るものは大きいですが、同時にペットを幸せにする責任も大きいです。
手間や時間もかかりますし、病気や怪我もあります。お金もそれなりにかかります。
犬や猫の場合、だいたい10~15年生きます。猫の場合は20年近く生きる子もいます。長い期間、お世話する覚悟が必要です。
保護犬や保護猫を引き取る場合で、成犬、成猫の場合は、寿命までの期間は短くなるかもしれませんが、心に傷を負った子も多いので、特に心して幸せにしてあげて欲しいです。
もし長生きできたとしても、それでも寿命は人間よりは短いですから、お別れのつらさもあります。
犬や猫を飼おうと検討される方は、「犬の十戒」、「猫の十戒」を読んでみてください。
他のペットを飼う場合も、まずはそれぞれの寿命や特性等をよく調べてみることをお勧めします。
とは言え、「ボブという名の猫」の場合も夏目漱石の場合も、準備して飼った訳ではなく、成り行きに近い状況で、猫の人生(人生じゃなく、にゃん生?)を引き受けた感じです。
「縁」があって、一緒に暮らすようになった、というところでしょうか…
そういう出会いもあります。
「家族になる」という意味では、結婚と似てるかもしれません。
大事なのは、最後までお互い幸せに暮らしましょう、ってことですね、きっと。