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4 英文法は、まったく勉強しなくて大丈夫でした。

今はNHKラジオでも、「小学生の基礎英語」があるそうですが、娘が始めた15年くらい前は中学生向けのものしかなく、小学生にはちょっと厳しいものがありました。

「最初の週に、Pencil sharpner(鉛筆削り)っていう長い単語を見た時、ちょっと心が折れた。」

と最近になって娘が言っていましたが、 出てくる単語や解説も当然中学生向け。
4〜5月は文章的にも簡単なのでついていけるのですが、だんだん難しくなり、文法という恐ろしいものが徐々に顔を出してきます。

「名詞」「動詞」ですでに難しいのに、「助動詞」「副詞」 なんて日本語は、特に優秀でもない小学1年生には理解不能。
「3人称単数」となると、もうお手上げでした。


最初はあんなに楽しそうにやってたのに、日々、ラジオを聴いている娘の顔が暗くなってきて、ついには
「先生の言ってることがわからない。」
と泣き出しちゃったのです。

「中学生向けだもんね、難しすぎるよね〜。」
と慰めつつ、このまま続けるかどうするかの分かれ目だなと感じました。


かといって、ラジオ講座の一番簡単なものは「基礎英語1」だけ。

「難しいことはわからなくてもいいから、ただダイアログ(会話文)を聞いて、今までと同じように口に出してればいいんじゃない?」
と言ってみると、娘はしぶしぶ
「じゃあそうする。」
と。


なぜそんなにラジオ講座にこだわるかと言うと、なんといっても月にワンコインのテキスト代だけで、安くて効率がいいことです。
そして、いかにも英語学習のための取ってつけた設定ではなく、日常によくある自然なシチュエーションでの会話文なのも、想像しやすく覚えやすいからでした。

週に1回、けっこうな料金を払って英会話教室のレッスンに通っても、それだけではあまり話せるようにはならないことは、多くの方が体験済みですよね。
あ、いえ、 営業妨害をするつもりはありません。
この後、「私が」英会話教室にお世話になることになりましたから。


外資系の会社で働いている友達にも聞いてみたら、
「周りの英語を話せる人たちは、毎日15分ラジオ講座で勉強するのが一番身につく、って言ってるよ。」
と言います。

言葉なので、少しずつでも毎日継続してやっていく、っていうのが大事なんじゃないでしょうか。

それで、半泣きしながらも、とりあえず娘は基礎英語を続けることに。
そもそも自分がやりたくて始めたことなので、もう難しいことは理解できなくていい、と割り切ってしまうと、それまでと同じように、また楽しく会話を覚えて暗唱する日々に戻っていきました。


実は、この「3人称単数」をあきらめた時点から、アメリカの大学受験を通しても、娘は文法の勉強をしたことがまったくありません。
中学から特殊な教育の学校に行くことになるんですが、そこで学んだ英文法と言えば、名詞とか動詞とかいったレベルのことだそう。

日本の英語教育の中でものすごく重点が置かれる、「SVOC」だの「強調構文」だのといった山ほどの英文法は何も知らないまま、ただ英語を聞き、話し、読み、書く中で、正確な英語が体に入っていきました。

おかげで文法嫌いになることもなく、難しいことを覚えることもなく、言葉として楽しく英語を身につけただけ。
私たちが日本語を話したり書いたりする時、「時制の一致をさせよう」とかいちいち考えなくても自然にできるのと同じ感覚です。


ちなみに、SAT(アメリカの大学入学の共通テスト)の英語にも、文法力を問われるセクションはありますが、そこで言う文法(Grammer)の問題とは、

「ここの "this" が指しているのは、次のうちどの部分か?」

みたいな、文章を的確に把握し、理解できているかどうかを問うようなもの。

日本で言う文法とはちょっとイメージが違うようで、日本人の中高生が必死で、「不定詞」だの「分詞構文」だのと格闘しながらテストを受けているのが、アメリカ人にとっては
「何それ? 何のこと?」
って感じのようです。

一応娘にも
「不定詞って知ってる?」
と聞いたら、
「何? ふていし?」
でした。

石の話だと思ったかも。


私も、高校の時の文法の授業が大嫌いで英語離れしてしまった感があるので、もったいないというか、なんか日本人はとても遠回りしている気がするのですが・・・。


そうして娘は小学1年生で「基礎英語1」が終わり、2年生から「基礎英語2」になっても、文法は無視、ただ一緒に発音する日々は続きました。


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