余生は想い出漬けの計
そろそろ、想い出漬けについて話したい。
その瞬間その瞬間を目に焼き付けたい。
忘れてしまう出来事だったとしても、記録より記憶に残したほうがよい。
と考えている。
しかし、子の成長をみているとついつい写真や動画で残したくなる。
妻がつくってくれた成長アルバムを見返しては現在との違いに驚いたり、忘れていた記憶が呼び起こされる。
撮りためた写真や動画はクラウドストレージにも保管している。スマートフォンが普及しはじめた15年くらい前の写真を即座に引っ張り出すことができる。
この調子で写真や動画が毎年蓄積していく。
数十年後には膨大な想い出がデータとして積もっているだろう。
数十年後の未来、この膨大な想い出をどうやって楽しんでいるかを想像する。ハリーポッターの世界にでてくる「憂いの篩」という魔法の水盆を思い出す。うれいのふるい。
憂いの篩|魔法ワールド|ワーナー・ブラザース (warnerbros.co.jp)
過去の記憶を水盆に保存できる。特定の記憶を鮮明にしたり、他の人に記憶をみせることができる。
憂いの篩のように、VR的なゴーグルをつけ、なんかこう近未来的なベッドに寝転がり、目の動きとまばたきで年代や人物を選ぶと過去の写真と動画から補完したそのときの記憶に五感を伴って没入できる装置が開発されているに違いない。そんな風にこの長年のデータを活用できたらすごく楽しい。
好きなときに好きな記憶に没入できる。
余生は想い出漬けの計である。
これが幸せなのか、という問いもまた没入できそうである。
なにとぞ。
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