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ののうの野

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【初回のみ有料】磐城まんぢう書き下ろし小説『ののうの野』を不定期掲載しています。 時は戦国、かつて信州祢津地域に実在した”ののう巫女”集団にスポットを当て、戦乱に巻き込まれていく…
学術的には完全否定されている”女忍者(くノ一)”の存在を肯定したく、筆者の地元長野に残る様々な歴史…
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#巫女

第14話 口寄せの妙術

 何処へ向かっているのだろうか?
 往く先に何が待ち受けているのか? 奈落の底か? それとも常若の楽土か?────前を歩く才蔵の背中は何も教えてくれず、その道のりは永遠に続くのではないかと思われた。ただ一つだけ分かっていたとすれば、足を一歩進める毎に帰るべき道が確実に消えていくという事だった。
 「ねえ、どこまで行く気?」
 「誰もいない山の中だ。黙ってついて来い」
 と才蔵は言う。しかし不思議と

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第13話 相模の方(かた)様

 巫女の一日は未明の水垢離から始まる。それは旅歩きをしている時も同じで、水で身体を清めたあと、巫女たちは組頭巫女の対面に正座し、祭文を復唱してから口授で教えを受ける。そしてようやく朝餉を食し、食事が済むと神事舞太夫はその日の口寄せ回りの予定を伝える。依頼がなく時間が空く時などは、こちらの方から飛び込みで家々を訪問し、今で言う訪問販売的な事をして仕事を取ることもままある。
 翌朝、巫女らを集めた丸山

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のゝうノ野~はじめに

忍者ほど魅力に溢れた存在はない。
筆者がその魅力に取りつかれたのはずいぶん昔のことであるが、司馬遼太郎氏の『風神の門』などは、いわゆる真田十勇士の中心的存在である霧隠才蔵とか猿飛佐助とか、およそ明治・大正期に誕生した忍者ヒーローを昭和に生まれ変わらせた傑作だと思っており、それ以降も忍者は様々に形を変え、品を替え、次第に世界的人気を獲得して現在に至っている。

そも忍者の本質を探るに、それは「生き抜

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