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グローバルなHR Techのトレンドから企業が取り組むべきポイントを考えてみた -2020
2020年11月に開催されたHR Tech Conference 2020で発表されたグローバルなHR Techのトレンドから企業が今後どのようなことに取り組んでいくべきか考えてみました。
イベントの3日間は主な発表を視聴したり、Twitterで追いかけたりしてました。
#HRTechConf 時差であまり見れないけど少しずつキャッチアップhttps://t.co/RO2f0yly5V pic.twitter.com/4mwNiTF1rs
— Shohei Iwata (@iwacciii) October 27, 2020
HR Tech Conferenceで発表された5つのトピック
Conference全体で発表された内容をすべて取り上げるのは難しいので、主にJosh BersinのKeynoteからトレンドを掴んでいきたいなと思います。
1. HR TechからWork Techへ
今年の発表の中で最もキャッチーなトピックだったかなと。大きな社会環境の変化があり、ビジネスも急速に変化していくなか、中央集権ではなくより現場レベルでのマネジメントが求められるようになったということかなと思います。
個人的にも実感はありますが、これまでに比べて現場の個々で抱える課題が細部化していく中で、それらを彼ら自身がマネジメントできて、パフォーマンスするための環境や仕組みをサポートすることの重要性がより増しているように感じます。
また、「HRだけ」で解決できる課題は本当に少なく、部門を横断した全社の取り組みとしてパフォーマンスしやすい環境を整えていくことが重要になってきています。
2. HR Action Platformへの進化
昨年に引き続きですが、個人的には最も関心があるトピックでした。EX(Employee Experience / 従業員体験)の重要性が叫ばれて久しいですが、これからは従業員の声を集めて課題や改善に対応していくだけでなく、nudge(ナッジ)と呼ばれる「より良い行動を促すレコメンド」を行っていくという内容です。
たとえば、サーベイの結果や評価で「成長実感」に課題があると分かれば、新たなラーニングコンテンツや社内のシニアレベルとの1on1をレコメンドする、などといった仕組みです。
これはさまざまな人事データが集まるとより高い精度のレコメンドがしていける世界が予想できますね。まだまだ実際に取り組めている企業は多くないと思いますが、来るべき未来として挑戦していきたい領域です。
3. ジョブベースからスキルベースに
世間ではジョブ型が騒がれていますが、ビジネス環境の急速な変化に対応するためにより詳細に「Job → Role → Capabilities → Skills」を把握して、それを開発していくことの重要性が話されました。
今後はプロジェクトベースでの働き方がより増えていくことを考えるとスキルベースでの人材把握は必須になりますね。
そして、スキルベースの把握が行えるとラーニングによって適切なスキルを新たに獲得することができます。「Upskill」や「Reskill」がトレンドになっていますが、これからは変化に対応するための外部採用だけでなく、内部人材の成長により目が向けられていくと思います。
4. 社内外問わないタレント活用へ
これもまたビジネス環境の急速な変化に対応するためには必須の取り組みになってくると思います。外部のタレントという意味では副業の活用が広がっていますが、同様に社内でも部門を越えたプロジェクトベースの働き方を促す仕組みが整い、社内外の境界線が溶けていく未来が予想されます。
また、この動きを推進していくためにも上述したスキルベースでの人材やジョブの把握がより重要になってきますね。
5. 高い次元のウェルビーイング
最後はやはりウェルビーイングですね。社会が成熟していき、高いレベルのやりがいを求める流れが加速しているように思います。
ウェルビーイングというと心身の健康という文脈で話されることが多いですが、そこからビジネスパフォーマンス、社会貢献へとつなげていくことが重要になってきます。
「ソーシャル・エンタープライズ(社会的企業)」というキーワードを耳にすることが増えましたが、まさに社会的意義のある事業を成功させるための戦略と人材戦略をストーリーとして示していくことの重要性がこれまで以上に増していくと思います。
HR Tech活用のカギを握るのは人事データ
HR Tech Confの発表内容を受けてHRテクノロジーの最新動向や活用のポイントについて話すイベントで以下のような内容を話しました。
簡単にサマると
・HR Techを活用するためには人事データの整備が超重要
・人事データの活用には6つのステップがある
・プロセス構築とシステム化に投資してメンテナンスし続けることが大切
というような内容です。活用のステップを進めていくためにまだまだ準備中…!という段階ですが、少しでも参考になれば幸いです。
一緒に勉強する仲間を募集したら一瞬で集まった
実はこういった主に海外のHR Techを調べてその背景や活用方法を考えることが個人的な趣味でやってたんですが、「これ仲間を集めてやったらおもしろいんじゃない?」ということでnoteサークルを立ち上げてみたら1日足らずで10人の仲間が集まってかなりびっくり&ワクワクしているところです。
少なめの人数でやった方が良さそうかなと思い、予定の10人で一旦締め切ろうと思いますが、引き続き参考になりそうな情報を発信していきたいなと思っているので、フォローいただけるとうれしいです。
Appendix的に。他にも気になるトピックがたくさんありました ↓
"求職者の大多数は仕事を探す際に多様性を考慮していることがわかっています。"
— Shohei Iwata (@iwacciii) November 5, 2020
今後ますます企業が注力すべきポイントになっていきそう。多様性が考慮されている=自分自身と組織がパフォーマンスしやすい環境がある、ということだから、新しい仕事を探すときのポイントになるのは必然 #HRTechConf https://t.co/YcwWpq1wyM
D&Iを特別なものではなく環境の一部として、そして自然と良い意思決定やコミュニケーションができるように設計(いわゆるナッジ)していくことが重要。ここはまだまだできる領域 #HRTechConf https://t.co/lNsxfk0q2c
— Shohei Iwata (@iwacciii) November 5, 2020
いわゆるサービス・プロフィット・チェーンの考え方だと思うけど、テクノロジーによって顧客と従業員の距離が近くダイレクトに影響するようになり、従業員体験(Employee Experience)がより重要になってきている #HRTechConf https://t.co/k0KYTsc6Nx
— Shohei Iwata (@iwacciii) November 5, 2020
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