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あなたのつくる野球が好きだ、と心から感じた夜

つい先週支配下に登録されたと思ったら、早速登板機会が与えられた。

ものすごいチャンス。

正直いうと期待していなかった。
というか、彼が投げる時に期待していたことなんて今までないかもしれない。

私はただ、彼が野球に向かう姿が好き。

そんな彼を見ていれば、期待なんかしなくて、楽しみだね、大丈夫だねってそんな感情になっているのかも知れない。

勝負は巨人戦

予告先発が発表され、彼の師でもあり、日本のエースとも言われる菅野くんとの対決であることが確実となった。そう、相手は10年間在籍した古巣で、一緒に自主トレに行っていて、”強いピッチャー”のあれこれを教えてくれた先輩だった。

そんな大先輩の登板と、彼の新天地一発目。
正直、どっちの監督にもなんで今日なの!と思ってしまった。

彼の初登板のために晴れたハマスタ

ホームグラウンドとなった横浜スタジアム。9月上旬なのに肌寒かったその日、彼の投球から試合が始まった。

1回いきなり2点取られる。

しかしその後はなんだか調子が良さそう。
2回は三者凡退。
3回は菅野くんのヒット1本。

まずまず良さそう。
4回はランナーを1.2塁にためるも、三振とダブルプレーでアウトをとった。これが私の好きな彼!いいところに打たせてアウトをとる、ダブルプレーなんて最高だ。

そして5回。またも菅野くんにヒットを打たれるもきちっと打たせてとるピッチングで抑えきる。

この時点で76球。5回76球なんてとってもいいじゃないか!

その裏、ベイスターズは一挙7点をとった。彼の打席にも代打が送られ、3ランホームランなんて盛り上がりしかない展開だった。

彼は勝利投手の権利を手にしたまま5回でマウンドを降りることとなった。

結果は7安打2三振四球1失点2

よくないですか?昨年戦力外にされて、トライアウトでも声がかからず、NPBに復帰できたのは開幕の近づいた3月。
3桁の背番号、育成選手から再スタートしたにしてはとってもいい結果ではないですか?

(このレポ、ベイスターズの愛に溢れているのでぜひ。)

私には彼が楽しく野球をしてくれることがすべてなので、とにかく嬉しかった。

4年ぶりの勝利へ

そして試合が終わりに近付くにつれて、解説の人は彼の勝利に向けて話をしてくれるようになった。

彼は中継ぎをしていたので勝利を手にすることはあまりなかった。最後に勝利したのは2017年7月12日。先発に復帰した年のことだった。
現地に行っていたので、その試合のこともよく覚えている。

あの日の勝利から早4年。ガラッと変わった世界でまた彼は新しい勝利を手にしようとしていた。

野球を見ていると、よく、野手に味方されるとか、頑張っている投手の気持ちに応えたかったとか聞くことがある。

ピッチャーが好きな私からすれば、それもピッチャーが呼び込むと思っている。

野球は流れとも言われたりする。
ピンチを守り切った後は流れがきているから点を入れたいよね、とか。それも守ること、攻めることが繋がって野球であることを表していると思う。

彼の新天地での初登板。古巣相手。まったく意識しないでいつも通り勝利に向かって戦ってほしいという気持ちもある。
同時に、そんな彼のチャンスを励む理由にしてほしいとも思う。

初登板に「絶対に彼に勝ちをプレゼントするんだ」と試合に挑んでくれたチームメイトに感謝しかない。全員がそういう思いがあったから勝ちに繋げられたと楠本選手が話してくれた。
彼は、このチャンスを逃すまいと真剣に野球に向き合い楽しんだ。その姿がチームメイトを奮起させていたならすごく嬉しい。

この勝利は、彼の思いがたくさんの人に通じたからだと思ってしまう。

1日でも長く野球を続ける

無事に試合はDeNAの勝利で幕を閉じた。

試合終わり、三浦監督に肩を抱かれ、ウイニングボールを掲げて笑う姿は、初勝利をおさめた高卒ルーキーのようだった。

彼が無邪気に、そして丁寧に野球に向き合うからこそ、全員が味方してくれた。

5年以上ぶりのヒーローインタビューは涙なしには見られなかった。(今見ても泣く)

彼はいつも、チームの勝利の話をする。周りの人、チームのことを一番に考えられる人だ。

「粘り強く投げていたら、野手の方が打ってくれると思っていたので、粘り強く投げることを心がけて投げました。」
「投げられる喜びだったり、マウンドに立てる喜びっていうものを噛み締めながら、一球一球投げていました。」
「粘り強いピッチングができるように、一試合でも多くチームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います。」

これからも、野球が楽しい、ってその気持ちで1日でも長く野球を続けていてほしい。

新しい場所で、チームメイトにもファンにも歓迎される愛されるあなたが本当に好き。

ひとつひとつに丁寧に向き合うあなたの野球がすごく好き。素敵な時間をありがとう。素敵な試合をありがとう。

新天地での初勝利、本当に本当におめでとう!!!

I ☆ YOKOHAMA

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