褒める(褒められる)のが苦手です
みなさん、こんにちは。井内 正博です。ご訪問いただき、ありがとうございます。
お困りごとファイル007は「褒める(褒められる)のが苦手です」。
一昔前は、部下や後輩を「褒める」ことによって、モチベーションを上げてもらい、成果を上げてもらうという研修が主流でした。ところが最近では「褒められる」ことにプレッシャーを感じる若手社員が多いということで、どうやって褒めたらいいのか分からないというお悩みを耳にすることが多くなりました。
若手が感じるプレッシャーの原因の一つに、「人前で褒められることが恥ずかしい」というのがあります。人の居ないところでならいいが、人前では嫌だと。つまり、そういう部下や後輩には「誉める」のではなく「褒める」をすればいいのです。漢字で書くだけでその違いがお分かりになると思います。
実は以前から、「褒められる」ことが苦手という人はたくさんいました。私たちは、なぜ、褒められることに苦手意識を持ったり、モヤモヤを抱えたりするのでしょうか?
たとえば大袈裟に褒められたりすると、なんとなく胡散臭い感じがします。また、自己評価以上に褒められたりすると、なんとなく冷めた気分になります。そこには、なぜか素直になれない自分がいるのが分かります。これではいけないと思い、「もっと素直になろう」と思ったりもしますが、褒められたことを素直に喜びすぎると「おめでたい奴だなあ、お世辞だよ」と陰で言われているのではないかと疑ったりしてしまいます。人間の心理は、なかなかに難しいですね。
「褒める」という行為が、「あなたは素晴らしい」「よく出来ました」というふうに、相手を評価する感じになってしまうと、なんとなくコミュニケーションがギクシャクするのです。
褒める側、褒められる側、それぞれに複雑な心理があることを理解しつつ、こんな方法を試してみてはいかがでしょうか?
それは「感謝する」です。
相手が何か褒めるに値する言動をしたとき、たとえば
「周りの事を考えて行動できるあなたは素晴らしい」
と褒めるのではなく、
「いつも周りの事を考えてくれて助かってるよ。ありがとう」
と感謝の言葉に変えてみます。
これなら自分も相手も比較的モヤモヤすることが少なくなります。その理由は、「感謝する」というのは、決して相手を評価する行為にはならないからです。言われた方も、感謝されて嫌な気持ちにはならないでしょう。
単純に自分の気持ちを伝えているだけなのですが、これがコミュニケーションの真髄です。コミュニケーションというのは実に奥深いですね。
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