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学びをひろげる。

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読書メモ:一読し終えてから、ざっと再読しつつ本の内容を圧縮して、自分用のメモを作りました。そのため文章は本からそのままの形の引用ではなく再構成してあり、括弧なども書き加えています。
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#科学

読書メモ:M・ミッチェル・ワールドロップ『複雑系 生命現象から政治、経済までを統合する知の革命』第5章〜第9章

コンピュータ科学者のジョン・H・ホランドは〈適応〉に関する講演を、サンタフェ研究所で行った。

経済は〈複雑適応系〉の好例である。自然界におけるそのようなシステムとしては、脳、免疫系、エコロジー、細胞、発生中の胚、蟻の巣などがある。人間の世界においてもまた、政党とか科学界といった社会的、文化的システムがある。これらにはどれも共通する特性が見られる。

第一、〈複雑適応系〉のシステムは並行的に作用す

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読書メモ:M・ミッチェル・ワールドロップ『複雑系 生命現象から政治、経済までを統合する知の革命』第1章〜第4章

1977年のノーベル化学賞受賞者であるイリヤ・プリゴジンは、「なぜこの世には秩序と構造があるのか? それはどうして生まれるのか?」を問いとして掲げた。そして〈自己組織化〉という発想を持ち出した。後にサンタフェ研究所に参加する物理学者ブライアン・アーサーはプリゴジンの著作を読み、多大な影響を受ける。

〈自己組織化システム〉は自己強化に依存している。つまり「条件が整っていれば、小さな影響が除去される

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読書メモ:フリッチョフ・カプラ『ターニング・ポイント』第2章「ニュートン物理学と機械論的世界観」

西洋における「中世」では、精神的な現象と物質的な現象がたがいに依存しあっていて、自然の秩序を理解し調和することによる、理性と信仰に根ざした科学があった。科学者や哲学者は物事を〈予測〉したり〈制御〉するのではなく、物事の〈意味〉や〈意義〉を理解しようとしていた。
また、社会は個人に優先していた。アリストテレスとカトリック教会(トマス・アクィナスがアリストテレスの自然体系とキリスト教神学を結びつけて体

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