江戸っ娘の着物日和 vol.8: ワンピースとして
暑かったり、大雨が降ったりと体がついて行けない気候が続いていますが、みなさまお元気でしょうか?
せっかく雨が降るなら夕立のようにザッと降って、夜は寝られる気温になってほしいものですが、最近はひとたび降れば川が氾濫、夜もムシムシ熱帯夜で辛いですね。。。
そんなある雨の日。この日も雨が降ったり止んだりで、降っている時間帯はバケツをひっくり返したような雨でした。夕方、お出かけする予定があったんですが、洋服なら長靴の合うコーディネートと思ってあれこれ思いをめぐらしていました。
でも、決まらない・・・
あれこれ考えているうちにだんだん嫌になってきてしまって、「もう浴衣でいいやー!浴衣なら洗えるし、足元濡れてもすぐ乾くし、決まりっ!」ってな具合で洋服は諦めました(笑
たしかに着る時間でいえば、洋服って一瞬なんです。
でも・・・アイテム数が多い・・・
特に女性の場合は、ボトムス・トップス・靴・ネックレスにイヤリング、さらには髪形など、組み合わせは無限大っ!
その中で最適解を考えるのって着替える瞬間よりも時間使ってます^^;
今でこそ、江戸っ娘は在宅勤務ですが、コロナ禍前は皆さまと同じく、毎日出勤してました。その時は大概、前夜に次の日の予定を考えてコーディネートを決めていました。
そうじゃないと江戸っ娘の場合は、悩んでしまって朝すぐ着替えられないんですよねぇ・・・
一方で浴衣の場合、決めるのは基本的に浴衣本体と帯だけ!!
帯結びによっては帯揚げ・帯締めも必要ですが、ワンアイテム増えるくらいならなんでもない。
感覚でいえば、ワンピースに近いかもしれません。
ということで、着る時間は洋服の方が短いかもしれませんが、コーディネートを考える時間を入れると洋服の方が圧倒的に長いんです。
で、この日の浴衣は、雨に気分がつられ、青地に梅とウサギ模様。
帯は見た目涼やかにミンサーの半幅帯です♪
ミンサーは沖縄の帯です。
木綿で織られていて、いくつかの特徴的な文様があり、遠目からでもそれとわかります。
色の組み合わせはかなり幅広くありますが、個人的に感じているのはどれも涼しげな組み合わせが多いのが南国の物っぽくて気に入っています。
この日の浴衣はどこで買ったのか覚えていないのですが、お仕立てはしてない市販品です。卯年生まれなのもあり、ウサギ模様が気に入ってます。
一般的に青地もしくは紺地の浴衣では朝顔柄が多いですが、そうではない点がまた日常使いしやすくて、重宝しています。
帯結びはどうしようか悩んだのですが、おしゃれするようなお出かけ先ではなかったので、日常使いに適した貝ノ口、通称男結びです。
なぜ、男結びというかというと、男性が良くする帯結びだからです。男性の結ぶ角帯だと非常に簡単に結べます。
一方で女性が半幅帯で結ぶ場合は、一工夫いります。それは帯の幅が角帯よりも広いので、帯だけでは締まりきらず、帯の形が崩れてしまったり、帯自体が緩んでしまう可能性があります。
そのため、帯締めで形を決めます。
この日の帯締めはオレンジ色。
洋服だと反対色ってすごく派手になってしまうんですが、着物だと難なく合ってしまうのが、これまた不思議。
青とオレンジもそうですが、他には紫と緑なんかもそうですね。
着物だと自然の植物を連想させるため、違和感がないのでしょうか・・・本当に不思議です。
そうして意気揚々と出かけたのですが、やはり想定通り駅までの間に雨に降られました^^;
お出かけ先は駅直結の駅ビルおよび地下街だったので、電車乗って以降は何てことはありませんでした。そして、これまた想定通りあちこち歩き回っているうちに下駄をはいた足も浴衣の裾もきれいに乾きました♪
ただ、困ってしまったのは、浴衣でも着物でも着ているといろいろと声をかけていただくことが多いのですが・・・・・・
「洋服考えるのがめんどくさくて浴衣にしちゃいました」
とはおほめいただいている中、言いにくい!
非常に申し訳なくて言いにくいんです!
元々、日本人の日常服だったとは言え、これほど着物を着る人が減ってしまった現代においては仕方ないのですし・・・
洋服が面倒で浴衣来てるなんて、斜め上も超斜め上の回答でしょうから、言われた側も想定外すぎて困ってしまうでしょうけど・・・
でも、お手本になるかはわかりませんが、着物って敷居が高いって思っている方にはぜひ、こんなに気軽に着られるものなんだよってことを知っていただけたら嬉しいです。
特に浴衣はお家で選択できるものがほとんどなので怖がらずにまずは着てみていただけたらと思います。
ちなみに帰りもかなり雨に降られたので、開き直って裾をたくし上げて歩いてました(笑
多分、江戸時代もそれ以前も道路は舗装されてないので、女性だってテレビドラマのように品行方正な歩き方はしてなかった・・・はず・・・です^o^
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