縁もゆかりもない大学で展覧会を開いてもらった話【現代4コマ展】
縁もゆかりもない大学での展覧会が実現した舞台裏
こんにちは、いとととです。
今回は、思いがけない展開で実現した展覧会「現代4コマ展」についてお話しします。
はじめに
私は、漫画という枠にとらわれない4コマ 、「現代4コマ」を考案し、これまで様々な作品を発表してきました。
ちなみに、現代4コマは誰でも作ることができ、Xで投稿したり、現代4コマアカウントに応募したりして、作品を発表できます。他の作家たちからも、数々の名作が生まれています。
個展のきっかけ
現代4コマはインターネット上でじわじわ反響があり、やがて「現代4コマを現実の世界でも展示して、もっと多くの人に楽しんでもらいたい」と思うようになり、個展を開催することにしました。
個展は多くの方にご来場いただき、大盛況のうちに幕を閉じました。
その成功を受け、もう一度、個展を開きたいと考えました。
しかし、とある問題に直面します。それは、会場費用です。
個展は、会場を借りるだけで、数万から数十万円が必要になります。
そう簡単に何度も開けるわけではありません。
通常なら資金を貯めるところです。しかし僕は考えました。
「どうすれば、もっと手軽に展示ができるだろうか?」
そんな悩みを抱えていた時、ふと一つのアイデアが浮かびました。
「学園祭なら、費用を抑えて展示ができるんじゃないか?」
これはいいアイデアかも……!!
しかし、ここで問題が発生します。私はすでに学生ではありません。自分が関係していない学校で展示を行うなんて、普通は不可能です。
「いや、ほんとうに不可能だろうか……?」
Twitterでの呼びかけ
2023年6月3日、私はTwitterで呼びかけました。
この呼びかけに反応してくれる人がいるのだろうか?正直、あまり期待していませんでした。
ところが、約1ヶ月後の2023年6月30日、私の元に一通のDMが届きました。
「こんにちは。僕の大学の学祭で現代4コマ展を企画したいと考えているのですが、大丈夫でしょうか。」
なんと、DMが届きました。
現役の大学生から「うちの大学の学園祭で現代4コマ展をやりたい」との提案が来たのです。私はすぐに承諾しました。
しかし、まだ企画が実現するかどうかは不明でした。学校側の許可が下りるかどうかが分からなかったからです。
そして待つこと数ヶ月。2023年9月12日、再び連絡がありました。
「こんにちは。学祭で現代4コマ展、開催できそうです!連絡が遅くなってすみません。」
ついに、開催の許可が下りたのです!
私はとても嬉しく思いました。この展示は、提案をしてくれた学生(以後、謎の男・朋哉と呼ぶ)とのグループ展という形で進めることになりました。
展覧会名は「現代4コマ展in湘南」。
素晴らしいフライヤーも完成し、仲のいいフォロワーのんぷとら(トランプ)もこの話を聞き付け、彼自身の4コマ作品を展示することになりました。
こうして、学園祭での現代4コマ展が正式に決定しました。
学園祭、当日
学園祭は湘南で行われるのですが、私は愛知にいるので新幹線で向かいました。
最寄りの駅に到着し、えっちらおっちら歩き、大学で開催されている現代4コマ展に到着しました。
まず何よりも驚かされたのは、この企画を提案してくれた大学生が、すべてのセッティングを担当してくれたことです。彼の尽力によって、私の作品と彼自身の作品が、会場全体にわたって効果的に展示されました。その情熱と行動力には、ただただ感謝の言葉しかありません。
来場者の層の広さにも、また驚かされました。子供からお年寄りまで、幅広い年齢層の方々が足を運んでくださり、現代4コマの魅力が世代を超えて伝わったことに、大きな喜びを感じました。
特に大きな反響を呼んだのが、「ベートーヴェンの4コマ」でした。
この作品は、音楽と視覚表現の融合がテーマです。
4コマを使い、ベートーヴェンがジャジャジャジャーンの音を思い付いた瞬間を表現しています。
多くの方々が、この作品の前で立ち止まり、何度も見返していました。
音楽という聴覚的な芸術を、視覚的に表現することの可能性を、この作品は見事に示したのです。
もう一つ、来場者の度肝を抜いた作品が「バナナの4コマ」です。
この作品、「バナナを壁に貼っただけ」という現代アート作品のオマージュなのですが、元ネタを知ってると思わず笑ってしまいます。
元ネタの作品はバナナを一つ貼っただけの作品ですが、なんと1,600万円で購入されました。
つまりこれは、バナナが4つなので、4倍の6,400万円……
そしてこの作品は、最終日に来場者の皆さんと一緒にそのバナナを食べるというフィナーレを迎え、その様子自体を新たな作品として記録しました。この体験は、4コマの概念を拡張する素晴らしい機会となりました。
参加型の展示
また、来場者が思い付いた4コマをその場で描けるコーナーもありました。
皆さんが描いてくれた、様々なユニークで面白い4コマが展示をさらに盛り上げてくれました。
さらに、感想ノートも設置しており、来場者の皆さんがたくさんの嬉しい感想を寄せてくれました。
無事終了
こうして、学園祭で開催された現代4コマ展が無事に終了しました。
多くの方々に足を運んでいただき、この展示をきっかけに現代4コマに興味を持ってくれた人も増えました。感無量です。
大学での現代4コマ展を終えて
今回の展示会は、私の予想を遥かに超える成功を収めました。学園祭という場所で展示をするというアイデアは、費用の問題を解決するだけでなく、様々な人々と直接交流できる効果的な方法でした。新しい場所での展示を通じて、現代4コマがさらに多くの人々に届いたことは、何よりも嬉しい成果です。
この現代4コマ展では、老若男女問わず、世代を超えて多くの方々が現代4コマを楽しんでくれました。どの世代からも「新鮮」や「面白い」といった感想が多く寄せられ、現代4コマが世代を超えて人々を繋ぐ表現方法となる可能性を強く感じました。
そして、この経験を通じて、アイデアを形にすることの重要性を改めて実感しました。何気ない思いつきが、時には予想外の結果を生み出し、新たな可能性を開くのだと実感しました。
今後もこのような機会があれば、さらに多くの展示会を開催したいと考えています。現代4コマの可能性を、より多くの人々と共有していきたいと思います。
最後に
マッスルコンテスト、何があったんだよ。