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「神経質性格」がすべて当てはまってて震えた 〜森田療法について
寝る準備をしながら興味本位で開いた「森田療法」に関する講演動画に、自分の悩み方や心の動きを言い当てられ、心当たりがありすぎて打ち震えている。
先取りすると、「神経質性格」という神経症症状の原因となる性格の特徴3つすべてに自覚があり、患者が取りがちな行動も当てはまっていた。
今日は(今晩は)自分の理解のために、ざっくりと講演の内容をまとめつつ、自分の経験を振り返ってみます。4000字近くになりましたが、どうぞお付き合いください。
閲覧した動画はこちら。
概要欄より
第160回心の健康セミナー「不安・こだわりに縛られた生活から自由な生き方へ〜強迫・パニック症を通して・森田療法の考え方から学ぶ〜」と題して、久保田幹子先生(法政大学大学院教授)の講演の一部です。内容はパニック症に対する森田療法で、森田療法の考え方及び治療法を解説した内容です。
森田療法とは
動画のアップロード元である、公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団のHPより抜粋(太字は筆者によるもの)。
森田療法は、1919年頃に我が国の精神科医、森田正馬によって創始された神経症に対する精神療法です。森田療法は、対人恐怖や広場恐怖などの恐怖症、強迫神経症、不安神経症(パニック障害、全般性不安障害)、心気症などが主たる治療の対象であり、これまでに高い治療効果をあげてきています。また最近では、慢性化するうつ病やガン患者のメンタルケアなど、幅広い分野に有効と言われています。
森田療法とは、不安を抱えながらも生活の中で必要なこと(なすべきこと)から行動し、建設的に生きることを教え、実践させる治療方法です。つまり、「あるがまま」という心を育てることによって神経症(不安障害)をのりこえていくことが主眼です。したがって、生き方の再教育とも呼ぶべきものでしょう。
動画の内容まとめ
パニック症・神経質性格とは
パニック症とは、めまいや動悸、呼吸困難などの自律神経の症状とともに、激しい不安が発作的に起こること。そしてまた同じような発作が起こることへの不安(予測不安)に苛まれ、発作が起きそうな場所や場面を避けるようになる。
前述のような症状に襲われると、息苦しさや動悸などの自分の感覚に注意することで、むしろ感覚が敏感になり、より一層息苦しくなる。つまり、注意と感覚が相互に影響しあうこと(「精神相互作用」)が第一の原因である。
続いて第二の原因には、「かくあらねばならない」「こうありたい」という心の構えが厳しくなりすぎる傾向が挙げられる。
不安を「あってはならないもの」として排除しようとすればするほど、結果的に不安に執着し、悪循環にハマってしまう。こういった性質を生み出すのが、3つの「神経質性格」だという。
内向的、自己内省的
心配性、小心、敏感、細かいことにこだわりやすい
(その一方で)完全主義、理想主義、負けず嫌い
このような弱い気持ちと強い気持ちを併せ持っているからこそ葛藤が生じる(「思想の矛盾」)。
症例の説明では、「万全に整えようとする姿勢」「すぐに結果を出そうとする」「傷つき、失敗の回避」「曖昧さ、不全感の回避」といった特徴も挙げられている。
不安をなくそうとすればするほどどんどん不安が増していく、という感覚は神経症の患者の多くが自覚している。
発作自体よりも、予期不安によって自分の身体への注意を過剰に強めてしまうことが問題である。
対処法について
森田療法においては対処法まで提示されている。動画内では、患者にパニック発作の以下の3点の特徴を伝えることが挙げられている。
パニック発作の症状は死を連想させるが、実際に死に至ることはない。
パニック発作は数分から数十分ほど放置しておけば、自然に消失する。
無理に不安をなくそうとすることがより不安を強める。
その他の対応や心掛けとして、
発作におそわれている時には、周りの人からの声掛けで気を逸らされることで、いつの間にか症状を忘れられることがある。
目の前の問題に対して、完璧に準備しようとしすぎていないかを自覚する。
自分が嫌な思いをする場面や曖昧な状況に出会うことを受け入れる。
まとめ
不安や症状ではなく、不安に対する態度こそを問題として捉える。
自分が経験したくない感情を回避しようとする態度、不安に駆られて行いがちな行動を自覚すること。
「かくあるべし」の姿勢を修正していくことが必要。
自分の場合
神経質性格への一致
「神経質性格」として挙げられている3つともすべて思い当たり、ドキッとした。むしろみんなこれを抱えているわけじゃないのか、と改めて驚く。
いいかっこしいだと、自分でも思うし、母からも幾度となく「もっと弱みを見せたらいいのに」と言われる。ラジオパーソナリティの大先輩からも、仕事に対する価値観について何か「こうあるべき」にとらわれているように聞こえる、と指摘をもらっていた。
やや流行りが沈静化しているMBTIでは「仲介者(INFP)」と診断され、内容には納得するところがかなり多かった。
このタイプの説明として、「内省的」「繊細な気質」「自分を偽れない」「高い理想を持つ」と、まさに神経質性格に合致する特徴が挙げられている。
パニック発作の経験(現在進行形)
実はパニック発作もこれまでの人生で何度も経験している。とくにコロナ禍には、身体に敏感になっていたためか発症の頻度が高かった。
主なパターンはおおまかにこの3つ。
映画館や講演など、1時間半以上同じ場所に拘束される環境でトイレに行きたくなったらどうしよう。
電車や自動車の中や、アトラクションで吐き気を催したらどうしよう。
地震が起こって生き埋めになったらどうしよう。
おそらく昔を思い出せばもっともっとたくさんの具体例が出てくる。
1つ目の「トイレに行きたくなる」は、小さいころ漏らしてしまった経験から、数年間はトイレにすぐに行けない状況が怖くなっていた。
避難訓練や卒業式などの長時間の行事があると、不安から実際にはない尿意を感じ、周りの目を気にしつつ輪から外れ、トイレに向かう、ということが何度もあった。
いや、大学以降でも、映画館では通路寄りの席を確保したくなるし、途中で抜け出すことも少なくない。現在進行形だ。
2つ目の吐き気は、おそらく電車内で嘔吐する人を、短い期間のうちに何度か目撃してしまったことがトリガーだった。自分も気持ち悪くなったらどうしよう、人に迷惑を掛けたくない、という気持ちが、動悸を早め、呼吸を浅くし、首を絞められるような感覚を引き起こしていた。
ひどい時だと30分間の電車移動で2回も途中下車してホームで休みながら乗り継ぎ、結局1時間以上かかったこともある。
友人とのドライブで、序盤のうちに吐き気の予感によって吐き気を催し、道中で家の近所に降ろしてもらって帰ったこともある。
3つ目の地震への恐怖は、今年2024年にあった大地震で、初めて震度5を自分の身で経験したことがトリガーだ。
半年ほど経ってから最も被害の大きかった地域に家族と訪れ、その被害の大きさと逃れようのなさを目の当たりにした。そして、今一人暮らししている(おそらく)木造の家では一瞬で潰される、という予感に閉じ込められた。
体調とメンタルが弱った8月ごろには、不安と焦りのまま避難用の靴やヘルメットなどをネットで購入した。
そういえば他にも、電車内や人とすれ違う時に「自分の顔がニヤけていたら気持ち悪く思われそうだから気をつけないと」という思い込みも強い。顔が歪まないよう引き締めるが、より一層変な表情になっている気がして、徐々に体の制御がうまく効かなくなることもある。これは高校の電車通学から始まった症状で、現在進行形である。
唯一、車中での吐き気だけは、ある程度克服した。必要に迫られて何度も電車や車に乗ることで「そうは言っても結局吐かなかったでしょ?」と自分に言い聞かせることができている。
とはいえ、お酒を3杯以上飲んだ時には、密かにデフォルトで吐き気への恐れ(「予期不安」)が発動している。意識的に水をガブガブ飲み始めた時がサイン。
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こんなに赤裸々に書いてよかったのか、とも思うが、これが現状の自分だ。これまでになく筆が走った。これらの症状が少しでも和らぐことを期待して、森田療法を勉強しようと思う。
過去にも精神医学関連の本を読んだことはあったが、どこか他人事として見ていたように思う。近いうちにカウンセリングも受けてみたい。
近日中に読む本
実はこの動画には偶然たどりついたわけではなく、自分がよく読んでいる哲学者で作家の千葉雅也さんが、いくつもの著書の中で「森田療法」に言及しており、ずっと気になっていたことがきっかけ。
つい最近も読み直していた『ライティングの哲学』はまさに「書くこと」についての「かくあるべき」から抜け出すための試行錯誤が描かれている。
そんな中、3日前に職場近くの書店でこの新書を見つけた。その場では買わなかったが、家に帰ってからもどうしても気になってしまうので、早速メルカリで購入した。(書店さんすみません)
2〜3日中には届くと思うので、真っ先に取り掛かってみたい。ひさびさに、読む前からワクワクしています。