娘を諭す前に気をつけたいこと
先日、娘の担任の先生が日中こんなことがあったと話してくれた。
最近娘はAくんと仲が良い。その日はテラスに出てみんなで遊んでいて、娘はAくんと一緒にマットで作ったおうちの中で遊んでいた。
そこへBちゃんがやってきておうちの中に入ろうとしたところ、娘が「だめ!いまAくんと遊んでるの!あっち行ってて!」と言ったらしい。
これを聞いたとき、なんというかすごく複雑な気持ちになって、その日の帰り道に私は娘に「トトちゃん、"あっち行ってて" なんて言わないでさ、みんなと仲良くした方がきっと楽しいよ?」と言った。けれども娘は「ん〜」と少し上の空な返事。
そんな娘を見て私は、みんなと仲良くとかってのはまだ理解が難しいかな?と思っていた。
◇
そして数日後、保育園へ迎えに行ったとき。先日とは別の担任の先生が対応してくれて、なにかの流れで↑と同じ話題が出てきた。
「いやぁ、お友達にああいう態度をとったと聞いて、ちょっとショックでした」と私が言うと、「あの、でも、しょうがないかもしれないです」と先生が言った。
先生の話によるとこういうことだった。
最近クラス内で月齢によって遊ぶときの理解度に結構な差があり、月齢の高い子の間では通じる遊びのルールというか暗黙の了解みたいなのが、月齢の若い子ではまだ追いつかない部分があると。
で、例えば、先日も娘が時間をかけて積み木を並べていたところにまだ月齢の若いBちゃんが現れて、容赦なく全部破壊、娘ギャン泣き、ということがあったそうだ。そしてそういうことが何度かあったから、娘は「あっち行ってて!」と言ってしまったと。
「——本当はトトちゃんももうちょっと優しく言いたいけれど、うまく伝えられなくて、ああいう態度になってしまったんだと思います。
"いまAくんと遊んでいるからちょっと待っていてね" など、私たちの方でも、そういう気持ちの伝え方を少しずつ教えていけたらなって思っています」と。
ああ、先生。本当に先生はすごい。本当に子ども達ひとりひとりのことをよく見てくださってる。
それに引き換え私ときたら。このあほぽんたんときたら。「みんなと仲良くしてほしい」っていう理想をただ押し付けていただけだ。
あのとき、「どうしてBちゃんと遊びたくなかったの?」って、背景を聞くべきだった。
なんか、こういう場面、よく学園ドラマとか漫画で見たな。主人公がちょっと悪いことをしちゃって、でも本当はやむを得ない事情があるのに、親とか教師とか周囲の大人が一方的に主人公を責める場面。
あの場面を見るたびに私は、「もう、どうしてだれも主人公の話に耳を傾けないの?私だったら聴きまくるんだけど!まったくこれだから大人は!」って思ってた。いつも思ってたのに。自分が当事者になるとすーぐ忘れるんだから。
でも、今回で学んだ。
何か起きたときは、まず背景を理解するところから始めること。「こうしたら?」って話はその後。
たとえ今の娘に背景を十分に説明できるほどの語彙力がないにしても、背景を知ろうとする姿勢を彼女に見せるのが大事。たぶん。
これは今後も忘れないようにしよう。