娘の寝かしつけタイムでよくするお話
我が家の寝かしつけタイムは、娘のリクエストに合わせて私が即興で話を作るスタイル。
「即興」と言っても内容はいたってシンプルで、娘がリクエストしたキャラクターに私がなりきって、彼女と会話形式で一緒にケーキを作ったり、他の仲間も交えつつピクニックへ行ったりするというもの。
その中でも特にリクエスト率が高いのが『コキンちゃんのはなし』。
そして、もうひとつ同じくらいの頻度でリクエストされるのが『ママのはなし』。
『ママのはなし』は、娘が生まれた日のことを童話っぽくまとめたものだ。
冒頭はこのようなかんじ。
トトちゃんはママのお腹の中でずっと一緒に生活していました。
そして、7月1日の朝のことです。あの日は雨が降っていました。ママは急にお腹が痛くなりました。
「あ、これはきっとトトちゃんが外に出たいって言っているサインだ!」と思って、パパと一緒に病院へ行きました。そして、病院で先生に身体を見てもらったら、先生から「トトちゃんが外に出たいって言っていますね。別のお部屋で待っていてくださいね」と言われました。
あとは世のママさんたちもご経験の通り。
だんだんお腹の痛みが増してきて、もう無理もう無理って思っているところでパーン!って袋が破けて分娩室っていうお部屋に行ってヒッヒッフーヒッヒッフー。無理無理無理ー!!がんばれがんばれマーマ、がんばれがんばれマーマ・・・生まれたー!!!!
というスーパーざっくりな構成。
もう何十回もしてきたから娘も話の内容を把握しているらしく、私がふんばっている場面では一緒に「がんばれがんばれマーマ!」と応援してくる。
「パパと一緒に病院へ行きました」のくだりでは、「トトちゃんもいったの!」と割り込んでくる。
「分娩室ってなぁに?」と聞いてきて話が一旦中断することもある。
「ママがトトちゃんを産んだ場所だよ」と答えると、「ええ、いやだよぉ」と謎に拒否られることもある。
ここまで話すと、逆にテンションが上がってしまって「寝かしつけのお話」としてまったく機能していないのだけど。
話の後半に突入すると不思議と娘も落ち着いてきて、最後の部分では安心した表情さえ浮かべている(ような気がする)。
助産師さんに抱っこされて、トトちゃんはパパとママのところに来ました。パパとママは、「やっと会えたね」と言いました。この日は、パパとママにとって一番しあわせな日になりました。
トトちゃん、パパとママのところに生まれてきてくれて本当にありがとう。とっても嬉しいです。ありがとう、だいすきだよ。思い出たくさんつくろうね。本当にありがとう。ありがとう。ありが…(気が済むまで言う)。
そのうち、またどんどん成長しちゃって、この毎晩の寝かしつけタイムもなくなってしまうのだろう。そしたら『ママのはなし』をすることもなくなってしまうのだろう。
成長するにつれて、衝突することもあるかもしれない。
でも、そうなっても私は、どんなかたちでもいいから「生まれてきてくれてありがとう」と彼女に伝えていきたい。ずっと伝えていきたい。