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「ストーカーレポート」第2話アキバメイドの悲劇⑩を更新しました。

 小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話アキバメイドの悲劇⑩を更新しました。
 よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。

 私は数日前まで店長だったコンビニに入っていった。
 レジカウンターには、勇人がいて、私を見つけると、すがるような目つきで、声をかけた。
「店長」
「元店長だ」
「本社の処分には納得がいかない、とおれたちバイトは全員思っているんです。微力ながら、抗議の文書も出しました。だってそうじゃないですか。犯人が逮捕できたのは、誰のおかげだと思っているんですか。店長がからだを張って、犯人の前に踊り出て、格闘したからじゃないですか。それはたしかにすぐに店から出ていってしまったのは、適切な処理だったとは思いませんけれど、その時点で、事件は終了していたわけです。何の問題もなかったと思います」
 勇人は涼しげな瞳でいった。
「それなのに解雇なんてあんまりだ。ひどすぎです」
「もう終ったことだ。忘れていい」
「忘れられません。あれだけの事件ですから」
 勇人は強い口調でいいはった。「相手は拳銃を持っていました。生死をかけた事件に初めて遭遇したのです。自分の死をリアルに実感しました。限りあるいのちです。大事に生きよう。残りの人生を大切にすごそうと思いました」


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緒 真坂 itoguchi masaka
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