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お盆は今を生きることを再認識させてくれる

長かった6連休も最終日。

妻方の実家には帰ったが私の方の実家には帰省していなかったので今日は家族を連れて私の実家に帰省した。

私の実家は父の一人暮らしだ。
母は今から12年前にガンで亡くなった。それ以降は父の一人暮らしだ。
母が亡くなった当初は年老いた父を一人で放置することに少しの罪悪感を感じていたので同居することも視野に入れた。

ところが父の方からやんわりと断られた。
父はそれ以来一人でたくましく生きている。日々の食事は宅食をとったりスーパーで惣菜を買ったりしてそれなりにうまく食いつないでいる。

数年前の父の日にiPadをプレゼントしてからは今まで全くネットやデジタル機器に全く疎かった父は暇も手伝ってか急激にYouTubeとTwitterを覚えた。
75歳の今、一日の三分の一くらいはネット漬けの日々を送っているが何かと感動が多いらしくそれなりに充実しているようだ。


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仏壇に供えるお供えには我が故郷近江八幡を代表する和菓子店たねやで購入した。最近は全国の百貨店にも入店する人気店になっているのでご存知の方も多いのではないだろうか。

母はこのたねやの栗饅頭が大好物だった。
少し固めの饅頭皮にふっくらとした饅頭そしてたっぷりと詰まった白餡が特徴的なベーシックだけど忘れられない味だ。

線香をつけ母との思い出に浸りながら仏壇に手を合わせる。
そうすると母が「まあ、あんたも食べていき」と言ってくれているように感じた。

栗饅頭を食べながら最近の子供たちのこと、自分の仕事のこと、趣味のこと、そして今楽しく人生を謳歌していることを感謝とともに伝えた。
母はウンウンと頷き「それはなにより」と言ってくれているように感じた。

そんな心癒される対話の時間が心の中に拡がった。


それから少し離れた母の墓へ父も含めて家族でお参りに行った。

子供たちにとってもお墓まいりというのは非日常のことなのだろう。人の死とその後の世界、そして死してなおも人に思い思われるということをそれなりに感じていてくれたらいいと思う。

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私はお盆という亡くなった方をお迎えしてお送りするという日本独特の行事が好きだ。

私の家はそれほど形式的に厳格なものではなく非常にライトなのではあるがこの時期になると普段はそれほど信じもしないような霊的なことに対して素直に信じ敬いの気持ちを持てるのだ。

私は早くに母を亡くしている。
だからこそ母に対してはまだまだ長生きしてほしかったという思いも残っているが同時に天国で安らかに過ごしてほしいという思いがある。

そんな母と精神的につながれるたった年一度の期間がお盆だと思えたのは母が亡くなってからである。

と、同時に私は今生きているということを実感させられる。
生きている限り、母が、そしてご先祖様がくださった今ある一生を大切に真剣に生きていかなければいけないとまた新たに気を引き締めたのだった。

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