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みっちりと穏やかに過ぎていく

なんとなく長い休みをしっかりと丹波で過ごしたのは久しぶりだったような気がする。


そうなることを分かって東京に行ったつもりだったし、そんなに大した仕事や暮らしや活動をしているわけでもないのだが、それでも日々も環境も必ず自分の考え方にいくらかの影響を与えるものだと実感する。

ここにある土地のちからが支えにあってこそ、ぼくの言葉はきっと強く響くものがあるのだなあと思う。都会に出てみて感じているのは、言葉が刺さりそうで刺さらないという、なかなかのもどかしさであったように思う。


これは地域の教育においても同じように思ったことがある感覚だ。

自分がすこし何かしらの影響を与えられる針のような影響力を持っていて、すこしだけその人に刺せたとしても、日常の中でその刺した影響がどんどん埋没していく中で、何事もなかったかのように変化することなく過ぎていくような、そんな感覚のことである。

とあるイベントでものすごく感動してもらえても、毎日の食卓で交わされる会話の中身ほど影響するものはなく、潜在意識のなかに刷り込まれる言葉は大きな影響を持って、本人の人格と反射的な感覚を育てていく。

その潜在意識に刷り込まれた人格と反射的な感覚を覆せるほどの影響力を持つことが出来たらと期待するが、日常生活の両親との会話ほどに影響を持つことは出来ないのだと痛感させられることは多い。

そんな試みがうまくいくこともあるし、それがまったくうまくいかないこともあるが、都会に生きる社会人と話す際には、そのことを都会で話すより、田舎で話をする方が圧倒的に影響力が高まるという実感がある。


このことは、ある意味では自分が「結果を出すこと」や「変化させること」について興味と執着を持っているのかを考えさせられもする。

日常の中で大切なこととして、今日がとても嬉しい時間であること、を超えるものはないと思っている自分がちゃんとここに生きている。

それが頭でも体験でも、十分に分かっているつもりなのに、結局のところはふと気付いたタイミングで疲れるのは、「結果」や「変化」に対して自分がどれほどのインパクトを持たせられたのかを期待して、それを満足したり安心したりすることにつなげたり、逆に落胆したり自己嫌悪したりすることにつなぐという、そうとう無駄なことをときどき、今でもやっているからだ。


とはいえ、徐々にその感覚も薄れてきていることもまた確かなことだ。

明らかに「今日をどう心地よく生きようか」ということばかり考えていて、それを実際に実現するために必要な要素は理解していて、その時間を最優先するためのスケジュールの組み方を基本的に最重視出来ていて、その暮らしを実現するような働き方と暖かい関係者の人たちに支えられることが出来ていて、今を心地よく生きることを許されることが出来ている。

なんだったらそのなかで時々生まれてしまう、自己嫌悪につながりそうな、「うっかりポカミス・忘れ物・落し物など」も許されるどころか、むしろ喜んで楽しみにしていてくれる人もいるくらいだ。

望んだものが手に入り、望んだ以上に嬉しさを味わいながら生きていて、それをちゃんとお裾分けできるような暮らしが出来てきている。


大事なことを理解したら、そのことが本当に大事なのだということを日々で確かめるような生き方をしていなければ、どうしても大事なことを忘れてしまいがちだ。

今回のゴールデンウィークは、自分の感受性にとって大切なものがなんなのかを、やはり改めて思い出させてくれるものだった気がする。



今日は丹波の親友ケンさんが、きてくれたお客さんに特別にヨガクラスを提供してくれた。シャバーサナでひとり涅槃へ逝っておられた。

ケンさんのヨガクラスはやさしい。なんど体験しても、とにかくポーズではなく呼吸を大切にして生きるんだ、ということを気づかせてくれる。

サウナとヨガと座禅は一緒である。日常のなかにふと瞑想的な呼吸を思い出せるだけで人生が楽チンになっていくきっかけをつかんでいると言える。



さて、断熱王子が井戸を掘り始めている。


「井戸を1日で掘る」と言っていたので、正気であろうかと思っていたが、今日1日作業をしていて深さ50㎝くらいだったと思うので、思ったより難しいということが実感できたらしい。

彼は平日5日間は学校に通っているし、どう考えてもこのペースだとよく頑張っても1ヶ月以上はかかりそうだけど、それでいいじゃないか、やればわかるし、急ぐ理由もなにもない。


ゴールデンウィークは本当にたくさん人が来てくれて、いろんな話をしたし、ブッシュクラフトで火を焚いてバーベキューもいっぱいしたし、着々と我が家のプロジェクトが前に進んでいくことを実感している。

穏やかな日々を過ごしているだけだが、確実に何事かが進んでいくことの嬉しさを感じている。概ねなにもしてないけど合掌して感謝を毎日しよう。

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よこたいたる(お葬式研究家/呼吸の習いごと主宰)
急に読者の方からサポートもらえてマジで感動しました。競馬で買った時とか、人にやさしくしたいときやされたいとき、自暴自棄な時とか、ときどきサポートください。古民家の企画費用にするか、ぼくがノートで応援する人に支援するようにします。