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人生の路上ライブ

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私の人生を晒した有料記事集です。
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#エッセイ

人生を立て直す

大学卒業を控え、人生の岐路が見えてくる。私のような大学演劇の役者にとって演劇を続けていく方法は二つある。

一つは普通に就活して就職して、演劇も続けていくもの

もう一つはアルバイトをして演劇を続けていくもの

私は3月まで新卒で公務員になるつもりだった。身体が重くて憂鬱で、誰にも頼れないけど、なんとか勉強していた。

どれだけ勉強しても憂鬱は消えなくて、たまに会って話す大人は「公務員にこだわらな

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黒髪ロングの憂鬱

私には髪が生えている。

染めたことのない黒髪だ。長さは胸下まである。

黒髪ロングは非常にコスパがいい。美容院は半年に一度縮毛矯正をかければ済むし(有料エリアに縮毛矯正の神の施術後写真あり)カラーで傷むことはないし、毛量が多くても長さがあれば重力でおさまってくれる。

そして大抵のバイトはこの髪色なら問題ないと言われるので楽だった。

大学生になってからは特に黒髪ロングが自分のアイデンティティの

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黒髪ロングの否定

黒髪ロングの否定

染めていない黒髪ロングはコスパがいい。

どこに行っても通用する。

前回記事のようなセクハラ被害はあっても、悪い印象を与えることはない。

ずっと、そう信じていた。

自分の髪に自信を持っていた。

二重とか一般的な「美」の条件にあてはまらなくても、身体ごと染めてしまわなくても、私は絶対的な「かわいい」を持っている。

そう信じてきた。

あの日だって、そう信じて歩いていた。

それは違うと思い

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恋占いは当たらない

恋占いは当たらない

占いなんて気にしてたまるか。それでも少しは気にしてしまう。根拠がないとわかっていても、多様な占いという文化から離れることは難しいのだと思う。

noteに掲載している私のプロフィールには、「血液型占い:地雷」という項目がある。B型だからだ。自己中心的で変な奴、そう言い始めたのは誰だ。兄弟構成への偏見まで含めたらもう大変なことになる(末っ子)。

実際には抑圧されすぎて自分を蔑ろにしてきた私がいるの

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さよならサンクコスト

さよならサンクコスト

「サンクコスト効果」という言葉がある。

ある行為に費やした資金や労力のうち、中止をしても戻って来ない資金や労力がサンクコスト、そしてサンクコストが無駄になるのが嫌で資金や労力を費やし続けてしまうのがサンクコスト効果である。

サンクコスト効果を全力で振り切って走っているのが今の私だ。

私は3月まで公務員を目指していた。

2月下旬の模試で燃え尽き、カウンセラーにも美容師にも「公務員にこだわらな

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生きられるのか

バイトが決まった。

まずは好きなことをするために、そしてこれから生きていくために、がっつり働くと決めた。

イベントバイトで4時起きで遠いところで数連勤だってできていた。ちょっとがんばればできると思っていた。

朝の通勤ラッシュの電車を乗り継いだ。

息苦しかった。身体が重くて立っているのがやっとだった。

この電車を降りればきっと座れる。この電車を降りればすぐに楽になる。

そう繰り返し自分に

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せめて笑わせろ

私は面食いだ。

イケメンは良い。見ているだけで心が踊る。

イケメンを見るだけで幸せになるのなら単純で素晴らしい。

ただ、面食いには大きなデメリットがある。

かつて好きだった人と似ている人を見たときの感情だ。

まず前提として、「イケメンは似ている顔の人が結構いる」ということを説明しておく。

男女問わず、人が美しいと思う顔は平均的なバランスのとれた顔だとよく言われる。

そうなると、似てい

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ベボベが好きだし謝りたい

ベボベが好きだし謝りたい

魔がさして、ベボベの配信ライブのアーカイブを買った。

バンドの配信ライブのアーカイブを買うときに「魔がさして」なんて表現使う奴いんの?って感じだけど、それが私だ。

それだけ、ベボベには無駄に思い入れというか、因縁というかがある。

18,19の頃、狂ったようにベボベばかり聴いていた。

当時の彼氏がベボベが好きだったから。

その頃の私は、相手の好きなものを素直に摂取して好きになるような、透明

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付き合うなんて簡単

恋愛経験の少ない異性慣れしていない人を狙って、唯一やりとりをする異性になって、なんとなくあざとい仕草を見せて、まっすぐに見ていれば。

楽しそうに話していれば。

「俺のことが好きなんだな」って思わせれば。

青春の隙間をつつけば。

「こいつでいいや」って思わせれば。

本当は片想いだったとしても、

付き合うなんて簡単。

でもそんな恋は幸せになれないから、自分が穢い存在みたいに思えてくるから

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髪は人生、人生に悩む

先日黒髪ロングであることの弊害や黒髪ロングをやめるよう要求されたときの不快感を記事にした。

あれからしばらく、髪を染めることや短くすることについて考えていた。

それは涙が出るほど深刻な、女の子としての人生の問題だった。

今でこそ私は黒髪ロングがアイデンティティのようになっているが、そもそも私の黒髪ロングは大した理由で生まれたものではない。

それしかかわいくなる術がなかったのだ。

中学まで

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ある朝。

朝7時。起きることが億劫で仕方ない。でも起きなければいけない。今日はバイトだ。

飛ばねえよ。飛べねえ性格だからここまできてるんだよ。

いつもより肩が痛い。肩の痛みは「担う」ことへの苦痛だと聞いたことがある。

昨日食べたおいしいもの、昨日会った素敵な人を思い出したところでそう簡単に気分が良くなる訳ではない。

ベッドに倒れたまましばらくいれば、昨日設定したアラームが私を急かす。

胃の中に何か

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推しが人生の先輩として心強すぎる件

推しが人生の先輩として心強すぎる件

私には女性アイドルの推しがいる。Twitterを見ている人はわかるだろう。

バブルバビデガム!の寝求もねちゃんだ。

彼女がアイドルを始めて7年が経ったが、私はそのうちの3年、現場に行っていなかった時期も含めれば5年半推している。

私とさほど歳の変わらない彼女だが、配信でときどき真剣な話題になると重みのある言葉を発する。

アイドルグループのリーダーとしてだけでなく、さまざまなことを乗り越えて

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かわいくない

かわいくない

私はここしばらく、かわいくなかった。

Twitterに自撮りをあげられていなかった。

出かける用事がなかった。

出かける用事がなくたってちょっとの買い物をしたときとか、なんならすっぴん部屋着とか、色々バリエーションはあることにはある。

ただ、私にそれはできなかった。

ベッドからほとんど動けなかった。

用事があった日は帰宅後倒れ込んで変な時間に眠ってしまう。ゴールデンタイムの推しYouT

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