初夏の夕方、あてのない散歩の素晴らしさに気付く。
とある休日のこと。
ちょっと悩みがあって昼過ぎまで家で悶々としていた。
そこで夕方、気分転換をしようと、あえて最寄駅とは反対方向に、あてもなく散歩に出かけた。
初夏の夕方。
この季節の散歩は、いつにも増してとても心地がよい。
花粉や黄砂の季節に少し終わりが見え始め、
花粉症の私も、外を歩くことが苦ではなくなってきた。
むしろ暑くて汗ばむくらいだけど、そこまで湿度が高くないのが嬉しい。
あてもなく散歩をするというのは、目的を持って歩く普段とは違った楽しみがあったりする。
歩いていると途中に川があるのだが、その川で鳩の夫婦が向かい合い、何分も飛ばずに並んで過ごしている光景を見た。他の鳩はとっくに飛んでいったのに、いつまでもそこに2羽並んで止まっていて。
それは鳩が嫌いな私も、思わずちょっと嫉妬してしまうほど、素敵な光景だった。
車を運転していると気づかない場所に気付けたりするのも楽しい。
今回は、歩行者と自転車しか通ることの出来ない地下道を見つけて、心が高鳴った。
また、住宅街にひっそりそびえ立つ寺社も見つけるのも気持ちが和らぐような気がする。
こんなところに神社が!お寺が!と気付けるのが何より楽しい。そしてその街をずっと遥か昔から見守ってきたのかと思うとなんだか感慨深いものがある。
そんな光景は、今まで見落としていただけかもしれない。だが、あてもなく行きたいように歩くからこそ、いつもとは違った視点で見たり、気付けたりする。
そんなことを思っていたら、悶々と悩んでいたことへの気持ちも少し和らいだ。
まだまだ悩みは尽きない。けれども、歩いていたらここまで書いてきたように、言葉が溢れてきたのだ。
それだけで、ちょっぴり嬉しくなった。
気持ちがほんの少しだけ前に進めた気がする。
これからも何かに思い悩んだ時は、こうやってあてもなく散歩に出掛けることにしてみよう。
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