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【10分師匠】「心の中に佐渡島をつくれ」〜伊藤謙介〜

どうも、伊志嶺海です。

このマガジンでは、毎朝10分間で偉人の哲理を学ぶPodcastプログラム「10分師匠〜偉人の哲理〜」の内容を発信しております。

音声はstand.fmとSpotifyで聴くことができるので、そちらもぜひCheckしてくださいね。

さて、今回の師匠は伊藤謙介さん。
伊藤さんは稲盛和夫さんで有名な、京セラの5代目社長をお務めになられた方です。稲盛和夫さんは創業者であり3代目の社長で、伊藤さんは創業時からの稲盛さんの部下になります。

今回伊藤さんのお話を聞いて、一道を極めている人はかっこいいし、一道を極めることこそ、万物の真理を知るに値することなんだと思いました。また、哲学を重んじている京セラらしい教訓だなと感じたので、ぜひご紹介させてください。

伊藤さんの結論としては以下です。

自分の持ち場を一所懸命掘り込むことで、全てに通ずる心理に辿り着けることができる。人は目標を設定しても必ずしも思い通りにいかない。そうすると言い訳をしたくなるが、それを許してはいけない。心の中で「絶対に後に引かない」と決意をすることで、厳しい目標をも達成することができる。

伊藤さんはご自身の戒めとして、「我一心なり」という言葉を大切にされているそうです。若い頃は隣の芝が青く見えたりするものですが、周りがなんと言おうと二心なく貫いていくことが大事だと言います。

そして、各々が1つのことをひたすら一所懸命やり、その心を1つに集約したものが、「企業」であり、企業の業績に繋がります。それは会社だけでなく、自分自身のためにもなるんですね。

その決意を固めるために伊藤さんが仰っているのが、

「心の中に佐渡島をつくれ」

というものです。

伊藤さんは新潟に行った際に、流刑の地で有名な佐渡島に、世阿弥も流されていたという歴史を知ります。世阿弥は佐渡島という逃げ場のない環境で、何年にもわたり極限の生活を余儀なくされたそうです。

伊藤さんは、想像だけどという前置きをしつつ、世阿弥にとって佐渡島での極限生活があったからこそ、能楽を世界的な文化に高められたのではないかと仰っています。

このことから、世阿弥が逃げ場のない佐渡島の流刑生活を経て能楽を大成したように、心の中で絶対に後に引かない決意をすることで自分を高められ、厳しい目標も達成できるんだと学んだんですね。

さらに伊藤さんは、興味深いお言葉もご教示くださっています。

「井の中の蛙大海を知らず」

ということわざをご存知でしょうか。

井戸の中の蛙は外の世界を知らないので、自分がいる井戸の中が世の全てだと思い込んでいるということわざですね。

伊藤さんはこのことわざに、以下も付け加えようといいます。

「されど天の深さを知る」

別に大海は知らなくてもいいのだといい、大事なのは自分の持ち場をとにかく一所懸命掘り込むことだと仰っています。井の中の蛙も、大海は知らずとも空はよく見えますよね。

むしろ空しか見えないからこそ、集中して観察できる。故に天の深さを知ることができると。

幕末に活躍した西郷隆盛や大久保利通も、情報のない時代に日本だけでなく世界の情勢までも知り得て、王政復古を成し遂げています。それは、自分のいる場所をとことん深堀していった結果ですよね。

また、一芸を極めるような芸術家の語る言葉には、言い表せない重みがあると思います。ピカソが語る絵の奥ゆかしさと、私が語るお絵描きの楽しさは天と地の差があるでしょう。

「自分が決めた目標や、与えられた場所で一所懸命頑張る」というよく言われることですが、実際に行動しようと思うと難しいものです。そんなときは心の中に佐渡島を作る、つまり後には引かないと決意をすることを意識したいと思います。

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