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なぜAmazonは世界一の企業になれたのか?その採用哲学を探る|『amazonのすごい人事戦略」を読んで

Amazon関係の本を読みました。もうすでに2作読んでおりまして、こちらがその第三弾ですね。
作者は、佐藤将之さんです。日本にAmazonが来るころからAmazonで働いていという生え抜きメンバー。アマゾンの倉庫運営されていたようです。

Amazonは、通販サイトのイメージをまた持たれている方もいますが、いろいろなビジネスを展開されていて、世界で最も儲かっている企業の一つです。

過去の記事でもあげましたが、Amazonの会議は、必ず文書であり、箇条書きはダメという決まりがあります。時代に逆行しているようでいて、Amazonの社員数が世界で160万人(2023年時点)を超えてしまったときに編み出した答えのようです。記事にしてますので、もしよろしければこちらもどうぞ↓

そして、Amazonは一貫して顧客第一主義を貫いています。お客様がハッピーになれることを主軸に業務改善をしているという姿勢がほかの企業と違うところかなと思います。経費削減として会社命令という捉え方ではなく、お客様に今よりももっと安く早く届ける意味で無駄を省こうという姿勢が素晴らしいと思います。こちらも記事にしているので、よろしければ、こちらもどうぞ↓。

さて本題の人事戦略について、見ていきたいと思います!


Amazonは採用からすべて始まっている|管理職の仕事の半分は採用業務

徹底した顧客第一主義、会議資料は図や絵を使わず文章で作成するなど、社員数が160万人もいれば考え方もそれぞれだと思います。顧客第一の考えと会議資料も作り方ルールを全員に納豆してもらうなど、できっこないと思うかもしれません。

しかし、その不可能と思えることを実現させる背景には、採用からすでに始まっていたようなのです。採用というと人事部門が最も関与するイメージを抱きますが、Amazonではどこの部門の管理職も業務の半分が採用活動に充てられているようなのです。

それだけ力を入れるには、Amazonも人材不足に悩んでおり、眼鏡にかなう人材確保のためには、それだけ時間を割く必要があるようです。

Amazonの人材採用では、OLPに従っているかを重要視する

それぞれの企業には、ミッション・ビジョン・バリュー(以降MVVと略します)などが掲げられていると思います。企業の存在意義としての使命だったり、企業理念だったり、企業価値が何かといったことです。

MVVを目指し社員が一丸となって進む・・・・というのが理想ですが、実際の一般企業だと、MVVを掲げているのはわかっているけれど、普段はそれらを忘れている。というか意識しない人がほとんどです。

しかし、Amazonの場合は、採用においてこのMVVにあたる、OLP(Our Leadership Principles)があり、それに対して向いている人材かどうかを判定しているのです。

Amazonの考え方に合致し、且つ優秀な人材を採用しているので、業務の半分の時間を使ったとしても時間が足りないほどです。100名面接したら1名採用できるかどうかのようです。相当、採用のハードルが高いことがうかがえます。

先にリンクを示した通り、OLPは一般に見える位置に公開されています。Amazonの企業理念に合致した人を採用したいがために、こうしてOLPを無料公開しているのかもしれません。

Amazonは20%の成長をしているのは、人事制度のおかげ

こんな強固な人事制度があるおかげでAmazonは20%の成長が実現できているようです。えっ?そんなに成長しているのと懐疑的に感じた自分は、創業のころからの売上高を調べてみました。

2004: 69.3億ドル
2005: 84.9億ドル (+22.5%)
2006: 107.1億ドル (+26.2%)
2007: 148.4億ドル (+38.6%)
2008: 193.2億ドル (+30.2%)
2009: 245.1億ドル (+26.8%)
2010: 342.0億ドル (+39.5%)
2011: 480.7億ドル (+40.6%)
2012: 610.9億ドル (+27.1%)
2013: 744.5億ドル (+21.9%)
2014: 889.0億ドル (+19.4%)
2015: 1070.0億ドル (+20.4%)
2016: 1359.0億ドル (+27.0%)
2017: 1778.7億ドル (+30.8%)
2018: 2328.9億ドル (+30.9%)
2019: 2805.2億ドル (+20.4%)
2020: 3860.6億ドル (+37.6%)
2021: 4698.2億ドル (+21.7%)
2022: 5136.6億ドル (+9.3%)
2023: 5748.0億ドル (+11.9%)

Amazonの売上高の推移

直近は減速傾向ですが、確かに20%を超える成長率で売上が立っています。この成長速度は目を見張るものがありますね。

目標はKPI(メトリックス)に全て分解されている

経営目標が売上20%増であれば、目標を達成するために何をすべきかです。
Amazonのすごいところは、目標達成をする為にすべきことが全て分解され各担当部門に振り分けられているのがすごいです。

理論的にはわかります。会社の目標を達成するため、各々の部門が達成するための施策を考えそれを目標にします。その分化された目標(よくKPIと言われますが、Amazonではメトリックスというそうです)を達成すればおのずと会社全体の目標も達成されるというものです。

たしかにその通りで、多くの企業で目標管理の手法として採用されていますが、そんなに単純ではありません。それを有言実行で達成してくAmazonは、実行する人材もトップレベルですごい環境であるなと思います。

止まらない発展のエッセンスはOLPに詰まっている

先ほど、人事採用にはOLPが使われていると書きました。実際どのようなものがあるか列記していきたいと思います。一部本書でどのような意味を持つかも追記してみたいと思います。本書では14でしたが、今では2つ増えて16
になっているみたいです。

1.Customer Obsession :顧客へのこだわり

リーダーはまずお客様を起点に考え、お客様のニーズに基づき行動します。お客様から信頼を得て、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合にも注意は払いますが、何よりもお客様を中心に考えることにこだわります。

引用:OLPより

OLPの1~14(現在は16)に優劣はないとされています。しかし、1つ目だけは違うようです。これは先頭に来て大原則です。すべてはお客様の幸せのためにするべきであり、お客様目線でお客様がハッピーになるように動くのが大原則なのがAmazonのようです。

2.Ownership : オーナーシップ

リーダーはオーナーです。リーダーは長期的視点で考え、短期的な結果のために、長期的な価値を犠牲にしません。リーダーは自分のチームだけでなく、会社全体のために行動します。リーダーは「それは私の仕事ではありません」とは決して口にしません。

引用:OLPより

自分で発案して招集した会議は自分が議長になって進めるルールがあるようです。人に任せるのではなく、自分でオーナーシップを伴って進めるというのがAmazonらしいですね。

3.Invent and Simplify :想像と単純化

リーダーはチームにイノベーション(革新)とインベンション(創造)を求め、それをシンプルに体現する方法を常に模索します。リーダーは常に外部の状況に目を光らせ、あらゆる機会をとらえて新しいアイデアを探しだします。それは、自分たちが生み出したものだけにとらわれません。私たちは新しいアイデアを実行に移す時、長期間にわたり、外部の理解を得ることができない可能性があることも受け入れます。

引用:OLPより

無駄な時間を減らしたり、工程を最適化して短くしたりを絶え間なく行うことを意味します。10ある工程をから9にしたり、7にしたりするなどです。これがSimplifyという単純化、すなわち改善です。

改善を常に考える姿勢がゆくゆくは10を1にするようなイノベーションの気づきに繋がるというのがAmazonの考えのようです。

突拍子のない意見はそう簡単には生まれません。しかし、常に考えていること、時には多面的に考えたり、全然関係ないことを深く考えたりすることがイノベーションにつながっていくと考えているのです。

4.Are Right, A Lot : 多くの場合は正しい

リーダーは多くの場合、正しい判断をくだします。 そして、優れた判断力と直感を備えています。 リーダーは多様な考え方を追求し、自らの考えを反証することもいといません。

引用:OLPより

分析して仮説を立てて進めることは、失敗しても降格や解雇にならないのがAmazonの社風です。日本企業でもよくある「まずはやってみよう」ですが、その進め方がKKD(カン、コツ、度胸)だとAmazonは嫌います。やってみるにしても分析と仮説を伴って進めていかないと悪い評価になるようです。

5.Learn and Be Curious : 学び、そして興味を持つ

リーダーは学ぶことに貪欲で、常に自分自身の向上を目指し続けます。新たな可能性に好奇心を持ち、探求します。

引用:OLPより

6.Hire and Develop the Best :ベストな人材を確保し育てる

リーダーはすべての採用や昇進において、評価の基準を引き上げます。優れた才能を持つ人材を見極め、組織全体のために積極的に開花させます。リーダー自身が他のリーダーを育成し、コーチングに真剣に取り組みます。私たちはすべての社員がさらに成長するための新しいメカニズムを創り出します。

引用:OLPより

Amazonでは、自分より優秀な人材を採用することがリスペクトをされるようです。一般企業だと、自分より能力の高い人を採用すると自分の地位が脅かされる発想もありますが、その考えはAmazonではマイナスに評価になってしまいます。

7.Insist on the Highest Standards : 常に高い目標を掲げる

リーダーは常に高い水準を追求することにこだわります。この水準が必要以上に高いと感じる人も少なくはありません。リーダーは継続的に求める水準を引き上げ、チームがより品質の高い商品やサービス、プロセスを実現できるように推進します。リーダーは水準を満たさないものは実行せず、見逃さず、問題が起こった際は確実に解決し、徹底的な再発防止策を講じます。

引用:OLPより

目標の達成はAmazonでも大事なことですが、低すぎる目標を掲げて達成しても評価されないようです。立てた目標の高さとそれに対しての達成度で評価されるようです。低すぎる目標を立てた場合、サンドバッキング(反撃しないサンドバックをなぐっても評価しない)といってAmazonでは揶揄されてしまうようです。

8.Think Big : 広い視野で考える

狭い視野で思考すると、自分が想像する以上の大きな結果を得ることはできません。リーダーは大胆な方針と方向性を示すことによって成果を出します。リーダーはお客様のために従来と異なる新しい視点を持ち、あらゆる可能性を模索します。

引用:OLPより

9・Bias for Action : とにかく行動する

ビジネスではスピードが重要です。多くの意思決定や行動はやり直すことができるため、過剰な調査や検討に時間をかける必要はありません。計算されたリスクを取ることに価値があります。

引用:OLPより

とにかく行動することが重要視されます。完璧なプランより早いアクションが好まれるのがAmazonです。しかし、Are Right, A Lotです。KKDはダメです。

10.Frugality :質素倹約

私たちは少ないリソースでより多くのことを実現します。倹約の精神は創意工夫、自立心、発明を育む源になります。スタッフの人数、予算、固定費は多ければよいというものではありません。

引用:OLPより

Amazonでは、社長であっても飛行機に乗る際は、ビジネスクラスは乗らずエコノミーに乗るようです。新幹線も指定席は乗りますが、グリーン車はのらないようです。

ビジネスクラスやグリーン車の方が疲れないのでコスパが良いという意見もあるけれど、それなら1日前に入るなど工夫した方が安上がりであるという考え方のようです。

11.Earn Trust : 人々から信頼を得る

リーダーは注意深く耳を傾け、率直に話し、誰にでも敬意をもって接します。たとえ気まずい思いをすることがあっても間違いは素直に認めます。リーダーは自分やチームの体臭を香水と勘違いすることはありません。リーダーは常に自らを、そしてチームを最高水準のものと比較し、高みを目指します。

引用:OLPより

12.Dive Deep : より深く考える

リーダーは常にすべての階層の業務に気を配り、詳細な点についても把握します。頻繁に現状を検証し、指標と個別の事例が合致していないときには疑問を呈します。リーダーが関わるに値しない業務はありません。

引用:OLPより

13.Have Backbone; Disagree and Commit : 意思を持ち、議論を交わし、納得したら力を注ぐ

リーダーは同意できない場合には、敬意をもって異議を唱えなければなりません。たとえそうすることが面倒で労力を要することであっても、例外はありません。リーダーは、信念を持ち、容易にあきらめません。安易に妥協して馴れ合うことはしません。しかし、いざ決定がなされたら、全面的にコミットして取り組みます。

引用:OLPより

議論を交わすなら意見は必ず持つことで、反対意見を持つならその場で言うべきであり、会議が終わってからネチネチ言うなどの後出しじゃんけんは認めないという考え方です。反対意見を出したら納得するまで議論します。しかし、一度決定されたならば、反対意見の人も全力で決定事項を支えよというところがAmazonの考えです。この考えはとても好きです。

14.Deliver Results:結果を出す :

リーダーはビジネス上の重要なインプットにフォーカスし、適正な品質でタイムリーにやり遂げます。どのようなハードルに直面しても、立ち向かい、決して妥協しません。

引用:OLPより

15.Strive to be Earth’s Best Employer :地球上で最高の雇用主となるよう努める

リーダーは、職場環境をより安全に、より生産的に、より実力が発揮しやすく、より多様かつ公正にするべく、日々取り組みます。リーダーは共感を持ち、自ら仕事を楽しみ、そして誰もが仕事を楽しめるようにします。リーダーは自分自身に問いかけます。私の同僚は成長しているか? 十分な裁量を与えられているか? 彼らは次に進む準備ができているか? リーダーは、社員個人の成功に対し(それがAmazonであっても、他の場所であっても)、ビジョンと責任を持ちます。

引用:OLPより

16.Success and Scale Bring Broad Responsibility :成功と規模は広範な責任をもたらす

Amazonはガレージで創業して以来、成長を遂げてきました。現在、私たちの規模は大きく、世界に影響力を持ち、そしていまだに、完璧には程遠い存在です。私たちは、自分たちの行動がもたらす二次的な影響にも、謙虚で思慮深くありたいと思います。私たちは、社会、地球、そして未来の世代のために、日々成長し続ける必要があります。一日のはじめに、お客様、社員、パートナー企業、そして社会全体のために、より良いものを作り、より良い行動を取り、より良い企業になるという決意を新たにします。そして、明日はもっと良くできると信じて一日を終えます。リーダーは消費する以上に創造し、常に物事をより良い方向へと導きます。

引用:OLPより

と、このように、特徴的な考え方のあるのがAmazonという企業なのです。

#3行日記 :1つずつ淡々と進めていったら6つのうち3つできた

お仕事の話ですけど、昨日も忙しくて、どれから手をつけようか迷ってました。だいたい迷ってあたふたして終わっちゃうことが多いのですけども、昨日は1個ずつ確実にやっていきました。終わるまで次を始めない作戦です。

そしたら、3つ終わらせることができました。上出来です。あたふたしてたら1つ終わればよいところでしたので。マルチは向かない自分でした。

#1年前 :久しぶりの勧誘系の話に身構えていたようです

今まで音信不通だった先輩から、急に連絡があって、嬉しかったのですが、勧誘と聞いて身構えてしまいました。ちょっとびっくりしてしまいました。
そこから、悶々と考えをめぐらしたようです。

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