まずはこちらの画像をご覧ください。
特徴的な文字で「南無阿弥陀佛」と書かれています。
現代のデザインされた文字ではありません。
『利剣名号(りけんみょうごう)』という歴史のある書体なのです。
『利剣名号』とは、
「名号」とは、
画像の掛け軸は京都の「百萬遍知恩寺(ひゃくまんべんちおんじ)」の宝物で、第八世善阿空圓上人が後醍醐天皇より賜ったと伝わっています。
以来、剣のように鋭く尖った字画をしていて、災厄や悪縁を切り払うといわれていることから「疾病退散の南無阿弥陀仏」として、お守りやお札にもなっているそうです。
さらに、こちらの掛け軸は「弘法大師空海作」と伝わっており、『利剣名号』はおよそ1200年前にはすでに存在していた書体という可能性もあります。
浪漫ですね。
もう一つの『利剣名号』はこちら。
徳本上人作と伝わる『利剣名号』です。
徳本上人(とくほんしょうにん)とは、
徳本上人版『利剣名号』の特徴は、何と言っても「弥」の文字を弓矢に見立てているところです。
何故「弥」を弓矢にしたのか。
一説には、阿弥陀如来が人々を教え導くために敢えてとった恐ろしい姿である「大威徳明王(だいいとくみょうおう)」を表しているとされています。
視覚的にも剣+弓で、「疾病退散」の効果が増すようにしたのかもしれません。
以上『利剣名号』のご紹介でした。
「疾病退散」とは、今まさに求められているもの。
終わりの見えない状況を、是非とも切り裂いていただきたいと願うばかりです。