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みらいにのこしたい古里の景色

東日本大震災から13年が経過しました。

当たり前のことですが、

当時50歳の方は63歳。

当時60歳の方は73歳です。

自分は30歳でしたが、44歳になりました。

石巻日日こども新聞を発行している、こどもみらい研究所の主催イベント「ふるさとの食卓」の第1回目が先月、宮城県石巻市の二子地区で行われました。

津波のほか、過疎や少子高齢化など様々な理由で失われつつある地域の文化。伝えられてきた各家庭の食卓の味など、未来に残したいものについて考えるイベントです。

石巻日日新聞社は後援団体として参加しました。二子地区は、津波で自宅を失った雄勝や河北、北上の方々の防災集団移転先となった地域です。ちょっと仰々しい「未来に残したい」という見出しですが、会場は終始、ワイワイガヤガヤの良い雰囲気でした。

大鍋に湯を沸かし、丸々とした枝豆を煮ていきます。ざるにあけた豆からは、もうもうと湯気が立つ。いつもなら塩をまぶして、冷蔵庫からビールをとなりますが、この日はここからが始まり。

まだ熱さが残る枝豆を一つひとつ、サヤから取り出していきます。そして一つひとつ薄皮を取ります。これだけでも大変な作業。さらに、すり鉢で時間をかけて、つぶしていく。すりこぎですったり、酒瓶でつぶしたり。ある程度作業が進と、砂糖とちょっとの塩を混ぜて、さらにすり上げていく。すると、青々とした“ずんだ”の出来上がりです。

文字だと簡単そうですが、とにかく根気とチカラ、丁寧さが必要な作業。スタッフだけではもちろん無理な作業量で、集まった参加者にも助っ人を頼みました。

そこはさすがの浜のお母さん、お父さんたち。仕事は超スピード。段取ゼロでも仕事は10割!役割分担をしなくても、すでに分担されています。そこに「ほれほれ」と子どもたちも呼ばれて、すりこぎの使い方、だんごの丸め方も教えられていく。

まったくの、ひいき目ですが「大変な仕事を皆のチカラで難なくこなす」という、ふるさと雄勝の格好良さ。「少なくとも震災後の13年後の未来には残っているな」と思いながら、イベントの光景を見ていました。

出来上がったずんだだんご。美味しくないわけはない。仕事は楽しく。美味しくてさらに楽しく。まさに未来にも残したい景色です。ずんだの香りとともに思い出に残ってほしいな。と思いました。

ちょっと前の行事でしたが、動画が出来上がりましたので、多くの人にみていただきたく、こちらにもアップしました。どうか参加者の楽しそうな表情、おいしそうなずんだだんごもご覧ください。



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