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”食の安全”を探求するジャン=ポール・ジョー監督3作品から見えてくる繰り返すことの大切さ
UPLINK60本見放題全部見ると言っていたのですが、6月に入って #BlackLivesMatter について考えざるを得ず、UPLINKの方は中断という形になってしまいました。#BlackLivesMatter の方もまだ道半ばで、探求しなければいけないのですが、UPLINK見放題の期限が切れてしまうので、とりあえず今は見まくっています。
#BlackLivesMatter についてはこちらをご参照ください。映画の本数は今後増える予定です。
さて、UPLINKの方は、見るだけ見てまとめて書くつもりなんですが、とりあえず、ジャン=ポール・ジョーの作品2本を見て気になったのでそれだけまとめておきたいと思います。
UPLINK見放題に含まれているのは『世界が食べられなくなる日』と『セヴァンの地球の直し方』ですが、もう1本『未来の食卓』という作品が公開されています。どれも大きなテーマは脅かされる食の安全で、それを様々な角度から検証しています。
未来の食卓
『未来の食卓』は2008年の作品で、フランス南部ガール県のバルジャック村で行われた「給食をすべてオーガニックにする」という試みについてのドキュメンタリーです。
この作品で主に問題視しているのは農薬。農薬に酔って私たちの食と、農家たちの健康が脅かされている問題を提起しています。
セヴァンの地球の直し方
この映画の主人公セヴァン・スズキさんは1992年に12歳で地球環境サミットで演説し大きな話題をさらった人。そのセヴァンさんの十数年後の活動を追った2010年の作品です。
この作品ではセヴァンさんが暮らすカナダとルーツである日本、そしてフランスを例に取りモノカルチャーの危険性を説き、多様性の大切さを訴えて有機農業を主に取り上げます。加えて食の安全を脅かす存在として原発もテーマにしています。
そして、もう一つ重要なのが食の安全と直接関係ありませんが、「繰り返し説くこと」の大切さ。問題が解決していない以上、同じことであっても何度もくり返し言うことが問題解決のためには重要だということです。
世界が食べられなくなる日
3本目は2012年の『世界が食べられなくなる日』。この作品は、モンサントの遺伝子組み換え作物の危険性を実験で証明しようとした独立研究機関の活動を軸に、農薬や放射能汚染の危険性も合わせて伝えようという作品です。
モンサントが3ヶ月の実験で「危険はない」と言ったものを2年間に渡る実験で覆そうとする科学者たちの活動が見どころです。
2012年の作品なので、今見るとすでに知っていることばかりという印象があり、しかも農薬や原発という要素についてはジャン=ポール・ジョー監督の前2作ですでに知っていることも多いという印象を持ちます。
でも、『セヴァンの地球の直し方』で主張しているように繰り返すことが大事で、この映画もその繰り返しのひとつなのです。この繰り返しは一人が何度も言うだけでなく、いろいろな人がいろいろなところで繰り返すことでより大きな意味を持ってきます。
だから私もここで繰り返すのです。
はっきり言ってジャン=ポール・ジョー監督の作品は映画としてはそれほど面白いものではないかも知れません(ストーリーテリングという意味で)。でも、いろいろな人が繰り返しとくことの重要性を説くという意味では非常に興味深い作品だし、そこで語られえている事実は非常に重要なものです。
みなさんも「知ってるよ」と思わず、ぜひ見て繰り返されていることの意味を考えてみてください。
『世界が食べられなくなる日』と『セヴァンの地球の直し方』はUPLINK60本以上見放題44本目と45本目でした。
ちなみに、ジャン=ポール・ジョー監督は2015年に『Libres!』という作品を撮っていますが、日本未では公開のようです。原発とエネルギーがテーマのようで、ぜひ見てみたいですね。フランスで見られた日本人の方のブログの情報でした!