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情報社会を生き抜くための本42「自己肯定感」育成入門(平岩国泰)

自己肯定感とは何か?という本ではない。子どもの自己肯定感を育成するための実践的な手引書だ。具体的な場面でどのような声がけをすればよいのか、どのような環境を整備すればいいのかをわかりやすく解説している。筆者の平岩さんはNPO「アフタースクール」の代表で地域社会とともに子どもを育てようという活動を放課後の子どもの居場所提供を通して実践している。活動はグッドデザイン賞を何度も受賞し、平岩さんも文科省の中教審専門委員を務めている。

この本を手に取ってくれたお父さん、お母さん。
あなたは、子どもの「20年後の未来」を
想像したことがありますか?
「どんな道を進んだとしても、
『幸せ』に暮らしていてほしい」
そう思うのが、親心ですよね。
では、そのために、親ができることって何でしょう?
子を持つ親にとって悩みどころなのは、
20年後、子どもが社会に出た時のために
何を身につけてもらうのが良いのか、
まったくわからないことです。
プログラミング? 語学? コミュニケーションスキル?
それともやっぱり学歴?
ーもちろん、それらを身につけることは
「子どもの可能性」を広げてくれると思いますが、
どれも「子どもの幸せ」を保障してくれはしないでしょう。
でも ひとつだけ20年後、
「子どもが幸せな人生を送るのに必ず役に立つ「力」があります。
それは「自分を肯定する力」、
そう、つまり自己肯定感です。
親が、「未来の子どもの幸せ」に対してできることは究極的にはひとつだけ。
「自己肯定感を育てる」ことなんです。

冒頭の12ページを使って、大きな文字でこの文章が書かれている。
そのとおり!

ステップ1は「子どもの『やってみたい』を引き出す」
ステップ2は「『自分自身で考える』機会を増やす」
ステップ3は「こどもにとっての『安全基地』を作る」
ステップ4は「勉強や習いごとを通して『壁』の乗り越え方を学ぶ」
と章立てが構成されている。

「子どもをほめる」には落とし穴がある。ついついわかりやすい「能力」や「成果」に注目してしまう。「⚪︎点取れた」「勝った」「成功した」などの成果や結果をほめてしまう。その評価が続くと、「価値があるのは自分ではなく、あくまでも〇〇ができる自分であって、ただの自分には価値がない」という気持ちが生まれるというのだ。できたらほめるのではなく、挑戦している「あなた」をほめないと自己肯定感は育成されない。

「失敗から学ぶ」「自分自身で考える」など、子どもの生活の中でどう伸ばすかという基本的な姿勢やポイントが具体的に記されている。親向けの本ではあるが、教員にもぜひ押さえておいてもらいたいポイントがたくさんある。










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