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「こどものにほんご」は「大人の日本語学習」とちょっとちがう| 五段活用や古文の解釈につなげたい:あいうえお

伸ばした音が「a i u e o」になることを強調したい五十音図です。
大人の日本語学習者には不要かも知れませんが
日本の学校で学ぶ子には必要と考えて作りました。

大人の日本語学習で必要とされるビジネス日本語のように
子どもの日本語学習で必要とされる学校文法
分かりやすい形にする必要があると思ったのです。

P33


「みんなの日本語 初級Ⅰ本冊」(2010年2月第18刷発行 スリーエーネットワーク)のP2には横書きでひらがな一覧が示されています。

縦の五十音図を子どもの頃から見慣れている人は
「活用?んー、よく分からないけど
 未然・連用・終止・連体・仮定・命令の活用語尾って
 五十音図の5つの段の音になるよね。」
と活用のルールがなんとなく分かると思うのですが
もし、自分が日本語指導を必要とする子だったら
(何を基準に話してるの?)と
戸惑うのではないかと思ったのです。




日本文化紹介 / こどもの母文化保持


ここからは

日本紹介も織り交ぜながら
今まで「色」「顔」でなぞってきた
ひらがなを改めて集中的に練習します

P34

サッカー日本代表のユニフォームを「JAPAN BLUE」と呼んだり
東京五輪のマスコットキャラクターにも使用されたりした藍色。
伝統工芸士さんや作家さんによって受け継がれています。

古くから日本人の生活に深くかかわり、日本を代表する色彩である「藍」。明治時代に日本を訪れた外国人は日本中に「藍」で染められた衣服が溢れていることに驚き、「この国は神秘的なブルーに満ちた国」と絶賛しました。

「日本遺産ポータルサイト 藍のふるさと阿波」


ご縁があって
日本に来たのだからやはり日本のことを知って欲しい
日本人が大切にしてきたことを知り尊重してほしい
日本の良き理解者になってほしい

そんな願いが私にはあります。
学校での子ども自身の困りごとを解消したいのと同じくらい
強い気持ちで。

相手を尊重するには、まずは自分を大切に思えるように
と教育相談では自尊感情の重要さが語られます。

その子の国の文化について
話題にできると良いと思います。
幼いときに母国を離れた子は、外国人である私より
母国についての情報を知らなかったりします。
(歴史に関しては注意が必要な場合も)

先生や友だちが
自分や自分のルーツに関心をもち
知っていることを教えてくれたり
質問してくれたりすることは
信頼関係を築く時に大切です。


最初の授業で「ふくわらい」をした無口な子は
ヒマラヤ山脈が見える所で暮らしていたというので
私は「地球の歩き方」を読んだり、旅行のパンフレットを
見たりネットで情報を探したりして
その子が興味をもって日本語学習に取り組むきっかけを
探していました。

学校では、学習したことを新聞形式でまとめることがあります。
4年国語で新聞の書き方について学ぶ単元があります。

中学年「書くこと」の目標

相手や目的に応じ,調べたことなどが伝わるように,段落相互の関係などに 注意して文章を書く能力を身に付けさせるとともに,工夫をしながら書こうと する態度を育てる。

文部科学省 小学校学習指導要領国語編 P67

その子は中学年だったので
母国について新聞にまとめ、クラスや職員室に
貼ってもらう
ことを提案しました。
すると想像以上に前向きに取り組み
朝の会で挙手し
「〇〇について新聞を書いたので見て下さい。」
と言えたことを本人と先生から聞きました。
手を上げるタイミングから何度も練習し、担任の先生には
事前にお声がけをしておきました。


A4用紙に題や小見出しや記事の枠を作り
以下の簡単な記事を薄文字で書きました。

①世界一高い山 約8849m
②ヒマラヤ山脈
③海はないけれど川が多い
④食文化
⑤国旗・その由来や願い
⑥時差クイズ

※記事に合わせた絵や写真やエピソードを用意しておき
 正確な情報か本人に確認しました。
⑦本人が書きたい記事(とれる野菜)


1枚目は、なぞり書きメインなので写真は白黒。
2枚目も、1枚目を見ながら自分で書く練習なので白黒。
3枚目は、清書なのでカラー印刷。
これで、計3回同じ文を書くことになります。
スモールステップの繰り返しです。
最初に、厚めの用紙でカラー印刷しておき
ゴールが何処なのかを提示しておくことも
集中力が途切れがちな子の意欲を持続するために有効でした。



みんなの教育技術というHPで
文部科学省教科調査官の監修のもと
小4国語科「みんなで新聞を作ろう」
全時間の板書&指導アイデアが見られます。


違う字体で練習

P35

流れを意識した字体→UD教科書体→文字がさらに薄くなり
残り2つは自分で書きます。



ローマ字の表

「AIUEO」「aiueo」を強調した過ぎるローマ字表。

ここでローマ字表を出したのは、ローマ字で書いてある方が読みやすい
母語の子がいるかも知れない、と思うと同時に
【訓令式】と(ヘボン式)という2種類の表し方があるので
その紹介をする必要があると思ったからです。

P36
【訓令式】(ヘボン式)を紹介しています。

ローマ字の学習は、3年国語であります。
PCの文字入力にも必要です。
(が、若者はスマホで完結という話も聞きます。)

最近は、訓令式・ヘボン式が混在している状況を整理するような
動きがあるようです。

ローマ字の表記見直しへ
英語に近い「ヘボン式」普及で

2024年3月11日 日本経済新聞

文科省HPで「ローマ字」と検索すると…

今のところ、2つ読めた方が良さそうなので
単語れんしゅう」のみ訓令式
これ以降は英語に近いヘボン式
でローマ字を書いています。

伸ばす音は、国語教科書では ^ なのですが
翻訳アプリなどではRōma jiのように横線なので
ヘボン式で表すローマ字の伸ばす音は横線にしています。


2文字の単語れんしゅう


2文字の簡単な単語を五十音順に並べています。
子ども向けの辞典を引く練習もできるようにと考えました。
私のオススメは「ドラえもんはじめての国語辞典」です。

P37


あ行テスト

テストは「あ行」だけ書ければ良しとします。

P38


「藍」について

四国の徳島県が「藍」の産地として最も有名です。
戦時中、畑で食料を育てるために藍の栽培を止めるよう
政府から言われた時にも藍を守った方がいた
という話を本で読んだ時、命がけで先人から受け継いできた
ものを守ったのだと想像し心打たれました。

徳島県物産協会HPに「阿波の手仕事」というページがあり
阿波藍ができるまでの工程が写真入りで紹介されています

公益社団法人 徳島県物産協会HP

藍は、虫除けマムシ除けになると聞いたことがあります。
蛇や虫がいる森で仕事をしている
タイの象使いさんもインディゴ染めの象使いの服を着用していました。
美しいだけでなく実用性も兼ね備えている染料を暮らしの中で
生かせていて、素敵だなと思います。





直接リンクを貼れて便利と思っていたのですが
リンクフリーと明記されていない場合
連絡が必要なのかな…
いや、そんなに見られてないから問題ないのかな
(そういう問題でもないよね…)
私ごときがメールしてリンク貼らせていただいても
良いですか?と伺うのもご迷惑かな
と心配になったので引用に直しました。

文科省HPはリンクフリーを確認できたのでそのままに
してあります。

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