『無量』 〜人生万景〜
東京から広島へ。車で移動している。
京都にある親戚の家に寄った。休憩がてらに泊まらせてもらえることに。
窓を開けると、まとまった水のように風が入り込んできた。
「あれ? 目の前の診療所って、」
「閉まってるやろ? 死んだんや。先月。いきなり。お金死ぬほど稼いだから老後を楽しむ言うてたんやけどな。7月いっぱいで病院閉める言うてたんやけど、それを待たずに死んでもうたんや」
「……こんなこと言うのもなんですけど、」
「せやで。病院の先生でも死ぬんやで」
東京から広島へ。車で移動している。
京都にある親戚の家に寄った。休憩がてらに泊まらせてもらえることに。
窓を開けると、まとまった水のように風が入り込んできた。
「あれ? 目の前の診療所って、」
「閉まってるやろ? 死んだんや。先月。いきなり。お金死ぬほど稼いだから老後を楽しむ言うてたんやけどな。7月いっぱいで病院閉める言うてたんやけど、それを待たずに死んでもうたんや」
「……こんなこと言うのもなんですけど、」
「せやで。病院の先生でも死ぬんやで」