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躁状態が過ぎ去って-双極症1年生の映画監督-【闘病記vol.19】
こんばんは。前回の闘病記の更新では、自分が認識して初めての躁状態について、書きましたが、どうやら嵐は過ぎ去ったようです。
今回の躁状態の症状と対策
嵐が過ぎ去ったという表現が、本当に的確だと思います。躁状態が治まったと思われる今と、躁状態を比較すると、全く異なる人間のような感覚があります。
夜、ベッドに入っても脳の中でいろんなことが湧き上がってきて、インサイド・ヘッドの脳内会議みたいな感覚なんですが、とにかくいろんなアイデアや色々な記憶が思い起こされて、何かに突き動かされる衝動がありました。
思い返すと、病気を知る前にも、同じような経験があります。こういうとき、私は映画の企画書を何本も作ったり、脚本を一夜で書き上げてしまったり、夜中に友達や後輩を呼び寄せて、訥々に旅行やドライブに出かけたり、そういうことをしてきました。
今回は病気の症状だと自分自身で認識して、躁状態を過ごしたので、そういうことは起きませんでした。今回自分の身に起きた症状は、上記の夜眠れないこと、買い物をしたくて仕方がないこと、日中動き回りたくて仕方ないこと、大きくは以上の三つでした。
夜眠れない
これは睡眠導入剤を服薬しても、効果がありませんでした。ひたすら頭の中のインサイド・ヘッド状態を耐えて、ベッドにいる、それが唯一の対策でした。ただ耐える、苦しかったです。だって、動き出したくて仕方ないし、全く眠くならないのです。でも、これが一番効果があったように思います。ただベッドにいて、起きるべき時間までやり過ごす。気づいたら、バッテリー切れのように夜中に寝落ちしていて、結果的に破滅的な行動をせずに済みました。双極症のYouTuberの対策法などをみたりして、見様見真似で真似したまでですが。
買い物衝動
買い物をしたくて仕方がない、これを抑えるのはかなり苦労しました。対策は、買いたい買いたいと言葉にすること。妻に「ダンベルを買いたい」「課金したい」と言葉にすることで、「躁状態だね〜」と軽く流してもらえて、「うん、躁状態です」と自分の中でも、つぶやくことができました。ただ、今回の買い物衝動は、ある意味、休職中だからこそ抑えられた面もあります。物理的に、効果な買い物ができない経済状況であったことがいちばんの効果だったかもしれません。なので、今後仕事を再開しても、自分で扱えるお金は、ある程度制御して、貯蓄口座や株にしてしまう、というように、必要最低限だけ自分で扱えるようにして、経済的な大ダメージを抑えようと思います。
動き回りたい衝動
日中動き回りたくて仕方ないこと、これも抑えるのは難しかったです。気づけば、朝の散歩で10000歩以上歩いてしまっていたり、ちょっと予定があって外出すると、買い物の欲求や興味の衝動が湧いてきて、どんどん歩いてしまいました。なので、物理的に動けないよう、家にいるという選択をとりました。躁状態が治まるまで散歩以外で外に行かない、という物理的な制御でした。これは、仕事を再開してから、となると、どう対策しようか難しいままです。
今回の躁状態の総括
以上、私の双極症1年目の、初めての躁状態は、こんな感じで、ギリギリ抑え込みました。恐らく、1週間〜10日程度の波でした。最初の数日で、おかしいと感じて、主治医に受診。そこからは、以上の方法を取って、ひどい躁状態にならないように、工夫しました。
客観視して見てみると、ある程度抑え込めように思います。ひとつひとつの症状が認識されるたびに、「ああ、こういう時、前まではこうしていたな」と、記憶が呼び覚まされました。そのおかげで、病気を認識する前にやっていた行動を控えることで、半自動的に、躁状態を抑える行動につながったかと思います。
最近の悩み
服薬について
元々、抗精神病薬であるラツーダを服薬していたのですが、躁状態を認識して主治医に受診して以来、オランザピンという新たな薬が処方されました。この薬はかなり効果を実感できて、躁状態がグッと抑え込まれる感覚がありました。しかし、それとともに、副作用で日中眠くて仕方がない、もしくは寝過ぎてしまうという弊害もあります。
この眠気が、皆さんの想像を絶するものでして、殆ど寝落ちしてしまうような感覚です。日中、眠気が襲ってきて、目も開けていられないという感覚で、ひどい時にはパソコンの前で座りながら寝てしまうこともしばしば。
躁状態が治まった今も、同じように服薬していますが、今度の受診の際には、その過眠・日中の眠気について、相談しようと思います。これから仕事をしていく上で、必ず障害になってくる部分なので。
障害者手帳に関して
それから、勧められていた精神障害者福祉手帳の取得。これも、主治医に相談しようと思います。自分の経験則で言うと、躁状態は年に数回訪れていて、その度に生活が乱れ、時には性的な逸脱行為や倫理に反する行動を起こしてしまう可能性があること。また、その躁状態の前には決まって暴力的になってしまったり、些細なことへの苛立ちや怒りが抑えられない混合状態に陥ります。
この1年目のサイクルと、これまでの自分の人生を思い返してみると、混合状態→すぐに躁状態→少しして鬱状態、という経過を辿るようで、1年間の大部分を、症状が出ている状態で過ごしている、ということになります。福祉の助けが少しでも得られるのであれば、取得しようと考えています。
どういう転職になるかは分かりませんが、障害者雇用での社会復帰もシアに入れながら、自分の病気と映画監督としての生業、そして生きていくための必要な経済状況を、天秤にかけながら、できうるすべてを選択肢に入れるためにも、取得しようかなと思っています。
実はこれはより個人的な話題なのですが、この病気について妻は理解を示して寄り添ってくれているのですが、母がいまいち理解してくれない感覚があります。もう育ててもらっている年頃ではないので、別に構わないかとも思ったのですが、今後のことを考えると、やはり母には、少しでも理解をしてもらいたいと思っています。そういう面でも、障害者手帳の取得が、理解への促進につながる可能性もあるのかなと思っています。
今回は、以上です。
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