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けがれた者達の歌 春雷

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春の季節に書いた 春の詩と物語の在り処
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#雨

雨の夜の黒い水溜り

雨の夜の黒い水溜り

📌雨の夜の黒い水溜り

地上から
水を蹴りながら歩く
足音が聞こえる

段々と
此方に近付いて来てるみたいだ

だから
僕は口を開けて待つ

そうすると
足が口に入って
千切って捕れるんだ

今夜は
3本の人の足を手に入れたよ

📌錆びたキッチンカー

森の側近く
雨降りの翌日に現れる

錆びたキッチンカー

香ばしい匂いに
誘われるままに
やって来た物に

「空腹なんだ何でもいいからくれ」

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雨

風が雨の薫りを運んで来る

雨雲が
空の光を遮り
景色の眩しさを和らげてく

雨音が
雑音を掻き消していくんだ

純文学みたいな雨でした

純文学みたいな雨でした

外に出た途端
私に合わせた様に
雨がポツポツと
降ってくる

傘をさして
テンポの良い
雨音に合わせて歩く

水溜りに波紋

磨りガラスの様な景色

傘から落ちる
雨の雫に触れてみると

指先にから手首にまで
流れていく

一粒の雫が
雨の冷たさを教えてくれる

駆け行く時

駆け行く時

僕は月を眺めに出掛けたり

雨の音を聞きに離れたり

風の向きを見に外に出たりと

歩き回ったりするけど

僕を君が呼ぶ時

綺麗な人が待ってるんだ って

駆けて行くんだ

こんな日常

こんな日常

少しばかり
薄暗い空模様

霧雨が静かに降るのだ

雨の中
吹く風が冷たくて

ホット珈琲を買って飲む

雲の流れを見ながら
飲んだからかな…

舌を火傷したんだ

静かな雨を待っていたんだ 

静かな雨を待っていたんだ 

此の身の内で

持て余してる

熱さを

少し冷ます為の

雨を

待っていたんだ…

雲と鯨

雲と鯨

春の精霊が

「雨が降らぬと皆、目覚めが悪い
友を呼んで来ておくれ」

と鳥の使いを飛ばす

暫くすると空に
透明な鯨が
泳いでいる姿が見える

尾ひれが揺れると
春風になるのか
地上の草花が風に揺れる

大きな雲を
鯨の口で吸い込み
鯨は細雨を降らせる

此処に春が来たのだ

春雷

春雷

夕方から
雨が降り
暗くなるにつれ
段々と
雨足が強くなり
夜空には春雷が光る。

叶わぬ思慕

叶わぬ思慕

お気に入りの傘をさし
空から降る雨を
眺めては、

もっと沢山の
雨が降ればと願う。

多くの雨が降り

強い風が吹けば

咲いた花さえも薙ぎ倒し

雨が作る水の流れで

根こそぎ
流されていくか、と…。

未だ、降る様子も無い。

雨に濡れる事も
まだ無い。

ポツポツと

ポツポツと

ポツポツと
雨粒が当たり始め
雨が降る予感と
薄暗くなり始めた景色に
人々の足取りも
自然と早くなる

丑三つ時

丑三つ時

丑三つ時、
新月の夜に
降る雨は
闇の力を纏いし
呪いの雨

その身に
振り掛かれば
明けぬ
闇の眠りにつく

闇の妖精

闇の妖精

陽の光纏わぬ
夜の雨を集めるのは
闇の妖精

集めた雨は
満月の夜に
月の光を纏わせ
月の光を手に入れる