どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?
『どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?』
U君。ぼくにはなぜか「死にたい」と訴える青年達が近づいてくる。彼らは美しい。肉体的にも精神的にも。二五〇〇年を飛び越して、ぼくはいまソクラテスの時代に生きているようだ。青年達は、悩んで悩んで悩み尽くした結果、ぼくのもとに来て、そして「生きること」の意味を問い、そして「何故自殺してはいけないのか」と迫る。 答えは唖然とするくらいない。なぜ自殺してはいけないのか、ぼくにはわからない。人生五〇代半ばまで来てしまい、ふりか