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敏感な親子のゆっくり生活#17 おうち時間を整えると、心の余裕が生まれる

昨日、帰宅した娘がこんなことを言いました。

「ママがにっこり笑顔で迎えてくれると、ほっとするんだー!」

小一の娘にそんなことを言われる日が来るとは思ってもみませんでした。ほんの数ヶ月前まで、一緒に登校していたのが嘘のように、今では学校を楽しんでいる娘。ああ、私は子どもたちの心を整える大事な役目を果たしているんだな、と強く感じた瞬間でした。

就学すると、学校のルールに従わなければならなくなり、どうしてもストレスをためがちです。初めて学ぶことも多く、それだけでも疲れて帰ってきます。大人だってそうですよね。

しかし、家に帰ってきた子どもには、宿題や習い事が待っていて休む時間もない。グズグズすれば、おうちの人が怖い顔で接してくる……。安らぐことが出来ない子どもは、どんどん心を病んでいきます。

↑ これは私や、身近な人の幼少期の実話ですが、こういう子ども時代を経験すると、どうしても人の顔色をうかがったり、言われたこと以外はやらない(出来ない)人になってしまいます。

私たち保護者に出来ることは、子どもを急かしたり勉強させたりすることではなく、精神的余裕と周りを見渡す心のゆとりを育むことではないかと思っています。それは結果として、子どもが自信を持つことにもつながり、学力向上も期待できるからです。

我が家では、子どもの自主性を重んじています。家ではできるだけリラックスタイムを過ごして欲しいと思っているので、帰宅後すぐの宿題も強制していません。また、子どもを「下」の存在ではなく、対等な立場の「人間」として接し、年齢に応じた役割を与えるよう努めています。

一個人として大事に扱われている、という意識はとても大事だなと思うのです。子どもの「やりたい」気持ちには大きな可能性も秘められています。包丁を使った料理や、カッターを使った段ボール工作も、怪我をするからと、いつまでもさせないのでは出来るようにはなりません。危険なことは伝えつつも、やりたい気持ちを尊重してあげる。親が取り上げない。私が特に意識してやっていることです。

家で自由気ままに過ごしているからか、精神的に余裕があるときは、自主的に手伝いをしてくれるのですが、長男の方は家だけでなく、どうやら学校でも積極的に周囲の手伝いをしているようです。先生は、「おうちでの教育がいいんですね」と親を持ち上げてくれましたが、のびのび子育ては間違っていないのかなと感じています。

……とここまで書いてきましたが、私もアドラー心理学と出合う前は「とにかく人に迷惑をかけず、常識外れでない大人になって欲しい」という「嫌われない」子育てをしていました。しかし今では上記の通り、子どもも、そして私も、毎日笑顔で心に余裕を持ち、健康に生きられればいい、と思えるようになりました。それが何よりの幸せな人生なのだと。

もちろん、完璧にこなせるわけではありませんが、「失敗するのも当たり前」親も人の子であることを分かってもらいながら過ごしています。

今は何かと心の余裕を欠く出来事も多いですが、ちょっと一人きりになってコーヒーを飲むとか、お風呂でマッサージする時間を作るとか、わずかでも心に余裕を持つようにするだけでもいいかな、と思います。子育てに限らず、そうした心を休ませる時間が、次に誰かと接する時も優しい気持ちになれるんじゃないかな、と思います。


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いろうた@「今、ここを生きる」を描く小説家
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